司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

新株予約権の登記事項 その5

2010年08月18日 | 株式・新株予約権

発行価額と行使価額については一通り終わったかな~。。。と思っていたんですが、昔の事件を思い出したので、ついでにご紹介しておきますね♪
現在はきっと結論が異なると思いますが、ご参考まで。

新株予約権の行使価額というのは、ストックオプションの場合、時価以上であることが必要ですよね。そのため、上場会社では、過去の株価の平均値を行使価額より若干高めな価額を設定しているようです。ただし、発行日現在の株価が急上昇して最高値を更新するような場合もありますので、その場合に備えて発行日の終値が一番高い場合はその価額ということにしています。

ただ、発行日の終値を証明するためには、登記の際に翌日の新聞の株価欄を添付するということになっていましたから(現在の取扱いは不明)、発行日当日に登記申請する場合には、「行使価額 ●円 ただし、発行日の終値がそれを上回る場合はその価額」のように、具体的な価額+文章 という登記も認められていたんです。

あるとき、そういう風に登記されている会社さんから、「ただし書きがジャマなので、削除できませんかね~?」というご質問がありました。結局、発行日現在の株価は、当初設定価額を上回ることはなかったので、当初予定価額が行使価額になっている、とのことでした。

ワタシは、発行日現在の株価を証明して、ただし書きの適用がない、ということが分かれば、簡単に削除できるでしょ♪ と思っていたのですが、ドッコイ!そうはなりませんでした。

法務局の方は、「それなら株主総会の変更決議が必要になりますねぇ。」とおっしゃるんです。「はぁっ??」
ただし書きは、発行日の翌日以降に登記申請すれば、削除してもダイジョウブなはずなのに、タマタマ発行日当日に申請して、後日削除するには総会の決議が必要なんて、オカシナ話ですよね。

それで、相当何度も説明を試みたのですが、結論は変わらず。。。
その代わりと言っては何ですが、行使による変更登記の際には、ただし書きに該当するかどうかを証明する必要はない、ということになりました。
(現在は、資本金の額の計上に関する証明書により自己証明しますので、客観的は証明書類は不要になっています。)

会社としては、行使時の証明書類を気にされていたので、「だったら変更しなくても良いです。」と言ってくださいましたが、ワタシとしては今でも根に持っています(^_^;)

そのストックオプションは、既に行使期間が満了して抹消されましたが、苦々しい思い出です。
今日は愚痴を聞いていただきました _(_^_)_
明日こそは、ちょびっとタメになりそうなことを。。。

コメント
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