棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

こころに刻まれることば

2014-04-30 08:44:28 | 山郷の暮し
記録的な大雪と寒暖の差が激しかった冬も、パッと春の舞台に様変わり。
サクラの競演も花吹雪の幕が引かれると、新緑の舞台となりました。
ウグイスは明け方から恋の叫びが一段と高まり、もーー絶叫に近い大声となっています。

昨夜から小雨が降り、大型連休に一息。
所によっては大雨になりそうでご注意ください。
アッというまに一年も3分の一が過ぎてしまった感じがします。

先日「美しいことば・美しいこころ」について記してみましたが、
それよりズーーと頭の片隅で思いをめぐらせているのは
「帰ってきた人たちが気持ちがいいだろう」とおっしゃったおバーちゃんの、
自分の死後の事まで及んでいる心身の超越性です。
解説や屁理屈などまったくヤボで無用なのですが、心から生まれた本音の純粋なおもいに「オレはどうなんだ」と・・・。

言い伝えられる名言・格言などは、哲学者や芸術家、まま政治家や実業家など、ある程度社会的位置を有した人たちになってしまいますが、ご立派過ぎて我が身の丈に合わなくなってしまう。

私も「棺おけに入るのはいつだろうか・・・」と逆算したほうが早い年齢になりましたが、自分のしていることが
後の人にどんな役に立つのか、と思うと背筋か寒くなってきます。
もとより 人様に役に立つ生き方や作品創造 をしているわけではありませんが、何の欲もなく「帰ってくる人が気持ちがいいだろう」
という心境にとても至っていない。
そんなことを、しみじみと思い巡らせているのです。

先日 またまたドキッとさせられる言葉を聞きました。
パラリンピック選手の佐藤真海さんのドキュメントからです。

痛みを感じるのは生きていることだと感じた。
義足になって初めて喜びを感じた。

ごく普通の会話にハッとさせられるのは、ウソも虚飾もない本当の思いからなのでしょう。

美しいことば・うつくしいこころ

2014-04-28 09:05:42 | 山郷の暮し
ウグイスが朝日が射す前から、澄んだ声を響かせています。
美しい朝です。
そんな美しい朝に劣らない「美しい言葉」をTVから聞きました。

山里に住む農家の老夫婦が足腰が弱り、農作業はおろか営々と切り開いてきた山畑を継ぐ者もいなくなってしまった。

「もう山に返す時がきた。ヤブ山になってしまうよりも花でも植えよう。帰ってきた人が気持ちがいいだろう」
と休耕地にサクラや花桃などの花木を植えている。
そんな老夫婦のドキュメントでした。

文字にしてしまうと、おバーちゃんがポツポツト語った「山にかえす」の感動的な言葉を、心を、伝え切れませんが、
なんとも美しい語りであり、思いなのでしょう。
さらに、自分がこの世から去った後のことまでに思いが及んでいます。

「帰ってきた人たちが気持ちがいいだろう」

ドキュメントはこの老夫婦は亡くなって数年たち、藪山の斜面はサクラや花桃などが色なしていました。
その風景を楽しみに、山里に訪れる人が増えてきたと伝えていました。

蛇足かもしれませんが「うつくしい」とはなんとも良い響きですね。
英語のbeautifulの響きととは違います。
この違いは「美意識」の違いに通じるのではないでしょうか。
美しいことばとは意味ばかりでなく、この響きと大いに関係しているのだと思います。
浅学で断じ切れませんが、各国の言葉のイントネーションと感覚・意識の違いなどを研究する価値があるのではないでしょうか。

ためしにGooglの音声翻訳で聞いてみました。
電子音で本来の発音とは違うでしょうが、私の旅をした国々から「美しい花」でチョットためしてみました。
韓国語・・忙しい感じ インドネシア・・のんびりとした優しさ ラテン語・・優しい 中国・・きらびやか感じ  ドイツ・・ずしりと深い

「おもてなし」が流行っていますが、大和言葉の美しさ をあらためて見直すきっかけになっていくことはすばらしいことですね。


ひどい食堂

2014-04-27 14:23:39 | 山郷の暮し
来宅した友と昼飯でもと松本市内に向かう。
連休で車が数珠繋ぎで、目的の食堂は国道を横切らなくてはならず「どこでもいいや」ということに。
駅近くで渋滞になり、動けなくなった所で駐車場が開いている食堂あり。
「こりゃ助かった」と入ったが、客は3人ほど。

