棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

朝 色の始まり 修正

2021-07-09 16:58:42 | 山郷の暮し
連日よく雨が降り続きます。
毎年あることとはいえ「こんなに降り続いたっけ、頭が腐っちまう」と思うほど年々心身に応えてきます。
各地で大雨による被害が発生していますが、
我が谷は崩壊指定地域になっておりますが、今のところおかげさまで被害はありません。
 
さて2017年6-7月に制作をした「朝 色の始まり F50」がありす。

朝日を受けキラキラと輝くいつもの散歩コースの一景ですが、色とは色彩ばかりではなく「色即是空」の哲学的意味を持っているのです。
畑に野菜を取りに来たオバちゃんは光の中に溶け込み、混然一体としている静かな世界です。
存在すら気が付かない。
オバちゃんも私の存在など知らなかったでしょう。
いつもの当たり前のことなのですが、「これは絵になる」と焼き付いた様なのです。

先日の散歩時に全く同じ光景に出会いこの作品を引っ張り出しました。
完成をしていたのですがナニカ物足りない。
いいのだが現実風景または光景に囚われすぎ「絵の世界または心象世界」になりきっていない、と気がつきました
とはいってもどこを修正したらいいのかわからない。
制作意図を記した日記を見直す。

思い描き観続けたのは数日。
フッと思ったのが「オバちゃん」を今一つ目立たせようと筆を入れた。
筆を入れたのは30分くらいである。
その違いは写真ではわかりにくいが、自身が腑に落ちる完全完成の域にようやくなりました。


一年ぶりです

2021-03-02 11:22:40 | 山郷の暮し
一年ぶりの投稿となります。
前年の最終投稿は新型コロナ騒ぎで「東日本大震災を描く」の展示会が自粛依頼で中止になってしまいました。
今年は震災10周年。
忘れない という思いでどうしても展示会をしたかった。

松本も一時病院で集団感染があり開催はできないかもしれないという不安はありましたが、どうやらおさまっていきそうです。
今年 松本市美術館は改装になり私が最後の展示会となりました。
この先一年間はお休みの美術館となりますのでご注意ください。

4-東日本大震災を描く--逃げろ

2020-03-08 12:52:26 | 山郷の暮し
今朝は雪交じりの雨がしとしとと降る暗い始まり。
お昼を過ぎても寒く、ワンチャンのオシッコを済ませただけの散歩です。

東日本大震災を描く の展示会は予定では8月下旬に繰り越しになってしまいましたが、被災地への思いは変わっていません。
先ほど改めてネット検索をして、死者は一万八千人を超えて居ます。
胸詰まらせる報道が続きましたが、中でも大川小学校のことは忘れられません。

その報道を知った時浮かんだ光景をクロキーをもとに本絵にしたものです。
写真にもない、絵だけにできる記録かと思います。
あらためて 東日本大震災を描く の大作を見て 絵画ゆえにできた想像光景絵です。
顔も名前も知りませんが、なぜか具体的に観えた気がしたのです。

蛇足ですが今見て 子供たちの声が聞こえてくるような情景を よく描けたものだと自分で思います。

3-東日本大震災を描く

2020-03-05 17:44:24 | 山郷の暮し
テレビの映像はすざましい津波を映し出していました。
巨大な船が陸地へと押し上げられていきます。
家も車もあらゆるものがぐちゃぐちゃになり、一気に海へと引きずり込んでいきました。
 
夜の映像では、コンビナートから流れ出た燃える原油の海でした。
正直 この映像にはびっくりさせられた。

世界最大級の地震と津波で痛めつけられた人々に、さらに余震が襲いました。

翌日(3-12)の朝刊には 人も 町も 消えた の大見出しの新聞でした。

子供を抱え逃げる家族を想定し、その家族の変化を描きこんだのです。
前回のショーウインドを見るお祖母ちゃんとお母さん。
上図にはこのお祖母ちゃんがいません・・。





図の右上に描いた上弦の月は2011-3-11の夜です。
日記にしっかりと記されています。

自粛の通知

2020-03-03 15:49:18 | 山郷の暮し
20-3-3 コロナウイルスの余波
世界のニュースはコロナウイルスのことから始まっています。
残念ながら日本の対応は今一つだと評価されていますが、正直 中国のように国家権力で抑え込むことは無理でしょう。
中国の今までの封じ込め対応を見ると恐ろしさも感じます。
ある解説で、危機管理能力は戦争追行能力と比例する、とあり一瞬 ?? でしたが読むに従い、合点がいきました。
要領よく説明できませんので面白い論理ですので調べてみることをお勧めいたします。

