棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

狩猟ワナについて--サクラ

2008-01-31 17:19:46 | Weblog
雪解けも少し進み、硬く凍り付いていた散歩道も、所々グチャグチャだ。
日陰の雪は、薄氷が張ったようになり、ボソッと割れたり、乗れたりして面白い。
新たな獲物は感ぜず、帰宅する。

先ほど「やっと手があいたもので」と、水道工事屋のおじさんが来た。
今年の冷え込みは厳しく、水道管の凍結はれつ工事で大変だそうだ。
とくに、旅行などで留守にしたお宅が多いと言った。
昨年なんか、ふきの頭 をみつけていたのに。

口の周りがかゆく、毛が抜けてきた。
お父さんが、アルコールで消毒してくれるが、舐めてしまった。
やめろ、と言ったって、お父さんのように好きでなめているとは違います。

私が保健所騒ぎになった、そのひとつに、ワナにかかってしまったことにある。
サメの歯のようなやつトラバサミに、ガシャンと食われてしまう。
足が引きちぎれることはなく、関節にくいこんでしまう。
痛いというより、逃げ出せなかった。

もうひとつに、゜クビッチョといわれる、針金なんかで作ってある
首輪のようなもので、こいつはあぶない。
違反ワナらしいが、お父さんはこれに足をとられたという。

猟師さんの仕掛けたわなは、テープなどで記されているが、もとより人間たちのものだ。



21-棚からぼた餅-庄屋の婿入れ

2008-01-31 12:41:47 | Weblog
意気消沈、北風に吹き飛ばされそうな厄病神。
ようやく、庄屋の屋敷にたどり着けば、
大門にはちょうちんが立ち、村人が次々と出入りをしています。

座敷中が明るくなり、勝手場ではオカミサンたちが大騒ぎ。
いつもいた奥の間は、磨き上げられ、金屏風が置かれております。

庄屋さんは気をとりもどし、町から婿養子を迎える日でした。

「こんなやかましいところにいられねー」
厄病神は、博打で夜逃げをした与太郎の
家に住みすいたのでございます。

子供について--母犬さくら

2008-01-30 16:08:34 | Weblog
昨日 一日中フワフワと降った雪は、5cmほど
朝の散歩は、さほど寒さをかんじなかった。
午後には、宮沢賢治風にいうと、ききょう色した空になり
気温が上がる。
雪がまだら模様に解けたところへ、小鳥たちが群がって賑やか。

昨日に引き続き、私の子供のことを。
日記を見ると、昨年8月17日に、2匹娘を出産
写真の子供は私に瓜二つで、すぐに養女宅が決まったが・・。

一ヶ月たち、外で遊ぶようになり、
私もようやく一人散歩ができるようになった9月21日
突然、写真の子がいなくなってしまった。

お父さんは、あらゆるところをさがしたが・・。
お友達がきて、トンビ にさらわれたのではと。
そおいえば、でかいトンビがしきりと旋回している。

私たち犬は上空からの攻撃には、油断をしてしまう。

以前に猫の子をやられたそうだ。
でも、犬の子は重いと思うのだが、友達が言うには
大人の鶏をさらわれた経験があるという。

自然の中に生きるとは、こおいうことでしょうか。

20-棚からぼた餅-始末書

2008-01-30 10:10:00 | Weblog
「福の神 ! FUKUNOKAMI! フクノカミ !どこにいるんだ!
厄病神の怒鳴り声に、草むらで日向ぼっこをしていた福の神。
ウヒェーとも、へーーーーとも締まらない返事。
さらに大きくなった福の神に、厄病神はギョ!としましたが
そこは、負けじとにらみかえしましたが、
計画書が跡形もなく燃えてしまった話に、ヘナヘナとなってしまいました。

