棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

39-珍訳源氏-光源氏21歳

2009-07-25 10:12:15 | 物語・絵本・童話
光源氏の正妻-葵の死
光源氏殿が21歳になられた。
我が妹であり、源氏殿の正室 葵の上は25歳と年上女房。貴族社会では、年上女はどちらかといえば、恥ずかしきことだった。
妹の性格もあったが、年上というおいめは、かえって妹のプライドにさわり、妹の性格からして、決して下出にひかえるようなことはなかったに違いない。しっくりといっていない夫婦であったが、なんと男の子が誕生した。
 我が左大臣家では一族を挙げて祝った。しかし、急に、物の怪に襲われたごとく、亡くなってしまった。
この折の源氏殿の嘆きようはひとかたでなく、夫婦仲がうまくいっていないなど、ただの邪推かとおもわれるほどだった。
盛大な葬儀のとき源氏殿は私に、ようやく心が通うようになったのにと、心のうちを明かしてくれた。私は「嗚呼。大人になられたなー」と心から感じた。
それにしても、物の怪がとりつくとは尋常でなく、陰陽師によるとある女の恨みだと・・・。

38-珍訳源氏-朧月夜の巻

2009-07-24 08:32:11 | 物語・絵本・童話
予測はピッタシ
面倒なことになるかもしれないと思いつつも、一夜限りの姫にしては心残りがある。姫と交換しあった扇を見つめては思い起こすのでした。
世にしらぬ ここちこそすれ 有明の月のゆくえを 空にまがえて
思いを込めて記しておきました。
朧月夜の姫君はまさに六の姫で、まもなく宮中の深窓に入ってしまいました。
いくら源氏殿とて、永遠の思い人-藤壺様(帝の正妻-中宮だが光源氏との間に不倫の子がいる)と同じく、そう簡単会うことは出来ません。

話は一挙に飛びますが、今後の話の骨格をなすので、予備的に覚えておいてください。
源氏殿が22歳になられたとき、桐壺帝は弘徴殿の女御の生んだ東宮に帝位を譲り、桐壺院として藤壺の中宮と暮らすようになった。そのお子(本当の父親は光源氏)は、東宮となられ、後見役に近衛の大将になっている光源氏が任命された。
以前の東宮さまは朱雀帝となられ、母親の弘徽殿は皇后様になられた。
なんとも、団子状態でややっこしいですが、位があがり入れ替わっていく。もろもろの権勢欲からうまれでる人間模様、これが源氏物語です。

37-珍訳源氏-朧月夜の姫

2009-07-23 08:42:22 | 物語・絵本・童話
37-もしかしたらヤバイ姫君だったのでは
朧月夜の夢のような一夜を過ごした光源氏は、昨夜の姫の貴賓や物腰から只者ではないと感じました。
例の赤鼻の末摘花の姫君とは大違いですが、もしかしたら、政敵の右大臣の末娘・六の君だったらまずいと、少々あわてた源氏どのでした。
なぜならば、六の君は宮中にあがる予定になっていた方であったのです。
その姫様のお歳の確かなことはわかりませんが、おそらく15-6歳でしょうか。前にお話をしたように、帝の正妻-中宮になれる資格は第一に家柄と処女でなくてはいけません。家柄が申し分なく宮中へあがったとしても、お手つき姫だとわかったら絶対に正妻の位にはなれませんでした。
政敵の右大臣家の娘ということばかりでなく、まことにヤバイことをしてしまった・・カモ・・。
いつになく不安になった光源氏でした。

