日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

すきやきの縁(よすが)ー和田金みやげの牛脂

2014-07-21 | トラットリア
楊逸(ヤン イー)の『すき・やき」を思い出した。
『すき・やき』を再読しなければとすきやきを食べながら思ったのだ。


楊逸(ヤン・イー)
日本語を母国語としない初めての芥川賞作家
ハルピンで生まれた中国語を母国語とする作家が描いたのは
高級すきやき店で働くココちゃんを主人公とした人間模様。


世界に轟く松阪牛の本場、松阪の和田金ですき焼きを食べた。
その感慨は今まで食べたどんな牛肉の味わいを遥かに超えて、
口に残るかつて経験したことがない食感への驚愕とこの小説であった。


小説に登場するすき焼きは和田金のそれとは違い、劇的な美味しさや展開を放つわけでもなくひたすらに粛々と進む。
唯一の共通点はその流れるような粛々さ。
重なるは和田金の中居さんの滞ることなく、流れるようにすき焼きをつくる様。
肉の甘みを感じるたびに『すき・やき』を読まねばと思う。
忘れたころに、よみがえる牛脂の甘みが、まるで小説そのものみたいに思えてきて、
和田金のすきやきは、肉を口に入れた瞬間の美味さと、極上の余韻を味わえる事を知って
たいして感想をもたなかったはずのこの小説が、人生最高のすきやきを食べた時に
思い出すのだから、もっとドラマティックで印象的なものだったかもしれないと
期待するのだ。

  

  

  



心ゆくサービスと和田金の牛肉のために選ばれた赤ワインとともに堪能したすきやきのよすがは楊逸の小説『すき・やき』だけに非ず。



和田金 すきやきのよすが  『牛脂』
持ち帰るべき 和田金みやげ 牛脂。(クール便にて配送可)
厳選された特選素材だけがもつ甘みと爽やかさがつまった牛脂。
驚くほど融点が低いふわふわの牛脂の瓶詰。


この牛脂なら猪脂飯(ラードごはん)を試す価値があるだろう。




ラードごはん
日本でいうところのバターライスみたいなもの
台湾や香港で食べられる貧乏メシ
猪油飯や猪油拌飯と呼ばれる。
あつあつのゴハンにラードをのせ、醤油を数滴たらしてかき込むべし。
ナイナイの岡村氏も絶賛の庶民のグルメ



和田金のHPでも、ネットでも、全く情報が皆無の幻の品 和田金 牛脂の瓶詰。
万単位の金額が並ぶ松阪牛の価格リスト、時雨煮、ハンバーグのご案内はあるのに
何故だかどこにもでてこない「牛脂」の文字。
手頃なお値段でこんなにも美味しいのになぜ情報が皆無なのか・・・。
それは芥川賞作家 楊逸に対抗して無冠のミステリー作家 山本美紗の極上ミステリーのごとく。


松阪 和田金の謎  -隠された宝を追って


もやしを炒めただけでもすこぶる高級な味になり
スーパーの安い牛肉が高級肉風へメタモルフォーゼ。
脂が牛肉の良さを判断する基準になるんだと確信したいなら、やっぱりラードご飯だろう。


宝は隠さず、謎は残さず。
美味しいラードにうっとりとしながら『すき・やき』を読む。
さあ、あのすき焼きを思い出す縁(よすが)。




牛脂の勝ち!

  

  








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