「ナナナなんてこった。今年の計画はめちゃめちゃになり
始末書を書かされ、おおはじをかいた上に・・・。
オリャーいってーどおすりゃーいいんだ」

泣き出す寸前の厄病神は、金襴緞子の上着は、垢よごれ擦り切れています。
艶やかだった顔は土色に変わり、体もふた周りほど小さくなってしまいました。

「私だって大弱りで。旅の者が焚き火の不始末をしまして・・・。
村の衆も冷たいもので、これから冬に向かって住むところもないんです。」
といいわけをする福の神。

「もおいいやめろっ!
テメーはここでボーとしていりゃーいいが、俺は王神様から人間どもをしっかりみはることをいいつかっているのだ。
人間テーやつは、チョットよくなるとつけあがり、地の神のお伺いも立てずに、作っちゃーいけねーところに、道や畑を開墾しだす。
やたらと木をきってしまったり、金儲けになることばかりしだす。
上手くいかなけりゃー厄病神のたたりだなんて、間の抜けたことをいやがって。

人間のしでかしたことを、長期短期に調べ上げた計画書は、先祖からの預かり物で命より大切なものだったんだ!」

厄病神は「不始末」と大きく書かれた背中をがっくりと落とし、村中の庄屋の屋敷に帰っていきました。



娘momo-お母さん犬さくら

2008-01-29 13:47:22 | Weblog
昨日よりは少し気温は高いのですが
朝から細かい雪が舞い、2cmほどつもりました。
「お前のばい菌、感染させてはいけねーから、
じっとしていろ」
お父さんは言うが、散歩に行く、ズクがないんだ。

今日はすぐ近くにいる、娘のMOMOのこと。
この子は3ヶ月のころ、親子3匹で裏山に散歩のとき
私が獲物を追いかけると、必死についてくる。
父犬クッタンは、まるでだめ。

夕方帰宅しても、娘は帰っていない。
お父さんがいろいろ言ったが、もう親離れの時期で
バタバタすることではないので、知らん振り。

「お前、子供が心配ないのか。薄情な探し出せ」
お父さんは山に入り、呼んだが(名無し)
この子の反応がない。

夜もふけ、冷たい氷雨が振り出す。
お父さんと暗闇の散歩コースを再び行くが、わからない。
「この寒さじゃーもたない。サクラ探して来い! 」
と、フリーになったが、
このときのお父さんはこわかった。

真夜中、娘はびしょぬれになって帰ってきた。
たくましく、野性味を忘れずに育てるとは、
こおいうことですよ !。

成人の2人の娘さん、ご一家みんなに、
メロメロとかわいがられている。
そうそう、私の「保健所」騒ぎの時、
雄雌の記載の間違えに、お姉さんが
赤い首輪をプレゼントしてくれました。

19-棚からぼた餅-あっちちちっ

2008-01-29 10:09:18 | Weblog
アッチチチチッ ! ! !
飛び起きれば、火につつまれているではありませんか!
外に転げ出ることはできましたが、
計画書は燃えてしまいました。
どうも、寝ているときに
燈明を蹴飛ばしたようです。

「どとどどーーしょう。
こんどこそ、厄病神ドンも許してはくれまい。
いっそのこと、どこかへ逃げてしまおうか。
といっても、とんと、あてがないし・・・」

何の算段もつかないまま、ボーと焼け落ちた
祠を見続けていた、福の神でございました。

激闘の末--さくら

2008-01-28 15:43:13 | Weblog
一日中、蛍光灯のような光で、なんとなくうすらサブイ。
写真が掲示できるようになったので、
もう一度、イノシシとの激闘をみてください。

25日以降フリーになっていないので、
肉はたべにいっていません。
少し心配なのは、口の周りがモゾモゾする。
散歩のとき、硬く凍った雪に
ゴシゴシとこすりつけるときもちがいい。
もしかして、私の血の中に、
よからぬばい菌が住みついたのかも。
以前もそんな感じで、医者にいったが、よくわからなかった。
お父さんは、人間と変わらないはずだと、
抗生物質を飲ませてくれ、なおった。

野生動物とくに、イノシシや狸がペット動物に
「かいせん」を移し、流行したことがあった。
私の場合は当然といえば当然。
体が弱ってくると、悪いばい菌がおきだしてくるらしい。

