棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

アカシヤの季節

2017-05-30 10:02:39 | 山郷の暮し
アレッ!!5月もお終いだ。
ここ数日の暑い陽気は初夏を思わせ、月日の流れが狂ってしまったかんじかする。
毎日見ているのに気がつかなかったというか、気にもしていなかったことがあるものです。
季節の移りも其のひとつで、ある瞬間に其の時期に気がつくことがあります。

毎日散歩をしているあぜ道や、土手の花々にハッとさせられました。
先日あたりからムーーンと甘い香りが漂う。
川原から土手に茂った若木のニセアカシヤが満開時を迎えた。

蛇足になりますが、甘い匂いはあまり好きではなく、特にパン屋のベッタリとした甘い香りは息を止めるほどだが、
自然の香りは優しく少しも気にならない。
今朝も贅沢な香りの中にしばし留まっていた。

数年前に投稿したアカシヤの林は、今は大木となって花房が顔にかかるようなことはなくなった。
そんなこともあり、アカシヤが咲き出したことは眺めているが、心に刻まれていなかった。

昨日の散歩で「アカシヤの季節だ」と気がつき、今朝はカメラを手にした散歩であった。
 

画龍点睛

2017-05-13 09:06:39 | 山郷の暮し
夜明けから雨が降っています。
これはありがたい雨で乾ききった畑地が潤い、一気に播種した芽吹きが始まることでしょう。

花の谷は桜から濃い色の花桃へと移り、それも燃えるような緋色の勢いが薄れ、山吹の黄色が目立ってきた。
点々と様々な色が観られますが、なんといっても変化にとんだ新緑の広がりでしょう。
朝一の散歩ではみずみずしいパステルカラーに見入ってしまう。
又 夕刻の深く沈み行く緑に光の魔術に驚かされる。

ただいま制作をしている作品は、移り行く花の光景をそのまま表そうとしているのですが難しい。
「自然光の表現」と言えば、印象派の名画を思い浮かべることが出来ることと思いますが、その技巧の巧妙さに改めて感嘆してしまう。
技巧を取り入れようとすればするほど、とても及ばないと承知し、
あげくは「過去の作風でオレのものではない」と己に納得させている。
自問自答しながらの仕事です。

昨日「今できるのはこれまでだ」と感じた一瞬が訪れた。
ソレは、朝一の散歩のおり下から我が家を見れば、葉桜の中にポツンと明るい点がある。
??と思ったが、昨夜 外の宴会テーブルでの晩酌時の裸電気をつけっぱなしだったのだ。
作品の中でこの宴会テーブルは皆で飲んだ物語ずけをしているのだが、電球は描いてなかった。
アトリエに入り、描きこむ。
周りとのバランスをととのえている瞬間に「これまでだ」と。
正に「画竜点睛・がりょう」であった。

多少の疲れもありひとまずお休みとした。
これはよくある私の制作ペースで、間をとることによって改めて見直すのです。

頭の部分にわずかに木漏れ陽を受けた私。


製作中

2017-05-09 17:28:44 | 山郷の暮し
連休は初夏を思わせる陽気で、眼下の国道254号は車の切れることがないほどだった。
犬の散歩で、対岸の田んぼ道に出るのにうんざりし、コースの変更も。
田んぼの仕事も始まり、耕運機が横断するときなど気の毒なほどだった。

さて、我が家の桜風景の制作は朝の光を観察しながら、6時にはアトリエに入る。
時には、キャンバスを引っ張り出し筆をとる。
6時から制作のしっぱなし、と言うわけではないが、昼飯以降は創作エネルギー切れして止めてしまう。
朝の光といっても、木々の頭を背後からわずかに照らしている情景。
制作を始めたら真に描きにくい光であった。

頭の隅にモネの朝の作品が浮かぶが、光の状態がまったくちがっていた。
制作をしていて「これは失敗だったかな・・」と思うのだが、真昼の状態にする気はない。
そのほうが描きやすいことがわかっていてもだ。

さて問題は、いつもの小難しい制作意図というやつがモヤモヤとしてきた。
あえて、そんなものは始めから無しでのスタートなのだが、眺めているうちにソレが無いと面白くない。
誰でもむが描けるお絵かきで、私の世界になっていないのである。
そお思った瞬間いやになったりしてしまった。
一日、連休で賑わう温泉に行き、若きお嬢さんたちを眺めて新たなエネルギーを充電する。

右の画面はいつもの宴会テーブル。そこから視線を転じた朝の光景を描きたいのだ。
テーブルには昨夜の宴会後を描きこむ.

少し前の状態。広角レンズでないと撮りきれない。

花のうてな

2017-05-01 09:07:37 | 山郷の暮し
風薫る五月になりました。
今 午前7時で曇り空ですが目を転じれば、まだサクラの花びらが緩やかに舞っています。
虫や小鳥が枝に止まるたびに、白い花びらがヒラヒラト。
そして、赤茶色のうてな(花額)の色が増し、異なる美しい風情と変わっていきます。
満開の桜花は湧き上がるようなエネルギーを感じ、お絵かきの時はわくわくしてきます。
描く絵の具も、日本画でしたら強い顔料や油彩がいいのですが、うてなのあわい色彩はパステルが適している。
私はいま窓いっぱいに広がっている、うてなの桜の風情がだいすきで、ただただ見とれています。
 
 散り行きて 花うてなの けなげさよ
    やがて実もなり 葉も茂る   チョイ・チョイ(この項は蛇足で、上句の品格が落ちました・ヨイヨイ)

昨日も、早々からコーヒーを飲みながらボーと眺めていました。
朝日が高い枝先にあたりだすと、今までに気がつかなかった明暗の美しさにハッとしました。
「アッそおか・・」と。なんだかわかりませんでしたがナニカを感じてきたのです。
まったくの偶然かもしれないが、先日より開っきぱなしの「モネの画集」があり、しかも朝の光景を描いたページ。
「これだ。難しいことを考えずに我が家のこの光景を描けばいいのだ」

木々のてっぺんによい調子で朝日が当たるのは、7--8時ころまで。
それ以降はフラットな光具合になって面白くない。
とはいっても、通常はそんな日中の光のなかで「わーーきれい」だと私も含めて感動しているのだけれど。

ともかくクレヨンで一気にクロッキーをしておく。
朝飯を食い、ハナの散歩中構想を練る。
広角レンズで撮影をしたようなパノラマ的に構成してみよう。
F80(144-112cm)2枚を横書きにしょうと、即キャンバス布を仮張りする。

今年はじめて暖かくなったアトリエて仕事に入る。


追伸--散歩を終え投稿中、にわかに暗くなり雨が降り出した。にわか雨でしょうが、今日は不安定な一日のようですね。


ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本