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足助の町並み保全3期

2008-03-25 | 都市計画・まちづくり
 町並み保全3期(80~90年、伝建選定断念から自主規制、整備陳情まで)
伝建選定には自治体で地区を決め保全計画をつくり、住民合意が必要です。さらに、規制内容と財政措置も必要なため議会の条例化が必要で、それから文化庁への申請になります。保全計画案や条例案はできましたが、町(町長、教委)と守る会役員の会議で80年に選定を断念しました。その理由として、「看板、交通など伝建は規制が厳しい。商家と非商家があり考えに違いがある。景観のみで商業・生活環境整備が無い。厳しい町の財政事情では改修補助ができない。議会では市街地以外の農村議員もいて賛成が得られない。」などでありました。文化遺産の保存、住環境の整備、商業(観光)振興など突っ込んだ議論がされました。守る会は一時期停滞しましたが、自主規制でまちづくりを続けました。86年には足助川を守る会もできています。また、田口さんを中心に会報も出され、町並みゼミには多数参加し、地域学習会には一流講師が多数来ています。商工会に専門家の相談会を設置しましたが、充分機能しなかったのでしょう。自主的な「修理の結果は、必ずしも好ましいとは言い難い。いずれも民芸調で、復元的修理を行った例はまれである。」(松波)としています。田口さんは「選定されなくて良かった。死んだ町になってしまう。重伝建の価値があるとも思わない。」(後藤『まちづくり批評』)としていますが、西村さんは「変わっていない」し、「伝建の価値はある」と述べています。伝建の意義、町並み保全のデザイン基準、総合的整備計画など、オープンな公開討論が必要です。写真は今も営業している旅館(旅籠)の玉田家。
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