人間だって移るが、通常はだいじょうぶ。
老人ホームなどで、発生しているみたいだ。

猟師さんの話だと、離れ子供イノシシは
病気にかかっている場合が多く
体力が落ち、群れで移動できなくなったヤツ、といった。

私がまだ若いころ、雄のでかいヤツと対峙したときは
半月型のキバの恐ろしさを、十二分に知った。
それより、その手の大将への深追いは、
命取りになることを会得している。

18-棚からぼた餅-木米爺様

2008-01-28 10:35:37 | Weblog
ことしゃー豊作であんべーいいってーのに、村の衆は神さんのこたーすっかり忘れちまって・・・。
いつまでもこんなにミグセー祠じゃー罰が当たるってーもんだ・・。
でも、ワシにゃケエショーねえから、せめてこれを召し上がってくだせー」
炭焼きの木米爺様は、栃餅団子と木の実酒を供え、燈明をあげていきました。

「ひやーーこれはありがたや。木米爺様の木の実酒は天下一品。
栃餅団子は腹持ちがいいし、あーりがーたや、ありがたやー」
木の実酒をチビリチビリ舐めるように飲みだしたのです。

酒の勢いか、福の神はドント置かれた「厄事計画書」を、ためらうことなく読み出したのです。
「ヒェーなんてマメなことだ。来年も良いことがなさそうだ。
そおいえばえらい昔に、なんとやらいう"厄事封じ込みの術"を教わったことがあったっけ。やったことがないから、忘れちゃった」

厄事の段取り・実行の緻密な計画に、あらためて厄病神の働きぶりに驚いた福の神。
ナルホドと思いつつ、"オイラにはとてもできないことだ"と、他人事。
久しぶりの酒に、だらしなく寝込んでしまいました。

私のダーリン--サクラ

2008-01-27 16:36:37 | Weblog
深い藍色の空は、ヒマラヤの空と同じだとお父さん。
陽だまりは15度近いのに、雪の残る日陰は1・2度。
弱い風だが、吹き抜けていくとサブーイ。

先ほどわたしのダーリンが、お姉さんとやってきました。
「さくら、つながれているんだ」

ダーリンの名前は「クッタン」 インド・ヒンドゥー語で「犬」の意。
実に安直な名前をつけた主人は、シタール奏者です。

ダーリンと私には、現在5ヶ月になる2匹の娘がいます。
といっても、一緒に住んでいるのではなく、一人は遠くにもらわれていき
今一人は、すぐ下の家にいます。
「もも」ちゃんで、とってもかわいがられ、私も安心。
返す返すも、写真を見せられないのが残念。
体形は私に似て、とってもスリム。
もしかしたら、私より大きくなるかも。
というのは、足がグット太く、腰がしっかりしています。
毛並みは、お父さん似で、黒っぽく、毛が長め。

私は子供のころからあまり吼えませんでしたが、この子はお父さんの血か、
吼えているのが聞こえてくる。

そうそう、お昼ごろわたしの大好きなおじさんがきました。
いつもなら、宴会になってしまいますが、
「運転をするから、止めておこう」と、宴会犬になりそこなった。
「あたりまえだが、面白みのネー時代になった」とお父さんたち。

18-棚からぼた餅-神無月

2008-01-27 10:32:58 | Weblog
豊作祝いのお供え物がたっぷりとあがり、ご機嫌な福の神の祠に、厄事計画書を背負った厄病神がヨタヨタとやってきました。
福の神は、お供え物をあわてて隠し
「これはこれは、お忙しいところをわざわざお越しいただき。
今年も出雲に行かれるなんて、うらやましいことです。
それにしても、ずいぶんとおやつれで・・・。」

「ろくに寝てーいねぇんだ。頭がクラクラするが、会合に出席しておかねーと何をいわれるかわかったもんじゃーねー。
あんたは毎日ノー天気で・・。それにしても、運動不足とちがうか」
厄病神の落ち込んだ目は、まるで深い穴ぼこからナニカがみているような、薄気味悪さがあります。

「イエイエ、私だって村に悪いやつが入り込まないように見張っています。
このごろは、祠も壊れ身動きもできません」
祠の中で団子のように座っている福の神です。

あきれたもんだ。テメーが太ってしまったことも気がつかねーとわ。
計画書を預け、しょんぼりと旅立っていく厄病神でした。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本