棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

舞妓さん相手に一杯

2009-07-15 16:41:54 | 山郷の暮し
気温はどのくらいだったのかはわかりませんが、今日は一番の暑さだった。
ようやく涼しい風が吹き出し、ウグイスもよく鳴いています。

製作で「これまでだなっ!」と思えたら、作品をアトリエから母屋に移してしまう。
というのはアトリエにあるとついつい加筆をしてしまう。それによってぎりぎりで保たれていた面白さが壊れてしまうことがあるからだ。
写実であろうが心象だろうが、感覚的な要素で成り立った部分などは、そのときの微妙な心理状態が写し出されていることが多い。
例えば写実的に平行・垂直・その他であるものが、デフォルメでなくまったく無視した作図になっていたりする。ソオなってしまったのだ!とでも言おうか・・。
それが大変面白いのだが、後日にヘンダとして、普通にしてしまう。そのことがはたして成功したのか難しいところですが。
しかし、かなり後日に、まったく異なった感覚で自分の作品を再評価出できる時点で、補修・加筆することは当然あります。
今回の「菩薩絵紋着付舞妓図3部」は最新作で、この作品を描くために今までがあったのだと夢想しながら、晩酌の相手になっています。

29-珍訳源氏-末摘花・闇夜でドッキリ

2009-07-15 08:01:40 | 物語・絵本・童話
 源氏殿は狙いの女のお付の者たちにきっちり段取りをとらせ、問題なく寝所に忍び込んだのです。
抜き足差し足、ほのかに香ってくる初々しき女のにおいと温かみ。正にこの瞬間こそ「忍び」の醍醐味でございます。
私も幾多の深窓の姫様をくどいてきた経験から申し上げるのですが、この第一夜のこころの高ぶりはモーーーたまらないものです。正直ヤミツキになってしまう。心臓などふバクンバクンと、静まり返った寝所中に響き渡るのではないかと思うほど・・。ベテランの光源氏とておなじことでしょう。
さて、下女達に段取りをさせた上に忍び入った光源氏でしたが、どうにも女の反応がまるでない。軽いいびきすらしているしまつ。
「そうか・・まだまだお若い姫なのだ・・。」ウヒヒヒヒなどと下卑た笑いはしなかったもののそっと起こし、手練手管を駆使しても、石ころを相手にしているようなもので、暗闇の中でもキョトンとしている様子がみてとれる。つまり、まるっきり事のことが解っていないようだ。さしもの源氏殿もくたびれ、ほうほうのていで逃げ帰ってきた18歳の青年でございます。
そんなこととはつゆ知らない私は、あいかわらず口説きの文をだしていたのですが、なんの返事もなく、いささかあきれていました。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本