日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

惜しむらくは雨、モーム

2014-07-27 | リブレリア
梅雨が明けたと思ったら、どうよこの暑さ。
一気に夏が来た。

強引で、有無を言わさず夏。
鬱陶しい梅雨の雨も気が滅入るが、
こうも暑いとあの雨が恋しい。


夕方の解放感に水をさし、電車遅延をひきおこすご迷惑なゲリラ豪雨ではなく
優雅に降り続ける梅雨の雨。
干からびた身体が欲す慈雨。
ゆく梅雨を惜しんでサマセット・モームの『雨』を読んだ。
とは言え、モームの雨はしとしと降る雨ではなく熱帯のうんざりするようなそれ、雨。

熱帯のいつ止むとも知れない重い雨がふる降る南洋のある小島が舞台。
その雨で狂わされたのは予定ではなく理性。
ねっとりとからみつくのは湿気ではなく、人としての本性であった。
物語は雨の中で進み、唐突に終わる。
それはまるで梅雨が終わり、一気に夏がくるかのように。
あえて多くは語るまい。
モームのストーリーテリングに酔って欲しいから。
雨を惜しむらく。


熱帯のからみつくような湿気と雨を思い起こさせてくれるモームの小説。
それはきっとバンコクの雨を思い出すからだ。
今、何かと話題の辻仁成。
彼の小説 『サヨナライツカ』
舞台はバンコク マンダリンオリエンタルのサマセット・モーム スイート。
バンコクを愛した作家はマンダリンオリエンタルを定宿とし、スイートルームにその名を残す。
強い日差しに束の間の雨 スコール。
熱帯の強い雨とサマセット・モーム スイート。
次回は是非、ステイしたい。 このスイートとは言わないけど。




写真は雨がふる直前、チャオプラヤ川での光景。







一雨の後、また熱気が立ち上がる前のその一瞬が好き。













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