私はカツカレーを。友はオムライスを注文。

出てきたカツカレーはカレーの香りもなく、カレー色のメリケン粉をこねた糊のようなしろものに、薄っぺらなカツ。
「何だコリャ・・、ハム揚げじゃーねーかー。そのうえ暖かくねー」

友のオムライスはどう見ても卵焼きがのっかっただけのしろもの。

そこでは何もいえなかったが、店を出た瞬間二人して「ひデー食い物だった。でも値段だけは一チョ前だった」
ちなみにカツカレー1000円・オムレツ700円

観光客でにぎわっている松本ですが、正直 松本市内の食堂にはおいしいものがない。
しかし、値段は高い。
「蕎麦」があるのでは、とおっしゃるかもしれないが、唸るような代物とは思わない。

松本の食べ物屋は研究が足りず、能書きが多いのは、松本人の気質かもしれない。
これは私ばかりではない意見です。

松本一のひどい食堂に入ってしまった腹いせもあるが、旅先でこんな店に入ったら、もーー其の地に行きたいとは思わないだろう。

眼下の国道254号は絶えることなく乗用車が流れていますが、がっかりするようなことがないようにしなくてはなりません。

すばらしき朝

2014-04-26 06:38:11 | 山郷の暮し
今朝は5時に眼パチクリ。
カーテンを開くと、枝の全部が精一杯ひらいた一面のサクラが飛び込んでくる。
ボーと観る。なんとも言いがたい至福観。息をイッパイ吸い込む。
朝日はまだ射しこんでいないだけに、柔らかな光を創りだしている。
今日もきっといいことがある。
昨日よりももっとミラクルで愉しいことがある。


我が家を下の畑から見ました。花の森に見えるでしょう・・・。
枯れたススキも色をそえています。


大好きな ボケ が咲き出しました。すべての役者がそろった感じです。

髭剃り

2014-04-25 11:49:31 | 山郷の暮し
前回は「髭剃りの仕方」なるサービスがあるらしいことを、多少驚きと「そこまでやるの・・」と言う思いで書きました。
自分はどうだったっけと思い起こすと、まず浮かんだのが、父親がよく剃刀で切ってしまった顔なのです。
昔の剃刀はナイフのような直線型であった。
理髪店で髭をそってくれる剃刀の変形で、持ち方も難しく、剃るとなると大変だ。
と言うのは、髭もないころいたずらで「髭剃り」をしたらたちまち切ってしまった。
母からしかられた記憶が蘇った。

髭がポチョポッチと生え出した高校生ころ、まだ其の剃刀はあった気がする。
多分数回は切ってしまい、T形の「安全剃刀」に救われた。

髭剃りは大人になった気分で、濃い髭にあこがれたものだった。
学友から 消しゴムでこすると髭が濃くなる と、仲間でごしごしこすったものだった。
しかし、其の効果はなかったらしく髭は薄いほうである。

髭も白くなり不精をしていても目立たなくなり、人の眼も気にならなくなった。
というより、気にもされていねーーか。

 便利はいいことだが・・

2014-04-23 09:14:24 | 山郷の暮し

今朝は3日ぶりにクリヤーな朝日が射しこんでいますが空気は冷たく、上着を重ねての散歩でした。
谷のサクラはボテッと重さを感じる満開の枝が揺れ、やがて散り行くことになりそうです。

今朝のTVで便利なことの紹介に「ひげのそり方」でネットサービスがあることを報じていました。
一瞬アホカイナとおもいましたが、最近の若者は父親が剃刀を使っている姿を見ることなく育っている。
父親不在ではなく電気剃刀使用姿ばかりで、T型の剃刀の指南がなくうまく使えず、いわゆる剃刀負けで美肌を傷つけてしまう、というのです。
そこでメーカーはネットでその人にあったそり方を指南するらしい。
便利です。確かに便利には違いないが、そこまでやるのかとナントナク納得できないでいる。

剃刀の使い方の指南はともかく、なんでもネットで検索すればたちどころに解決してしまう。
エーートどうだったっけ!!と、図書館に行く必要もなくなった。便利です・・・。

