棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

鍔のはなし ねずみチョロチョロ

2018-04-16 14:20:35 | 山郷の暮し
久しぶりの投稿になります。
その間、初夏のような馬鹿陽気に我が家の桜も例年より2週間近い開花でした。
5分咲きのころから寒気が降りてきたのか飛行機雲ができる日が続いています。
冷たい風にこれが例年の天気だとは思いますが、馬鹿暖かかっただけに冬用の上着をしまいきれません。

さて、またまた鍔の話です。
縁起担ぎの好きな日本人。いろいろあるのでしょうが中でも吉祥の小動物の代表格は「ネズミ」です。
鍔の検索の中で時折目にすることがあります。
知人のコレクターも自慢の一つだと見せていただきました。・・トップ写真
脇差用の鍔でしたが盛り上げ造形に銀の被せ象嵌。
全身2センチに満たない中に、ヒゲまで毛彫された見事なものです。
チョロチョロといまにも出てきそうな写実力とボリューム感に、あらためて職人技のすごさを観ました。
そして、見れば見るほど被象嵌はどのように細工をするのか、まったく見当うもつかない技巧です。

私のコレクションの中にも花などを被象嵌されたものがありますが、
盛り上がっているといっても厚みは0.5ミリにも満たないのですが、金・銀・真鍮・銅などが輝き浮き出ています。
象嵌というのはご存知のように金属ばかりではなく、漆工芸などは貝象嵌--螺鈿 があります。
鍔にも螺鈿細工をされたものをネットで見ました。おそらく大名鍔と呼ばれる高価なものでしょう。

平安城象嵌という有名な技巧があります。
京都から始まったものが全国に広まり、細緻な模様もつけやすかったのではないでしょうか。
拡大鏡で見ないと判らないくらいの細い線刻に、少し厚手の金箔または切金を食い込ませたのではないかと想像します。
というのは磨り減っているものも少なくありません。
この技巧は全国的に伝わったと見え、各地の地方産鍔にも金などがポイント的に貼られています。
私の持っているものもそんな一つでしょう。

細い線による平安城象嵌とは異なりますが、金象嵌がされています。
日本人の大好きな 唐獅子牡丹 と吉祥な図案が力強い線刻でされています。
私の自慢のコレクションでございます。
コメント

鍔雑記・・図柄のこと

2018-04-04 14:56:54 | 山郷の暮し
十二支や縁起のよい動植物や物事をデザイン化したものも少なくありません。
ウオッチの範囲ですが龍・虎はダントツで、次にはネズミ・牛・ウサギなどですが見つかっていないのは羊です。
なんとなく絵柄にしにくいか、ヤギか羊か判らないのかもしれない。

私の名前が龍がつくからではなく、とりわけ目に付く「龍」さんに注目してみましょう。
中国からの影響で神社仏閣ばかりではなく、あらゆる工芸品に意匠されてきた龍ですが、そのほとんどは手足の爪の数が3つです。
中国では皇帝のみが5爪のデザインで、おそらく日本でも最高位の人たちの装飾デザインだと思います。
私は日本では4爪まてしか確認していません。
禅宗では龍は悟りの境地を表しているらしく、天井画をはじめ幡などにも描かれています。
しかし、5爪龍は見ていませんし、ましてや鍔ではお目にかかっていません。
龍の話だけで延々と続いてしまいますがもう少し・・・。
 言うまでもなく架空のモノでありながら、どこか本当に居そうな気がするのは神社仏閣いたるところで・・・、
そうそう口からは水ばかりではなく温泉を噴出しているところもあったり、ともかく面白い。

 龍が刻まれた鍔が欲しいのですが、イイなーと思うものは高くてトテモ買えない。
総体的に龍の画柄のものは複雑で、裏表出入りしているものが多い。
天空を駆け巡る様から作り手も気合が入っり、時としてこりすぎの感もします。


 私は昔から龍の染付けがされた磁器を集めていましたが、いつしか消えてしまった。飛んでいったのかなーー。
今気に入っているのが骨董的価値はないものですが、型絵ものや職人さんがパッパッと描いた雑器などがあります。
凝った絵ではなく気取りの無い一筆書きの良さに引かれています。
鍔で探し当てた鍔は金象嵌によるもので、おおらかな曲線がたまらなくいい。
 竜頭蛇尾ですが龍のことはこのへんにしておきましょう。

 竜虎といいますように「虎」の図柄も様々にあり「竹虎図」などは定番といえます。
虎となれば「獅子」で、これは縁起のよい架空の動物ですね。
特に「唐獅子牡丹」は最高の絵柄で、古い映画の話ですが高倉健さんの刺青姿のかっこよさは今も目に浮かびます。
写真の鍔は私の自慢のコレクションの一つで偶然に手に入れることができたもの。
無銘ですが線彫りの深さや鋭さは絶品です。
有名な鍔師「正阿弥」の本物を手にする機会があり、この技巧と酷似していると秘かにほくそ笑んでいます。
というのは、私の予算ではなかなか手に入りにくいものです。
コメント

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本