棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

絵本 窓辺の象 完成

2011-01-29 12:51:30 | 物語・絵本・童話
発売  絵本 窓辺の象文・りゅう王丸 絵・岩淵 城太郎  
B-5版 ソフトカバー 45ページ 定価2000円
自費出版につき小部数のため、目いっぱいの装丁・単価です。

主人公の象は、生まれた意味や存在について悩み、心の巡礼にでます。
満足のいく答えをえるどころか、自己喪失におちいってしまう。
やがて、『大いなるナニカの力』を感じてから、苦しみの本質が観え自信をとりもどしてゆく。
大人から子供に伝えたい、人間賛歌・希望への絵本です。

詳細はブックマーク HP--photo art 0360 をごらんください。

115-珍訳源氏-最終回

2009-10-19 08:30:31 | 物語・絵本・童話
珍訳源氏物語だらだらと語ってきました。
もっと語り部の人選をすれば、突っ込んだ深層心理や葛藤を描けたのでしょうが、なにせ能天気なアルコール漬けのオッチャンでしたので、多くは望めませんでした。
マーーあらすじを語らせた程度でしたので、紫式部さんの美しい文学を見事に語り代えた現代訳がありますのでお読みください。

これから物語は私どもの子供たちの時代に入っていきます。
世代交代、政権交代とバトンタッチしていってこそ、今が面白くなるというもの。
似たようなことが繰り返されていくものだと思いますが、ホンノチョットの変化の積み重ねが、歴史になっていくのでしょう。
珍訳源氏物語このへんでお開きと致します。

    


114-珍訳源氏-退職後の生活

2009-10-18 09:04:56 | 物語・絵本・童話
栄耀栄華のパラダイスもあれば、どん底に生えつくばってもがくこともあります。私の平安時代の平均寿命は40歳そこそこ。皆様方の時代とは大違いですが、その分皆様は多様な楽しみも増えたでしょうが、苦しみも一層重くなったことでしょう。人の世のはかなさ・無常は変わらないことと思います。

私の居る極楽世界は「酒は美味いし、ネーチャンはきれい。ウハウハウハ・・・」
なんて甘いものではアリマセン。
チャーンとやるべきことは決まっていまして、罰もあります。そう天罰というやつでたちまち地獄に急降下。
極楽は悪いところではアリマセンが、何も急いでくるところでもアリマセン。
欲を言ったら限がありませんが、忙しい割にはタイクツしてしまいます。
地獄なんぞを覗き見ますと、面白そーーー。

113-珍訳源氏-紫の上の死

2009-10-17 07:44:02 | 物語・絵本・童話
気高く美しい藤の上どのも37歳の厄年になられた。体調も優れず加持祈祷の効果もなく病も高じて、なんと物の怪にとりつかれてしまった。
一進一退の長い年月お苦しみなされたのです。
源氏殿はそれまでの乱行を悔いるごとく看護をつづけたといいます。

源氏殿の理想の女性・藤壺の宮の面影をとどめ、理想の通りに育て上げた最愛の女性・藤の上どのは、萩の葉にやどる露が、はらりと消えるようになくなってしまった。
 おくと見るほどぞはかなきともすれば風に乱るる萩のうわつゆ
源氏の返歌 ややもせば消えをあらそう露の世のおくれさだつ程へずもがな

源氏殿没後(52歳)婿殿・夕霧も中納言となり、右大臣まで昇格し、源氏家一族の長として富み栄えたのです。

112-珍訳源氏--押し付け嫁さん

2009-10-16 07:32:10 | 物語・絵本・童話
ご出家された朱雀院は、成人式を済ませた女三の宮の行く末が心配で、お悩み抜いた末に源氏殿に降嫁させると決断された。
つまり、臣下が皇女や女王(親王の娘)を妻に迎えることで、たいへん名誉なことであった。
簡単に言ってしまえば、天皇さんの息女を民間人が嫁にいただくことで、絶対に断ることが出来ない。いわばあてがえ嫁さんだ。
正直、私もびっくりした。源氏殿を心身共に支えた奥方・紫の上どのを思うと、きのどくであった。

源氏殿はこれまで数え切れないほどの姫たちと関係してきた。
その姫たちと上手に束ねてこられた藤の上どのだが、自分より高い身分の姫の嫁入りだから心中穏やかではあるまい。

