棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

「きぼうのて」展 新聞投稿

2012-06-30 08:49:50 | 山郷の暮し
地元紙ー市民タイムスに投稿した「印象にのこる写真」が昨日記載されました。
 先の新聞報道当でご存知の方も多いと思いますが、ただいま朝日村美術館で開催(7月8日まで)されている展示会のことです。
「きぼうのて」はすなわち「希望の手」ということで、東日本大震災に直面した大船渡市の中学生と、東京でありながら大揺れを体験した小学生に、図工の先生が「被災地を勇気付けるような作品を作ろう」となげかけスタートしたものだ。
小学生が復興にむけての心のあり方を真剣に考え、写真で表現した展示会です。
 正直この写真展を説明をするのは難しい。子どもたちの写真展だと思ったら大間違いで「きぼう」という抽象的な課題で、しかも手を被写体として創造しなければならないという大変な仕事だといえる。
思うに、最初の時点では渡されたデジカメで遊び半分だったと想像できるが、しだいにメッセージを視覚化してゆくことの難しさと、伝えなくてはいけないという確信をかんじる。自分の意図にこだわった表現は決して派手な色彩や形ではなく、むしろま逆でありながら印象に残り考えさせられる。
 画家の私も「天災・人災・ひと曼荼羅 東日本大震災を描く」という大作を製作し協賛出展をさせていただいておりますが、製作時の迷い・葛藤はパンフに記載されている子どもさんたちの会話そのものでした。
「作品を作ってどうするの?」「誰が見てくれるのかな?」「作らなければ見てくれないよ」「作って、送ったらどうかな」「そうだ被災地で展示してもらおう」
「でも、そんなの迷惑じゃないかな」「それどころじゃない、迷惑だよ」「じゃあ作らないほうがいい?」
子供たちの話し合いはまっとうで、とても確かなものでした。
 ともすればテクニックや完成度の追求に本質を見失ってしまう私に「想いのこもった意図」の大切さを知らされる展示会です。


不思議な空間

2012-06-29 07:49:49 | 山郷の暮し
甲府市からの帰り道、以前から気になっていた「茅野市神長官守矢史料館・・じんちょうかんもりや」によってみた。
古代から住んでいたと思われる、いわば原日本人的な一族であるモリヤ。守屋・守矢・守谷とう枝葉はあるようだが、
背後の峰は神々の降臨の処である「もりや山」と関係がある。
諏訪神社の祭礼は古代日本人の信仰形態を色濃く伝えるもので、守矢家は代々諏訪上社の神長官を務めてきた家柄。
難しいことはぜひネットで検索をお勧めします。

さて、史料館の建物がまことにいい。設計は茅野市出身の藤森照信氏で、自然の素材を使った一見廃屋のようだがモノスゴーークこった建物だ。
会館周辺は諏訪氏の古い墓があり、草刈のエンジン音が響きながらも、夏の日差しに心地よい空間を創っていた。
 樹木の中に「オヤ!!」と、物体が浮かんでいる。そして、大木の上に小屋がある。
宮崎駿氏のアニメに出てくる建物やオブジェを連想させる建造物がある。
史料館と同じく藤森氏の設計になるもので、大人が真剣にお遊びをして作り上げた物と感じた。
それらもネットで見たほうが間違いありません。

観光客も少ない処ですが、ここは面白く心地のいい空間だ。
諏訪上大社から車で五分くらいですので、機会があったら古代の空間に酔ってみよう。
改めて諏訪上大社を参拝に行き、社殿の配置など他の神社とは違っていることに気がつきました。

鎌倉バス旅行 

2012-06-27 08:17:57 | 山郷の暮し
鎌倉といえば「鎌倉大仏」は当然の観光コース。今の時候としては「アジサイの小道」でしょう。
友人に誘われた「鎌倉を歩く」のバスツアーはそおでわありませんでした。
大型バス6台も連ねたバスは、我が松本発ではなく甲府からで、この企画も甲府の会社です。
私は前日に甲府の友人宅で一杯。話は明日の「鎌倉見学」と、遠足気分でおおいに期待をしていたのですが・・・。
朝7時出発。車内案内のいの一番が「横浜中華街での昼食とお土産予約の説明」
「何か妙だねー。俺たちは間違ったか??」と我らは思ったが、オバハン連は終始ハナシまくり、気にもしない元気さ。
案の定、4時間かけて着いた鎌倉は八幡宮で、たった一時間のみで何処へもいけぬ。
ハラガヘッタでしょうから、一気に横浜中華街にご案内。ということに。
旅行会社と中華レストランが結託したとしか思えない、横浜中華街お買い物企画だ。
俺たちは中華街に紹興酒を飲みに来ただけかと、自嘲をこめたアホな一日でしたが、行ってわかったことがあります。
東京から鎌倉へは、高速道路を下りたとたん、まるで旧上高地線のような狭い曲がりくねった山道路一本しかない。
昔のままの自然要塞の地 でした。