ミニ旅行でも携帯でチョイチョイと調べ上げ、「ここはこうなんです」と観もしないうちから感想を定めてしまう。
工夫や自分の感想が出てこないのです。
なにか 自己流 が無くなってしまい、個々の面白みといいますか本当の個性が感じられなくなっている。
平均点満点の社会や人生なんてツマラナイ。
そんなことを考えながらの散歩でした。

爛漫の春

2014-04-21 11:44:47 | 山郷の暮し
土日は我が家の花をライトアップし小宴会。
伸びた枝が垂れ下がった様は振袖のように見え、妖女とも深窓のオジョウさんとも、風情を肴に。
風が冷たく白い息が出るくらいで、内から暖めようとバーボンを飲む。みんな飲む。

昨日は二日酔いもなく生坂村の温泉に行こう、と多少離れたところだが出かけることに・・。
車の中は酒のにおいが充満しているのが、酒飲みでもわかる。
こりゃまずいわ・・と、止めるわけでもなく窓を開けての走行だ。
(今から思うと酔っていた勢いかもしれない。反省サルです・古い)

生坂村は山の村で、狭い谷底は犀川が流れている。長野県の県庁所在地 長野市に続く国道19号
昔々 松本平が湖だったころ、北面の山が崩れあふれ出た水が犀川となったという伝説がある地形。
正直 大変な地形に住んでいるのだなーと思うが、旧道を行くとお堂が沢山あり、じっくりと歩きたくなる
日本の原風景が見られる谷だ。
山にはサクラがイッパイ咲いていたが、若木が多く多分吉野サクラで、昔々の風景とは違っているだろう。
川原の柳の芽ぶきが特に良かった。


花の色気

2014-04-18 08:59:11 | 山郷の暮し
夜半からの小雨は早朝に上がり、薄い霧が花の谷を流れています。
静かな・静かな春の朝です。
谷の花もようやく咲き競いだし、この雨はまさに慈雨。
しっとりと濡れたさまは、少女のお風呂上りの艶っぽさを感じます。
(ずっと昔・・そんなことがあったっけ)

予報では曇りのようですが、花はますます盛んになってゆくことでしょう。





我が家のサクラたちです、といいますか、休耕地に勝手に植えています。

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2014-04-16 08:22:55 | 山郷の暮し
玄関先に垂れ下がっているサクラの枝に、ポッポッと花が開きました。
ようやく咲いてくれたかという思いです。
この枝はいわば定点観測で、他の枝はもっと早く咲き出すのですが、
昨日など「お前まだかよ」と熱い息(酒息ではありませんぞ)を吹きかれました。
夜は朧月夜・・・。まさに春の宵の風情でした。

ラジオからですが、最近スズメがサクラのつぼみの蜜を吸うことを学習した、と報じていました。
「そりゃ嘘だろうーー」・・渡り鳥のウソは蕾をついばんでしまい、ときおり被害あり。
と思いましたが、実際に我が家のサクラにスズメの一団が押し寄せてきました。
春の風情のひとつだ、などと言っていられない。これは問題だ。
今日もやってきたら脅かしてやろう。・・ワンちゃんはやくにたたないし・・。
ウソ鳥の場合は渡り時と重なると大変ですが、スズメとなるといつも居ますから心配ですね。

昨夜の朧月夜とサクラ




帰ってきません・・・

2014-04-13 17:34:09 | 山郷の暮し
「帰ってこない」と言っても、買い物に出かけたオガーチャンやワンちゃんではありません。
先に投稿した 落としてしまった財布 なのです。
現金・運転免許証・カード・お守り・その他 などなどで、お守りは役に立たなかったようです。

海外の方から日本で物を落としても、戻ってくる、と感謝されてきましたが、最近はどうもその率が低下しているようですね。
以前にネットでそのような統計がありましたが、日本はランクが下がっていました。
一番安心できる国はどこだったか忘れてしまいましたが、残念な社会状況だと身をもって感じています。
「は--るよこい。は--やくこい・・・・」と、春は訪れてくれました。
財布よ !! もどってきてちょーダイ  !!!。

我が家のサクラは娑婆よりは一週間ほど遅れますが、今年は鳥の被害もなく良い花をつけてくれそうです。
今日も、花も咲かないうちから酒を手にした友が来ました。
今度の週末に本気で花見をすることになりました。

それにしても・・・さいふーーーー。日本人を信じているよーーー。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本