名古屋で行われた日本建築学会の学術梗概発表会に参加しましたが、私の関心を引く報告はあまりありませんでした。SAWAZAKIさん他の石巻市の復興基本計画の策定過程に関する短い論文では、中間的な総括として「都市基盤整備復興計画図から震災復興基本計画へ移行する際に、津波避難ビルや高台避難場所、防災ステーションの記載が消去された。このように、文章の内容を復興計画図に落とし込めない原因の一つとして、住民との合意形成が不完全であった」であろうと推測しています。ここでは中心市街地のみしか扱っていませんが、国・県・市の急いだスケジュールで計画の具体的な候補地が決められないのが背景にあると思いますが、質問する機会がなかったので真意が確認できませんでした。
三船康道、蓑田ひろ子さんの「東日本大震災における宮城南部地域の復興計画の検証」のはじめにで、「リアス式海岸を持つ三陸地域ではそれぞれ自治体が入江単位で構成されるため、復興計画は独自に策定できるが、仙台平野に自治体が連なる宮城南部地域では、津波防御という観点からは、隣接自治体の調整と一体化」が必要としています。後段の仙台空港近くの岩沼市、仙台市、亘理町など整合性をとる必要は当然でしょう。前段の入江が自治体単位で構成される点については、自治体単位で計画策定できるのですが合併した石巻市では地区別計画単位が問題です。一番関心を持ったのは大和田清隆さんの「いわき市における復興と環境まちづくり」です。ここでは16地区の地区別計画が、住民の合意によって進められていることです。事例と背景は後日に報告します。
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