中華街にある廟。

「きぼうのて」展より

2012-06-23 11:06:30 | 山郷の暮し
白光色に照りかえる真夏。真っ赤な花をかざしているが妙に静かで、生活の匂いがない、寂しい画面だ。
バックの白い壁は、グラウンドに立てられた仮設住宅。
コメント作文には、今は何もないけれど、私たちの手できっと花を咲かせてみせる、という強い決意が書かれているという。

子供さんたちの作品は芸術的な抽象作品を目的としてはいませんが、
手を撮影対象に「きぼう」をあらわすという制約は、抽象的表現にならざるを得なかったと思える。
それゆえにより豊な意味(思い)が詰まっている。
話は少し転じますが、展示会などで「抽象作品はわからない」とあっさりと立ち去ってしまう大人たちが多いが、じっくりと観てほしい。
なによりも感じることからはじまり、子供さんたちのように想いをめぐらすことです。

話を写真作品に戻しますと、これらの作品は真正面から自己をさぐり、見据えた力がある。
そのようなことを探ってみると、抽象表現への理解の助けになるとおもいますが・・・。
正に抽象化によって物事の実態に迫る。という、とてつもないことを成し遂げていると感じます。

きぼうのて展ーー大船渡市の中学生作品から

2012-06-22 08:03:08 | 山郷の暮し
次に、被災地の中学生の作品だ。
八月に入り被災地の岩手県大船渡市立第一中学校の協力を得ての生徒さくひんだ。
小学生と中学生。ましてや東京と現地と大きな違いがあり、一概に言い切れないが、中学生のコメントは具体的なのである。
私の中では高学年にいくほど抽象的になるのではないかとおもっていたが、その逆で以外であった。
最初に紹介したいのは、大船渡市立第一中学校
被写体をビー玉にした作品は小中学生ともにおおかったが、この作品はコメントに引かれた。
「様々な思い」一人一人様々なことを思い考え・なやみ・願う という意味をこめた。

画面のかざした様に写っている手はまるで大いなるパワーを一つ一つに投射しているかのように見えます。私はこの作品の深い意図に魅せられてしまった。
共に鑑賞をした方が「リュウオウマルさんの言う ひと曼荼羅 の抽象的表現ですね」
フーーーン、私はそこまで読めなかったが、正にそおである。

台風一過

2012-06-20 08:36:57 | 山郷の暮し
昨日は台風4号で時折激しい雨が降りましたが、被害もありませんでした。
所によってはかなりひどい爪あとを残したようですね。みなさまの所はいかがでしょうか。
この時期に台風一過の朝とは驚きですが、緑が一層鮮やかになった木々が輝いております。
生あくびと・惰眠いがいすることがない犬のサクラにハナは(小生も同じですが)、陽射しの中でおおはしゃぎ。
今日は暑くなりそうです。ご注意ください。
写真はPCに写った空です。
雲が引きちぎれたり、集まったりしながら結構はやく流れています。

「きぼうのて」展

2012-06-19 08:28:18 | 山郷の暮し
数十枚展示がされている中で、この写真に足が止まった。
思いは通じる とでもいうメッセージかな・・・・と読んだが「心を一つに」多摩市立豊ケ丘小学校
プロジェクト実行員 柴崎さんに詳細をおききしたかったが、残念なところ本人の作文の控えをもっていなかった。

デジカメを渡された小学生は、最初は面白半分での撮影だったと想像できる。
似通った映像は大別して5種類くらいあったが、たとえば一人が水を創作媒体とすると我も我もとグループができる。
また、花や空やその他も同じことが言え、素材的には似通った写真になる。
それはいかしかたがないことで、映像的には同種でもメッセージがかなり違っている。
作文が読めればもっと面白いと思うのだが・・・。
そのなかにあって、この子の写真は類似したものがない。
「心を一つに」は、心は一つ、がんばってください! でもあろうか・・。イヤ、もっともっとたくさんの思いがあるのだろう。

「きぼうのて」展より

2012-06-18 08:54:41 | 山郷の暮し
昨日は30度近い夏日だったようですね。
私は朝日美術館でギャラリートークがあり、午後の暑さは知りませんでした。
西のアルプス山麓に広がる朝日村は、地名のとおり松本平で朝日がいの一番に輝くところ。古くから開け、松本平西山山麓・縄文時代中期に100軒以上はあった大集落地域です。
考古学上大変貴重な遺跡は地名から「熊久保遺跡」といわれ、発掘跡には美術館と民族資料館が併設されています。
二階の土器の陳列はゴロゴロと置かれた感じで、他の展示場にはない感じがある。
学芸員は「予算がないので・・」と笑ってはいたが、昨年の松本の地震(死傷者もあった)では一つも壊れなかったという。
バランスの悪い形と見えるが意外とそおでないのかもしれない。
さて・・、昨日は私のトークでしたが、15名ほど熱心に聴いていただきました。
内容は一応考えておきましたが、話はいつしか子供さんたちの「きぼうのて」の感想になってしまい、皆さんで改めて写真を見直すことになり、面白い時間で好評した。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本