Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「007/ノータイムトゥダイ」

2021年10月10日 13時13分38秒 | 映画(2021)
武力攻撃事態発生。


冒頭の主題歌訳によると、"no time to die"は「まだ死ぬときではない」ということらしい。「死ぬまでに時間がない」ではないのですね。

まだ劇場公開するときではないと言われ続け繰り返し延期されてきた封切がようやくかなった本作。地上波で前作「007 スペクター」の総集編的な放送を流してくれたこともあり、しっかり予習した上で観ることができた。

だいぶ前から各所で予告映像を見ていたからかR.マレックの悪役が初めてに見えなかった。出番はそれほど多くなかったが、威圧感もあるしよくハマっている。

海に、空に、古い町並みに、中米の雑踏に、北欧の森に、全篇にわたってバラエティに富んだ美しい景観で迫力あるアクションシーンが繰り広げられる。D.クレイグのかっこよさはもちろん、前作に続いて重要な役割を担うL.セドゥに初登場の新人CIAエージェントとして登場するA.デ・アルマスと、眼福な顔触れだけでかなりの満足感を得られる。

ストーリーはほどほど。最後の展開にはさすがに驚くが、これまでも何作かごとに主役の交代があることを前提に作られている珍しいシリーズということを考えればアリと言える。

一時期の報道で、次の007シリーズの主人公が女性になるという話題を見たことがあるが、本作では引退したボンドに代わって黒人女性のノーミが新たなコードナンバー"007"を継承したという下りが出てくる。当時物議を醸した記憶があるがこの脚本の設定を鵜呑みにして主役交代と勘違いしたのかも。本編ではこの人事を巡る皮肉めいたやりとりがいくつかあって楽しめる。

クライマックスでは突然日本が登場。世界を恐怖に陥れる化学兵器の製造工場が日ロ間で帰属問題がある島にあるという設定だ。R.マレック演じるサフィンもそこにいて、庭園や和服やお茶など日本文化をたしなんでいる様子がうかがえる。最近中国寄りが際立つエンタメ業界において珍しい。

全体的に極めて満足度が高い娯楽作品。映像技術が格段に進歩し様々な競合作品が作られハードルが上がっていく中でも、余裕でその上を超えていく感じがする。「ジェームズボンドは帰ってくる」とマーベル作品みたいなメッセージが最後に出ていたが、期待していいのだろう。ただD.クレイグと一緒に他の出演者たちも一新かな。A.デ・アルマスはもっと見たい気がするけど。

(80点)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「護られなかった者たちへ」 | トップ | 「最後の決闘裁判」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(2021)」カテゴリの最新記事