棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

34-珍訳源氏-朧月の巻

2009-07-20 11:14:12 | 物語・絵本・童話
「こきでんの女御」などと、耳慣れない宮中の女の位名がでました。説明は少しややっこしいが、位が上がるに従い、呼び名が変わってゆく。
帝(天皇)の妃-中宮の最高位になりうる女性の位。つまり、家柄・教養あらゆる面で申し分ない姫ですが、帝のお子ができていないだけ。いいかえれば、じつにクヤジイーー地位でもあります。
先刻話したとおり、桐壺帝は桐壺の女御を深く愛し、亡くなった後は、良く良く似ているとわれる藤壺の女御を溺愛していた。
面白くないのは、他の女たちで、帝に愛してもらうチャンスがない。嫉妬から藤壺の女御に辛く当たってきたのはお話しましたが、その筆頭はこの弘徽殿(こき)の女御だったという。
藤壺の女御より20年以前からおつかえし、子(東宮)までいるのに、先に后(中宮)になられてしまった。その悔しさは尋常ではなかったのも当然かもしれない。
そのことは決して他人事ではなく、私にも我が左大臣家にも、はたまた源氏殿にもおよんでくるのでした。
その、決定的な事の起こりが、これからお話をする「朧月夜の姫君」との源氏殿の恋で、このことは後々問題になってゆくのです。

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