日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

ヒロイン気取りで

2012-12-13 | ドレステリア
えいっと捨てる。
未練も一緒に捨ててやれい。




実は泣く泣く。




色恋沙汰ではありません。
着倒してボロボロになった愛しのカーディガンちゃん。
コート嫌いのあたしが毛玉 ダマダマになるほど重宝して、
恥ずかしくなるほどヨレヨレだけどやっぱり当たり前のように引っ掛けて袖を通して出かけて行くあの一張羅。
全く同じものが欲しくて、手に入らず、
同じようなものを買ってもダメで、諦めて着続けたまごうことなきお気に入り。




恥ずかしくなるほどのボロボロ具合だったのになかなか踏ん切りがつかなかった。
それに代わるものがなかったので。
何にも代え難い唯一無二のあたしのコート。
人はそれをオンボロカーディガンというのだった。



そして本日、決別の時がやってまいりました。
ローゲージのみっちり目の詰まったロングカーディガンから
ふんわり暖か空気をはらむカシミヤカーディガン。


お店の人に勧められ何気なく羽織ったらその暖かさと軽さに参る。
洋服、特に大物(コート)は絶対に買わないと決めていたのに
せっかく買うのならヴィトンのストールにしようと決めていたのに、
何故かあたしについてきたふんわりカーディガン。









羽織って鏡の中に映る、その顔にちらりと
「あれと決別が出来るかもしれない」という表情が横切ったのだ。





あたしは見逃さなかったのだ。






未練なく、ふっきれたその表情を。
あたしのあたしの顔のあの表情。


えい、やっと捨てるぞあの大好きなあいつ。
そう決めても逡巡してしまうあたしの弱さ。
きっと、恋の終わりってこんな感じ。
ドラマのヒロイン気取りでゴミ箱の前に立ち尽くす。




あたしは弱い・・・・・・。

寒さとはこういうことなのか

2012-12-13 | Weblog
寒さとは自分が立つ無の空間に吹き抜ける一陣の冷風と理解している。
頬をなでるように吹く、春風でなく
渋谷のスクランブル交差点に吹く、木枯らしでもない。
何もないところから自分に向かってくる冷たい風。
体温を奪うだけではなく心の温度も奪っていく。

それを「寒さ」と理解する。
そして「寒さ」は「悲しさ」とか「寂しさ」と隣同士ということも知っている。
また訃報。




ラヴィ・シャンカール 死去






ラヴィ・シャンカールはシタール、はたまた音楽という方法を用いて
宇宙の理と人間の根本原理を表現する哲学者。


ミュージック(MUSIC)の語源は学芸の女神 ムーサ の業に関わること。
Mousai(Mousaの複数形)+technic=mousike
女神たち(Mousai)の技術(テクニック)=ムジーク

女神たちはそれぞれの叡智は
歴史、器楽、喜劇
悲劇、舞踏、天文
恋愛詩、叙情詩、叙事詩
これが一緒くたになってムジークになってるわけでMUSICは音楽だけを指す訳ではなかったのだ。

それを体現する音楽家 ラヴィ・シャンカール
心の有り様や世界の出来事を語り出す詩人で
ジョージ・ハリスンをはじめ多くのアーティストに影響を与えた音楽探求者。
慈愛に溢れ、神々しく鳴り響くシタールを操る哲学者。
musicって神の力の領域の欠片だからね。
それを真っ当に表現した彼のミュージックは人の感情を揺さぶるんだ。


シタールの響を反芻し、改めてその音で
寒さとはこういうことなんだと思い知る。