日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

決定回避の法則

2011-08-16 | ドレステリア
その昔、友人がBOTTEGA VENETAのバックが欲しいと言っていて
ふ~んと思った。

まだ、その時には良さが分からなくて渋い(ババ臭い)バックが欲しいのだなと思っていた。
周りが皆、持っていたヴィトンも欲しくはなかったけど。
シャネルもなんだか夜の蝶のようであざとくて嫌だった。


子供の背伸び


自分も子供だったけど、随分、冷静に物事を見ていたんだなと今になって思う。

確かに親のマネをして雑誌のマネをして周囲から浮かないように自分たちで規則作って、
校則なんかは面倒だと思っていながら自分たちで作った無意味な約束事を作りすぎて
疲れていたあの頃。

同じような恰好をしている学生のかたまりや楽しげにニコイチなんてものを謳歌している人たちを
見る度にご苦労さんとつぶやく。
もっと自分の好きなようにやればいいのにね。
決まり事をつくると自由にやりたいと望む。
自由にしていいよといわれるとどうしていいか分からないそんなところだろうか?



大和証券のCMでもあったよね。

プリンストン大学行動経済学者
E・シャフィール博士  「決定回避の法則」

ベビーカーのセール売り場
たったの4種類のうちは客は決められるが
選択肢が多いともっと良いものが選べると思いきや選べない
「選択肢が増えすぎると、人はむしろ何も選べなくなるんだよ。」


選択肢が多いほど困ってしまう。
それを選び取る知識も経験も趣味嗜好も強くないのだから。
青じゃなきゃ嫌だとか、対面式のベビーカーじゃないととか
こだわりが一つでもちゃんとあれば買うべきものは必然ときまってくるのだろう。
多分、一事が万事そういうこと。
買い物に限らずだけど。

趣味嗜好はいつの間にかに凝り固まって
物事は悩まず選び取れるようになった。
その代り新しいもの、興味がないものはとことん排除。
こうやって頑固者になって世間の流行りとずれていくという過程の真っただ中にいる。
好奇心だけは失ってはいけないと肝に銘じるが、如何せん興味が湧かず。

冷静な目はいつの間にか我儘な自分のひいき目になってしまうのか。
それはコワイね。


やっとこの年齢になってBOTTEGA VENETAの良さがわかるようになった。
何でもない黒のハイヒール。



皮が軟らかくてとても履きやすい。
そしてヒールの部分がこっそりBOTTEGA VENETAなの。
アイコン的なあの皮の編みこみです。







思いの外、履きやすくて大成功だったハイヒールを目の前に
自分の嗜好の遍歴を思い起こす。
同じような趣味の人と付き合うのは楽だが違う価値観を持つ人と付き合うのも貴重。
何年かして気がつくこともあるもんだ。

BOTTEGA VENETAの靴を目の前にちょっと考えた。
また、好むと好まざるとに関わらず新しい人間関係が始まる。
先入観なく、自分のやり方を押し付けることなくいい関係を築いていきたいものだ。
目の前の一人。
決定回避するほど選択肢はない。
かといって相手に迎合するほど器用じゃない。

会社用のBOTTEGA VENETAのハイヒール。
夏休みも折り返し。
休みの日は本当にあっという間だ。










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