残念!!!皆既日食観測

2009-07-22 20:14:19 | 山郷の暮し
昨日ホコリを被った天体望遠鏡をひっぱりだした、にわか天体愛好家である小生。
夜明けの大雨に「こりゃーだめかもしれねーなー」しだいに期待は雨水に流されてしまった。
一時はお天道様の光が射しこんだが、10時頃からは分厚い雨雲がのししかってきた。
皆既日食で思い出すのは、小生が小学生の時の前回の内規日食で、あの日は暑い日であった。
「絶対直接見てはいけません」と学校で注意を受け、黒色の下敷きや、ローソクの油煙をガラス板につけたもので観た。
マッピルマに暗くなっていき、鶏が騒ぎ出した記憶がある。
日食と聞けば思い出すのが、今も個展などで来場してくれる友のS君のこと。
虫眼鏡をローソクで燻したもので観てしまった。
なにか目の奥でビシッと激痛が走り、眼科にいった。完全に一部が焼けてしまい、視界の中に白い点ができてしまった。
いまでもそのようだ。
今日は彼も、その日のことを思い起こしていることであろう。
ポツポツと雨が降り出し、完全にあきらめる。
全国でガッカリしておられる方が、山ほどいるのでしょう。それにしても、残念な空模様です。

19時のTVを視聴しますと連日報道されていた-悪石島-は雨のようでした。大金を費やしてまことに残念でしたが、楽しかったでしょう。
空から海から様々な観測ツーが、それぞれの貴重な実体験を体得されたようです。チョット一杯はいっていますのでナンですが、期待よりもその場にいたという体得がたいせつなことなんです。
飛躍するかもしれませんが、言葉以前の体で体得する、これが芸実→間違えました芸術の根本です

36-珍訳源氏-朧月夜の巻

2009-07-22 09:03:23 | 物語・絵本・童話
虫が騒ぎ出す
宴も終り私どもは帰宅しましたが、源氏殿は、いまわは中宮になられた藤壺様にあいたくてうろうろしていたのです。
奥の庭に忍び込むと、朧月の怪しげな光が差し込んでいる中に、天女のような姫君がいます。
体内に宿るナントカ虫が騒ぎ出した光源氏。黙って帰る源氏殿ではアリマセンから、すばやく姫を小部屋に入れてしまいました。
姫も驚きと恐怖で、声も出なかったのでしょうが、光源氏だとわかると、芯から安心しきって身を任せたのです。
この辺の描写は、流行のPCを駆使してご想像ください。ナニセそのことが目的の、懐古譚ではございませんので・・・。
老婆心ですがおさらいの一つとして「藤壺様」とは、父である帝の妻ですが、なんと光源氏との間に不倫の子ができてしまったのです。ナーンモ知らない(アタリマエですが)お父ちゃんは大喜びで、藤壺様を正妻--中宮にしてしまったのです。
後々のことですが、この子が末は帝になるのですが・・・。

ネズミ退治共同作戦

2009-07-21 20:42:43 | 山郷の暮し
賢犬サクラのワンッ!!!と言う一声に、お勝手でガラガラ・ドヒャーンとなにかが崩れ落ちる音。
ニヤーーとチビクマの声と共にチューチュー・キーーーと。
もしかして、サクラの癇に障ってチビクマを・・・
座卓のしたでチビクマがネズミの頭をくいちぎっていた。
あわてて写真を撮る。ウーウーといっちょ前に威嚇のうなり声
サクラは見守るようにジーーと観ていた。
あまり過激でない写真を。

35-珍訳源氏-朧月夜の巻

2009-07-21 09:35:18 | 物語・絵本・童話
例年2月20日すぎに左近の桜の宴が催されます。
宮中に出入りできる高官が、音曲や舞を披露し大変華やかな宴で、男女共に売り込む絶好のときです。
20歳の源氏殿は男の魅力はまさに光のごとく、たのものを圧倒する技と美しさを放っておりました。
源氏殿にあこがれる女たちは、目が一瞬でも合ってくれることを願いつつ、夢中でみつづけています。
私どもの時代は平安の時代。良き家柄の姫君は、宮中に上がることを目的にした、といっても過言ではありません。
帝に謁見できるより近い役職を得れば、お目にかかることも増し、ご寵愛を受ければこれは最高。しかし、そんな姫君はほんの一部で、あまたの美女が寂しい夜をすごしていたわけです。
となれば、こんな宴席こそ、女としての喜びを覚えるというもので、吾ら男も、男の務めを果たさなくてはならないのです。まーーそんなわけですから、よっぽどの高貴な位の姫君でないかぎり、たがいに会う瀬を期待していたのです。
一人こきの女御どのは、源氏殿を皆が持ち上げるので、不愉快でならないようでした。身分からいって「もそっとちこう・・・」なんていえないし、大体お歳ですから対象外である。今から思えば嫉妬としか思えませんが・・。
これからお話をすることが引き金になり、光源氏殿はヤバイことになったのです。

