世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

尖閣諸島問題その2(5)

2012-07-10 11:04:45 | Weblog

フィリピンやベトナムが、南沙諸島や西沙諸島をいくら自国領だといっても、中国は両方とも中国領だと言って譲らない。それが冒頭に説明した「三沙市」だ。そして2011年5月に起こったベトナムへのその仕打ちが、中国の立ち位置を如実に示している。これらの状況を把握することは、尖閣諸島の防衛に役立つと言うものである。事の次第を次にまとめてみるので、概要を把握して欲しい。この成り行きを理解したら、次にその細部の記事を紹介してゆこう。

(0)2011.02.24、南沙諸島で中国海軍が演習、ベトナム(越南)が3/2に中国に抗議する。

(0)2011.03.02、南沙諸島で石油探査中の比・調査船が中国軍艦に妨害される。

(1)2011.05.26、EEZ内でベトナムの資源探査船の探査用ケーブルが中国監視船に切断される。

(2)2011.06.01、南沙諸島で越南漁船が中国艦船3隻から威嚇射撃を受ける。即刻抗議文を送る。

(3)2011.06.05、ハノイとホーチミンの中国大使館前で抗議デモが行われる。

(4)2011.06.09、偽装中国漁船がペトロベトナム傘下の調査船の測量用ケーブルを破損させる。(ボルネオとベトナム南部との中間の南沙諸島の西端に接する海域)

(5)2011.06.11、チャイナネットは6/11付けで「ベトナムは大損をする事になる」と恫喝する。

(6)2011.06.12、ハノイとホーチミンの中国大使館前で、再度抗議デモが行われた。

(7)2011.06.13、ベトナム海軍はグアンナム省(ダナン市)沖合い40km地点で実弾演習を行う。

(8)2011.06.14、中国の中金在線は、この演習を受け「必ずや報いを受ける」と再度恫喝する。

(注、中金在線とは2003年に営業を開始した中国の金融・証券系のニュースサイトである。)



(1)2011.05.26 に関する記事を次に示す。


「資源探査船ケーブル切られた」ベトナム,中国を非難(2011.05.31読売新聞)
「資源探査船ケーブル切られた」 ベトナム、中国を非難
南シナ海EEZ内、賠償要求


ベトナム外務省は29日、緊急の記者会見を開き、南シナ海における同国の排他的経済水域(EEZ)と大陸棚で、「ベトナムの主権に対する重大な侵害があった」として中国を非難、同海域での中国の監視活動の即時停止を求めた。

 同省によると、ベトナム中部フーエン省冲約120カイリ(約220キロ・メートル)のEEZ内で(2011.5.)26日、同国の資源探査船が中国国家海洋局所属のパトーロル部隊の監視船3隻から妨害を受け、調査に用いたケーブルを故意に切断された。現場はベトナム国営石油会社の開発鉱区で、中国監視船、無線による呼びかけを無視して接近し、ケーブル切断後、「ベトナム側が中国の領海を侵犯した」と警告して立ち去ったという。

 ベトナム政府は27日中国大使館に抗議、再発防止と損害賠償などを要求した。請求額は不明だが、国営石油会社は「被害額は約10万ドル(約810万円)と国営ベトナム通信に話した。中国外務省は反発している。中国は南シナ海ほぼ全域の主権を主張、スプラトリー(南沙)、パラセル(西沙)両諸島をめぐって領有権争いを続けている。

 ベトナム外務省のグエン・フォン・ガー報道官は「今回、被害があったのはベトナムのEEZ内だ。中国は問題の平和的解決を主張しながら、状況を複雑にしている。主権と平和を守るために必要な措置を取る」と強調した。

中国「取り締まりだ」

 【北京=大木聖馬】中国外務省埼の姜癒瑜副報道局長は、中国の監視船がベトナム探査船の活動を妨害したことについて「中国が管轄する海域で実施した完全に正常な取締り活動だ」とする談話を、28日発表した。
http://www.bochao.jp/article/14005635.html



事件の発生したベトナム中部の沖合い120海里と言うと、1海里は1852mなので、222.24kmの沖合いとなる。ご承知の通りEEZ(exclusive economic zone 排他的経済水域)とは、国連海洋法条約により、自国の沿岸から200海里(約370km)の範囲となり、この範囲内であれば沿岸国の独占的な経済活動が認められている。即ち漁業権や探査・採掘権などを独占できるのである。

ベトナムの資源探査船の活動は、明らかにベトナムのEEZ内での活動であり、中国がとやかく言えるものではないのである。しかし軍事力を背景にベトナムの探査船に実力行使したのである。これは明らかに中国が国際法に違反している。

しかしエコノミックゾーンであるため、他国の船舶の航行や上空飛行まで制限することは出来ない。しかし自国沿岸の基線から12海里(22.224km)が領海となり、他国は何人たりとも侵すことは出来ない。この領海から更に12海里の部分を接続水域と言う。

基線とは引き潮時点の海岸線である、と考えていればよかろう。ただし島などが海岸線近くにあったり、湾口などでいりくんでいるばあいは、嶋や湾口の両端を結んだ直線が基線となる。接続水域とは領海から離れること12海里の幅の部分であるので、基本的には公海となるが、出入国管理や環境・衛生に関する防止処置などをとることが出来る。

と言ったところが排他的経済水域に関する事項なのだが、ベトナムと中国の紛争問題から少しEEZの話に脱線しよう。

問題はWikipediaによれば、自国の沿岸からの大陸棚が200海里を超えて延びている場合は、EEZをそこまで設定できるとしていることである。そのため隣接国との排他的経済水域とが重複する場合には、より深刻となるのである。

東シナ海では、中国が「大陸棚自然延長論」をとり、自国の沿岸から伸びる大陸棚の突端までのすべての海域を自国のEEZと主張している。すると完全に日本のEEZと重複してくるのである。そのため日本は「大陸棚自然延長論」をとるのではなく、両国の「中間線論」を主張している。そのためEEZの境目が日中両国では異なっているのであり、日中間で対立が続いている。

しかし、国際海洋法裁判所はミャンマーとバングデシュ間の対立では、「大陸棚の境界は、中間線を基本とする」と言う判決を下しているので、日本は堂々と中間線論で物事をし進めるべきである。そのためにも、その主張を担保する軍事力を保持しておく必要があることは、このベトナムと中国の西沙諸島をめぐる対立を見れば、明らかである。

(続く)
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