棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

明治の少女の絵--模写

2019-12-23 12:34:19 | 山郷の暮し
 原画のアップ
この絵を画像で見たときパッと浮かんだのはあのポスターだ。
そうです、朝ドラで蘇った「赤玉ポートワイン」の写真である。
さらに、大正ロマンの美少女絵の旗手ともいえる竹下夢二の作品。
そのほか名前は出てこないが、少女雑誌の挿絵など数々浮かぶ。
当たり前ですがそんな時代に育ったわけではないが、昭和半ばまではどことなく明治大正が漂っていたと思います。

手に入れたこの油彩画の作者「すさび良一」も、資料としてみてきた中の一人ではないだろうか。
描きなれた筆の運びに、今でいうイラストレーターではなかったのかと思うのです。
本業の制作からチョットはなれ、遊び(すさび)で描いたかもしれません。

模写をしていて「描きなれているナーー」と特に感じたのは背景の浮世絵です。
塗重ねはあまりなく、さらりとした筆の運びはのびやかである。

情景を想像するのに、明治・大正期には浮世絵などが自然に室内に貼られていたのであろうか。
画面を演出すお膳立てとは思えない背景に、言い難い良き空気、空間を感じる。

私がこの絵の模写を制作したいと、さりげなく始めてしまったが、少し注意不足があった。
それは、キャンバスのサイズが元絵は細長のP-8型であるのに対し、私は手元にあったM-8と幅広である。
それゆえに空間が異なり、少し変えざるを得なかった。

制作中はたいして気にも留めなかったが、完成をし見比べると多少は気になっている。
正直、何とも優しい目つきは描き切れない・・。降参である。
それはともかく、楽しい制作ができました。


17年に制作した「華華成人」F50




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3--模写・・明治の少女の絵

2019-12-21 12:04:58 | 山郷の暮し
3 模写

お絵描きの技術的なことを延々と記とても面白くはないのですが、今少し参考までにおつきあいください。
仕上がった色(表面の色)に至るまで思わぬ色から始まっています。
画家は最後の仕上げの色をイメージして重ね塗りをしてゆくのです。

筆塗りの厚みは0.1-0.2ミクロンくらいだそうです。
下の色が透けてゆくことにより、深い色合いになってゆくのですがこれが難しい。
色付きセロファンを重ねると色が変わっていきます。これとおなじで、実際にセロファンを参考に使うこともあります。
また、溶油との関係や絵の具の軟度などもあり、とても書ききれませんが、画家の技量が問われるものです。

さてこの絵の場合ですが、顔の部分はかなりジンクホワイトを塗り重ねたと思われる。
ヨーロッパの肖像画に見られるつややかな肌の技巧です。
そして、水色系で影などを地塗りとして描いているようだ。
私はこの下地塗はしたことがなく、戸惑いながらの制作となった。
また黒色は使われておらず、おそらく濃いインディゴをベースにした混色であろう。
それゆえにどことなくぼけた感じがする。
それが不思議な効果を生み出しているのかもしれない。
少女の何とも言えない穏やかな情緒ある顔は、現代の美少女とはかなり異なる輝きだ。

3
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2-模写

2019-12-15 09:56:36 | 山郷の暮し
2 模写
絵を描く者にとって模写は若いころばかりでなく、生涯続く勉強だ。
私も20歳代から多くの名画を写し取ってきた。
しかし、ヨーロッパの美術館でよく見られるように、天下の名画を目の当たりにして描いたことはない。
40歳代の記憶の中で、ドイツの美術館でそんなチャンスがあったが、正直かの地の画家に気後れをしてしまい辞退したことがあった。

