常識があるだとか無いだとかは、とかく口の端にのぼりやすい話題である。
かといってその判断は難しい。
もちろん「マナー」のようにセオリーにのっとって正誤で判断できるものも多いが
それ以上にその人の与える印象だとかあやふなものと一緒に判断される事が多い。
しかも、置かれている環境、立場が変わればあっという間に常識ですら変わってしまう。
「会社の常識、社会の非常識」
よく言ったものだと思います。
常識だと思い込んでいたものに振り回されてしまうこともあるのですから。
その昔、地球の周りを太陽が周っていたのは常識でした。
米国の大統領が白人なのも常識だったし。
香月 日輪著「妖怪アパートの幽雅な日常」を読む。
実はジャケ買いの一冊。
この表紙を画いているミヤケマイの絵が好き。
帯も凝っていてなかなかよい面構えの単行本。
読んだらね・・・
そう「常識」というものがいかに不安定なものかが分かります。
常識って「概念」だったんということ。
何だか偉そうな常識って言葉に振り回されているけど、個人の主観もたっぷり入った見方なのですよ、所詮。
「あの人、変わっているよね。」と口癖のように言っていた私はある時、「あなたが変わっているから周りが変わって見えるのよ」と指摘される。
ぎくり
サングラス越しに見る景色はサングラスのレンズによってその色を変える。
つまりそういうことです。
トンボのメガネは何色眼鏡・・そんな童謡を思い出す。
文章の端々に当たり前ということの脆さを指摘されます。
なのに切り口は軽く、考え込まずに読める物語。
さらりと常識を覆されるかもしれないっす。
そりゃ突然、妖怪の住むアパートで生活をすることになったら人生観かわるよ。
無いはずのものが存在して、あるべきものが無いということ。
「絶対」なんていう常識は通用しないくせに絶対、人生観を変えられちゃってる主人公の成長ぶりもいいかんじ。
只今、単行本で2巻まで発売中!
NOW ON SALE
SALEという文字をみると「お得感」を感じるんだけど、SALEという言葉は「安売り」という意味じゃないんだよね。
あたしの中の「常識」がこの言葉に反応します。
あらら、振り回されちゃってね。