その中国の人々から日本は何をしているんだ、といわれる昨今ですが、その中国の一部に「元々俺んとこじゃーなかった。よそから来たものだ。」
と訳の分からない話が出ているとか。
いかにも中国的だと感じています。

さて、この騒ぎは他人事でなくなりました。
3月17日から22日まで松本美術館で「東日本大震災を描く」の展示会予定でしたが、今日 美術館は休館するとの電話がありました。
ちょうど案内状の切手を貼り終えた時で、もう30分遅れたら郵便局に行く時で、あぶなくセーフでした。
ラッキーであったと前向きにとらえ、改めて決定(8月以降)できたときに開催することにしました。
あらゆるところで「こんなこと初めてだ」と慌てていることでしょうね。



2-東日本大震災を描く-展示会

2020-02-28 15:27:53 | 山郷の暮し
コロナウイルスの感染予防で自粛せざるを得なくなり。展示を中止しなければならないかもしれないが、準備万端である。
作品は高さ162センチ・幅820センチと大きなもので、様々な情景をびっしりと描きこんである。
今回は説明をしたて来たことを、漫画のコマワリのような説明パンフを作ったので、ブログでも一部を展開させてみます。

1-2パネル 天災--津波
2011年3月11日 私はいつものように愛犬と散歩をしている時だった。
「オヤ・地震かな・・。」とわずかな揺れを感じた。
いつもはテレビを視聴する時間ではないがチョット気になりスイッチ・オン。
飛び込んできた映像に信じがたい思いだった。
新たな映像とともに繰り返される報道に、体内からこみ上げてくるナニカは日に日に大きくなり、それに左右される一年となった。

三陸沖を震源としたM8.8は観測史上最大。
津波は所によっては高さ10メートルを超え東日本の人々の暮らしを数分のうちに壊滅状態にしてしまった。
日々の報道に悲しみは怒りとなり、そのままの思いを描き文に残した。
本絵の制作にはためらいもあったが、小学校入学まじかの家族を仮想し、絵巻的な構想が熟したのは同年の11月であった。





お母さんとおばあちゃんが入学祝を買おうとウインドウを見ています。

東日本大震災を描く-展示会

2020-02-27 11:50:27 | 山郷の暮し
東日本大震災が起きてより早くも9年たたんとしております。
日本中の人が強烈な光景に息をのみ、「何とかできないものか」と思ったことでしょう。
思うばかりでなく、実際にボランティアにでかけていったり、何らかの形で支援をされた方も少なくないと思います。

私も画人として何ができるのか迷いに迷った挙句、新聞・映像とうの報道資料を参考に津波被害などを表したが、
災害の光景を描くのではなく人々が苦境から立ち上がる精神力を描いた。
正直、現場に立ったわけでもなく人々の苦悩を芸術家的想像だけの制作に後ろめたさもあった。
制作日記を読むと、制作時の湧き上がる悲しみ、いきどうりに自身当惑しながら、夢中にキャンバスに向かった日々であった。
 パンフ 表紙

翌年の2012年春に「東日本大震災を描く-天災・人災・人曼荼羅」を意図に絵巻風に展開した大作(920cmX162cm)を完成させた。
ある展示会場では、男性が作品を見ているうちに絶句し飛び出してしまった。
避難をされていた方だと、同行の人が話をしてくれた。

機会を得ては展示会をしてきたが、ここ3年ほど開催をしていなかった。
この度 3月17日--22日 松本市美術館 で久しぶりに展示をすることになった。

案内はがき・パンフ等すべてそろった現在、先ほど美術館より電話があった。
なんと、他人事と思っていたコロナウイルスの感染予防の影響で、自粛要請があった。

決して強制的なものではないのだが、まだ未定だというが、もし本館での企画が中止になってしまったらこれはお手上げだ。
正直 入場者数は本館の流れにかかっている。
何とも・・・。


アイリス

2020-02-04 17:26:55 | 山郷の暮し
暖かですねー。例年でしたら川岸に複雑な氷の造形が折り重なっているのですがマッタクそのけもない。
大変楽な冬ですが、グレタさんの言うような地球環境危機からでしょうかねー。
積雪がないと水不足の要因になりかねませんから心配ですね。

昨年制作をした「極楽を描くとしたら・・・。」の話に戻りましょう。
とは言っても、ヒマラヤの谷でのことでしたが、アイリスを描いているときに思いだした光景でした。
「アイリス」は我が家の雑草花畑に数種類あったのですが、変わった立派な花をつける株は、雑草に負けたのかいつの間にか消えてしまった。

花弁は色合いの関係からか見た目には厚く硬そうですが、虫がちかつくだけで震え、透き通った光が光粒となってきらめく。
そのような様子を素直に描き出したかった。
もちろん、極楽のイメージである。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本