東京都現代美術館で興味深い企画展が行われます。
ラグジュアリー:ファッションの欲望
なんてタイムリーな企画なんでしょう!
個人的に最近のファストファッションブームに嫌気がさしているのだ。
ユニクロ、H&M、フォーエバー21、ZARA・・・
最先端のファッションを低価格で手に入れられるという選択肢が増えたことは歓迎に値します。
もちろん980円のジーパンも然り。
ただ、ここには大きな問題が隠れていて、きっとファッションに興味がある人は少なからず感じるであろう落胆が潜む。
「個性的で面白い」ものがへるというジレンマ
皆と同じ格好をしたくないという思いがあるから新しいものが次々と出て、流行を形作る原動力になっていくのにお金をかけたものが売れない
個性ある目新しいブランドのコピーも瞬く間に安く出回る。
これじゃ、新しいものは生まれてこなくなってしまう。
流行の原動力を自分たちで摘み取ってしまっているように思うのだ。
ただ、ファストファッションを生み出す側もちゃんとその辺を心得ていて
ユニクロはジル サンダーとそしてH&Mはジミー チュウとコラボして新作を発表しています。
いかに最先端で新しいものを発信していけるか手腕が問われている訳。
その中で間違いなくいえることはモノには適正価格が存在するということ。
高いもの必ずしもいいというわけではないけど
値段にはちゃんと理由があってその価格でしか表現できないクオリティーもある。
有名デザイナーが低価格で売ることを前提にデザインするものは
時間も手間もお金もかけられない制約はデザインの制約となって表れるのだ。
一世風靡したブランド ヨウジヤマモトの倒産
百貨店業界の不振
高いものが売れない時代になって消費者に目はさらに厳しさを増しています。
安いもの
高いもの
どんな価格帯であっても適正価格をしっかりと見極められるようになりたいものです。
あるコラムに納得の文章がでていました。
ファッショのみならず、こうし低価格品を若いうちから購入する傾向がスタンダードになると将来的に一抹の不安も残る。
価格の高いものが全て“本物”とまで言わないが、やはり、確実に違いは存在する。
“本物”といえるものに触れなければ、モノを見る目が養われない。
それはすなわち想像力の欠如にもつながり、ひいては国力の低下につながっていくのではないか。
なるほどね。
手の込んだ伝統手工芸も
良質な素材とされるものもちゃんと人の手がかかっている分、対価も高い。
その対価の価値が分かる人が少なくなれば伝統もそれを支える職人芸も廃れてしまう。
今、売られている洋服が100年後、ヴィンテージショップで欲しいと思わせる洋服であり続けられるのか。
美術館で展示品として耐えうるのか。
きっと自分にとって高価だと思う金額を払ってから手に入れられるものもあるはずなのだ。
時によってはその高価さゆえに洋服という枠を超えて真価を発揮する。
貫禄、自信、優雅さ、品格
自分が持っていない資質を補ってくれることもある。
タンスの肥やしが経験値
さて、「ラグジュアリー:ファッションの欲望」展
絶対、面白いよ。
ファストファッションへの徹底的対抗。
そのうちファーストフードの反動からスローフードの流れがでてきたようにファッションにも動きがでるかもしれません。
そうしたらもっともっと面白いことになるんだけどなぁ