(14) 日露戦争後の陸大戦史教育の誤りについて。
それは戦史教育において、日露戦争における我が将兵の忠勇美談が大い
に活用されたことである。欧米に追い付けおい越せの風潮の中で、国民
皆兵の徴兵制度を採用して国力を高めざるを得なかった日本にとっては
やむを得ざることではあったが、そして「弾丸雨飛の中をものともせず
に、戦友の屍の山を乗り越え、銃剣をかざして敵陣地に突入するもので
なければ、忠勇美談の材料にはならないものである。桜井忠温タダヨシ著
の「肉弾」がベストセラーになったように、旅順即肉弾という観念が国
民の中に深く定着してしまった。そしてこの肉弾と言う言葉が、国民を
大いに奮い起こさせ、肉弾攻撃を当然のものとして受け入れていたので
ある。ところが戦後国民の価値観が百八十度転換してしまうと、何であ
んな無茶な、馬鹿なことをしたのかと言うことに変わってしまう。」と
「乃木希典と日露戦争の真実」(p200~p201)には書かれているが、と
ころが「ベトンの要塞に肉弾をぶつけるとは何事か、人命軽視、無策も
甚だしいということになり、そんなことをやらせた乃木はけしからぬ、
無能と言うことになる。乃木にとってもまことに迷惑千万な話である。」
・・とも「乃木希典と日露戦争の真実」(p200~p201)には書かれてい
るが、こんなことから、乃木大将と伊地知参謀長の無能だという事に
司馬遼太郎の「坂の上の雲」は話を進めたのであり、誠に司馬遼太郎
という人物は罪深い人間である。
その証拠に伊地知幸介参謀長は、同期の長岡外史や井口省吾よりも三年
も早く中将に進級しているし、参謀副長の大場二郎中佐も同期生のトッ
プで大将に昇任し、教育総監になっている、とも書かれている。
真実は乃木大将が「戦上手」だったからこそ日本は救われた!「坂の上
の雲」は間違いばかり。とその書の帯封には書かれているが、これこそ
が真実なのである。
(続く)
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