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沖縄-21世紀への挑戦

2005-10-02 | 気になる本
宮本憲一、佐々木雅幸「沖縄-21世紀への挑戦」岩波書店、2000年
 「沖縄が日本復帰から四半世紀余が経過し今も、米軍基地が集中する沖縄の現状を放置できない」として、沖縄の問題を日本の問題として基地撤去、経済自立、真のサスティナブル・エリアをめざしての調査、研究、提言の書です。以外にもこの調査・研究はトヨタ財団の支援を受けています。1975年にアメリカの軍事占領下から日本に復帰しました。沖縄は復帰によって、憲法で保障された基本的人権や健康で文化的な最低限の生活の保障を期待しました。しかし、その現実は裏切られたものとなっています。1995年9月に米兵の少女奉公事件があり、反基地運動は高まりました。大田知事は段階的基地撤去を掲げ、普天間基地移転は県内移転が決まりました。移転先の名護市は住民投票で基地移転反対を決めました。国は補助金のばら撒きで反対する地区に「めいわく料」を払い懐柔しました。2003年には米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落しました。日本の警察や大学の関係者は現場に入ることができませんでした。この本は3つの視点でまとめています。第1に復帰後の沖縄の振興策の決算はどうか。第2にフリートレードゾーンなどの構想は成功したか、基地依存、公共投資依存の産業は自立できたのか。第3に「沖縄のこころ」を生かした開発の思想で、サスティナブル・エリアは建設できたのだろうか。
 モノレールの建設は一定の前進と評価できますが、高速道路建設で那覇市の渋滞は解消していません。米軍基地は全体の75%で40施設20,519hhaと、基地が沖縄経済や土地利用を阻害しています。
 写真は那覇市の都ホテルの裏庭にある蝶の家で撮った蝶です。
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