美術書を参考に描いてきたのであるが、なんとしてもわからないのが地塗りの色やタッチである。
それでも多くのことを学び取って来たのである。


話を落札をした明治の少女の絵に戻ろう。
経年の汚れを取らなくてはならないが、その本格的な技術は知らない。
なんとなく全面に薄茶色がかっており、仕上げニスの黄変なのか汚れなのか定かではない。
隅を綿棒にてアルコールや水でこすってみたが汚れらきものはない。
ひび割れた箇所を拡大すれば地塗りの白が鮮やかだ。
また、描かれていない木枠の部分を見ると茶色のニスらしきものも認められる。
使用されている油絵の具だが、よく練りこまれた上質のものと思われる。
明治晩期に日本製の絵の具があったのかわからないが、輸入されたものかもしれない。
色合いが混色をして作り上げた色でもないような・・、私は持っていないものだ。


余談だが、フランスの画材店ではオリジナルの色を作り上げてくれるのだ。
ともかく、使ったことがない色調に少々戸惑ってしまった。
今回、始めて原画を前によくよく研究をしながらの制作であった。
当たり前のことではあるが、描く手順が私とはかなり異なる。
仕上がった色彩と無関係と思われる筆跡があったりし、もしかしたら重ね描きされているのかもしれない・・・。
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長らくさぼっていました--模写

2019-12-12 10:52:27 | 山郷の暮し
先日3年ぶりに友と大酒を飲んだ。
とりとめのない話の中でブログの投稿がないので心配をしていた、というのであった。
その彼も、メールなどめったによこさない不精加減は私と同じこと。
しかし、気を付けてくれている友がいると思うと嬉しくなってしまった。
何もしていなかったわけでもなく、それなりに新作に取り組んでいたが、年賀状と同じでブログがめんどくさくなっていたのである。
これは老化現象かもしれぬ。
ということで、目新しい制作で、明治41年作 明治の少女 模写の取り組みをお話しいたします。

暇つぶしにヤフオクを特に目的のものもなく検索していると、自然に絵画になってしまった。
超有名な物故画家の作品が「本当かッ。」と思うような値段で落札されていたりする。真贋の確かめようもないのだが、明らかに偽物または研究のために模写をされたものなどがあったりて
面白い。なかにわが師の作品が往年と一桁違いの安値であったりする。なんだか物凄くがっかりした気分になってしまった。
検索をしているうちに明治晩年の少女の絵があった。
作者は「すさび良一」とあり全く未知の画家ではあるが「いいなーー」と感じた。
全く知らない名前で検索したが不明。「すさび」とは遊びという意味の古語で何とも粋な名前をつけたものだ。

明治・大正時代のポスターやイラスト的な作風であるが、経年からくるひび割れや黄変は当然だがわたくしの好きな赤系の色合いが誠に良い。
この明治の少女の絵も当初は私のみで、注目もされまいと思っていたが、最終日にはぽつぽつと現れたのである。
欲しいと思ってもイクラでもいいというわけにもいかず、上限を決めて夜中の10時頃まで頑張る。
入札者の対抗馬が現れると「欲しいなーー」程度の思いは「」どうしても落とすぞッ」と決意に代わるものだ。
オークションの体験者は誰しもが自分が高揚してゆくを感じるものですが、楽しいひと時でもあるし後から馬鹿をしたと思うこともしばしある。

予算より安く競り勝つことができ、その夜は再び晩酌を始めた。

オークション購入は一種の賭けみたいなもので、品物が届いてがっかりすることがあったりする。
何よりも事前にしっかりとチェックしなくてはならないのが送料だ。
中には頭にくるような送料だったりするので落札前にチェックをしなくてはならないが、絵画となるとべらぽーに高くなってしまうので当方の要望をメール。
幸いに出品者も了承をしてくれ、金のかからない梱包で送られてきた。
オークションで日本人画家の作品を購入したのは初めてで、ワクワクしながら開梱した。
現物を見た瞬間 [この一瞬が肝要で全てが決まってしまうものだ] 明治の可憐な少女に行き会った気がした。
そして、この作品を模写してみようと思い立った。
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ryusun

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