111-珍訳源氏-世代交代

2009-10-15 07:27:14 | 物語・絵本・童話
ご病気がちな朱雀院には、御子のなかで姫宮が4人おられた。
なかでも女三の宮の母は藤壺の宮の妹であったが、強力な後ろ盾もないのでご案じなされていた。
私はこの姫は12-3才の成人式である裳着の式(もぎ)での大役・腰結いをおおせつかった。院にとっても私にも、現役さいごの大仕事であった。
そのとき私は46歳で、当時としては中年を過ぎた領域であった。
左大臣と最高の位であったが特にすることもなく、役所でボケーーとしているのみ。そうそう、皆様方の時代で大問題になっている、天下り・名前だけの位で、まったくの税金の無駄使いの筆頭でした。
時代も私たちの子供の時代に移行しなくてはならぬときずいた私は、出所もしなくなっていった。

110-珍訳源氏-中年から壮年

2009-10-14 06:58:45 | 物語・絵本・童話
源氏殿40歳の祝いの春。六条の屋敷はおろか朝廷をはじめ、誰でもが祝いの準備にかかった。
秋には、太上天皇に順ずる最高位をたまわったのです。
私も行政の最高位・太政大臣と亡き父と同じ位についたのです。
この位になると実質的な仕事もなく、女遊びにも体力がつかず、孫と遊ぶのが楽しみになってしまった。
私は46歳と心身の衰えを感じてきたが、源氏殿はとても40歳とは見えなかった。
押しも押されぬ位にありながら、決して威圧的でなく、むしろ包み込まれてしまうお優しさがただよっていた。そお・・光り輝く阿弥陀如来と見間違えるほどだった。しかし、色多きお方には変わりなく、終生、姫たちに尽くしたともいえよう。

109-珍訳源氏-娘の結婚

2009-10-13 07:19:55 | 物語・絵本・童話
    
4月始め、我が屋敷の藤の花をめでる宴に、夕霧殿をご招待し、二人の長い歳月のおもいをかなえてやった。

月日がたち、娘は家庭内の世話に明け暮れし、容貌の衰えが気になった。
夕霧の婿殿も他の姫にこころが移り、それを知った娘の狂乱振りは、少々情けなくなってしまった。
といって、自分や源氏殿の女道楽を棚に上げて、両親とも説教もできず、娘・雲居の雁にはかわいそうだが、なんのてだてもなかったのです。
イヤイヤ本当に親の立場は難しい。若い頃はそんなことを思ってもみなかったが、親としては言い寄る連中を追い払いたい心境だ。
子供の自主独立を勧めても、我が子は別になってしまう。
ダメオヤジといわれても、しかたがないテイタラクでした。

108-珍訳源氏-娘のこと

2009-10-12 09:15:50 | 物語・絵本・童話
娘の雲居の雁ももう20歳になり、娘盛りの輝かしいまでの美しさであったがまだ一人身。
後宮に入内させ、末は皇后へとの目ろみもあり、6年前に源氏殿のご子息の夕霧への幼い恋を引き裂いてから、なんとなく結婚話をもちだせないでいた。
私の伯母上・大宮の三回忌のおり、立派に成長された夕霧殿(19歳)に寺であった。
光源氏と言われた父上の華やかさとは一味違った、りりしさがあり、そのときは6位と位は低かったが、将来は重鎮となる気品と学識があった。
私はそれまでの意味もない意地を棄て、ぜがしでも婿にしょうと決めた。

107-珍訳源氏-歳をとりました

2009-10-09 16:34:17 | 物語・絵本・童話
数えれば私は45歳。ライバルの光源氏殿は6歳下。
内大臣の位で政務に多忙を極めていたが、念願の分かれた娘(玉かずら)の成人式の大役を務め、源氏殿に感謝を申し上げた。
娘は源氏殿の働きもあり、天皇のそば近くに使え、実質的には妃に近い尚侍(ないしのかみ)として宮仕えをした。
玉かずらはもっと上の位につける可能性があったので、源氏殿はいったん結婚してしまうと、絶対に更衣以上の位になれず、結婚には大反対であった。
一切の野心を棄てての黒ひげの大将と結婚し、まもなく子もできた。
私はお家安泰で万々歳であったが、ひとつだけ心がいたむことがあった。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本