34-珍訳源氏-朧月の巻

2009-07-20 11:14:12 | 物語・絵本・童話
「こきでんの女御」などと、耳慣れない宮中の女の位名がでました。説明は少しややっこしいが、位が上がるに従い、呼び名が変わってゆく。
帝(天皇)の妃-中宮の最高位になりうる女性の位。つまり、家柄・教養あらゆる面で申し分ない姫ですが、帝のお子ができていないだけ。いいかえれば、じつにクヤジイーー地位でもあります。
先刻話したとおり、桐壺帝は桐壺の女御を深く愛し、亡くなった後は、良く良く似ているとわれる藤壺の女御を溺愛していた。
面白くないのは、他の女たちで、帝に愛してもらうチャンスがない。嫉妬から藤壺の女御に辛く当たってきたのはお話しましたが、その筆頭はこの弘徽殿(こき)の女御だったという。
藤壺の女御より20年以前からおつかえし、子(東宮)までいるのに、先に后(中宮)になられてしまった。その悔しさは尋常ではなかったのも当然かもしれない。
そのことは決して他人事ではなく、私にも我が左大臣家にも、はたまた源氏殿にもおよんでくるのでした。
その、決定的な事の起こりが、これからお話をする「朧月夜の姫君」との源氏殿の恋で、このことは後々問題になってゆくのです。

33-珍訳源氏-朧月夜

2009-07-19 08:32:00 | 物語・絵本・童話
源氏物語の舞台背景は、西暦1000年前後の平安時代。宮中の、いや日本での二大勢力は、左大臣家と右大臣家。両家はともに五分五分の名家で、なにごとにつけてもはりあっていた。
源氏殿の義兄に当たる私は左大臣家で、政敵の右大臣の四の娘と結婚をしているのですが、気が強く嫉妬ふかいことは「撫子の花」のお話でおわかりでしょう。
お忘れですか・・・雨の夜、フッともらしてしまった姫君のことで、わたしの子を宿しながら消えてしまったお話のこと。それは妻の嫉妬と嫌がらせに耐えかねて、身を隠してしまったのだった。
その右大臣家からは、弘徽殿の女御(こきでんのにようご)と呼ばれる、後の帝 朱雀帝(すざくてい)の母君(皇太后)がおられる。
私の嫁方にあたるこの方は気位の高さと権力欲はひといちばい。のちのちこの方に光源氏はなにかと嫌がらせをあうことになりました。

年取ったなー賢犬サクラ

2009-07-18 18:29:45 | 賢犬さくら
先ほど賢犬サクラが首をたれ、ビッコをひきながら、ようやく帰り着いたという感じだった。
「顔中血だらけにらして、また殺生してきたのか・・・。それにしてもナサケネー面をして」
なんとも精彩なく寝転んでしまったサクラを見れば、汚くこびりついた返り血はいつものことだが、目の下にかなりの爪あと。
「お前も歳をとったんだから、モーー以前のように戦えねーんだ。ちったー自覚しなくちゃなー」
そうです。これはまったく私自身のことでもある。
久しぶりに身の入った製作を終えた今、一時は調子がよくなったと思われた腰が、ふたたびフニャフニャな感じになってしまった。
こまったことですが、今の私にとって絵の制作は、最も腰にこたえる作業のようです。
右肩から足裏まで、右半身が感覚が無いくらいにしびれている。指圧にでも行かなくては・・・。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本