原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「亡命」という生き方の選択肢

2021年08月05日 | 時事論評
 (冒頭写真は、先程ネットより転載した亡命を実行したベラルーシの選手。)


 早速、以下にネット情報の一部を引用しよう。


 亡命希望のベラルーシ選手を保護 在日ポーランド大使館に移動
  2021/08/02 19:40
 
 東京オリンピックのベラルーシ代表として陸上女子200メートルに出場予定だったクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(24)が1日夜、コーチ陣を批判したとの理由で強制的に帰国を命じられたと訴え、羽田空港で搭乗を拒否し、警察や大会組織委員会に保護された。 ロイター通信によると、「帰国すれば投獄の恐れがある」として亡命を希望しており、在日ポーランド大使館に移された。ポーランド外務省高官は2日、人道目的で査証(ビザ)を発給したと明らかにした。
 国際オリンピック委員会(IOC)のマーク・アダムス広報部長は2日の定例記者会見でツィマノウスカヤ選手を保護した事実を認め、「彼女は(日本の)当局の保護下にある。大会組織委の職員が同行し、安全であることも確認した。彼女に対してケアをしていく」とした。また、経緯を文書で説明するようベラルーシに求めたことも明らかにした。
 IOCや組織委によると、ツィマノウスカヤ選手は1日夜に羽田空港で出国対応に当たっていた組織委職員の付き添いで警察に保護され、直後は空港周辺のホテルに滞在した。
 ツィマノウスカヤ選手が7月末に投稿した会員制交流サイト(SNS)の文書によると、チーム側が女子1600メートルリレーの参加に必要なドーピング検査を十分に行わず一部の選手が出場できなくなり、同種目の経験がないのに一方的に出場を決められたとコーチを批判した。その後、1日の投稿では「(チーム側は)私の同意なく日本から連れだそうとしている」とIOCに介入を求めた。
 一方、ベラルーシ・オリンピック委員会は1日に発表した声明で、ツィマノウスカヤ選手の「感情と精神状態に関する医師の判断」に基づき、コーチが代表団から外す決定をしたと説明した。
 「欧州最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ大統領による強権政治が敷かれるベラルーシについて、IOCは今年3月、「政治的差別からアスリートを適切に保護していなかった」として、ルカシェンコ大統領の長男ビクトル氏の同国オリンピック委員会会長就任を認めず、政府高官を五輪にも招待しないとする声明を発表していた。

 (以上、ネット情報を引用したもの。)



 更にもう1本、ネット情報を要約引用しよう。

 ベラルーシにとって東京五輪はスポーツの祭典ではなく、自国の非民主主義的な政治情勢を世界に示す大会になったようだ。陸上競技に出場していた同国女子代表選手のクリスツィナ・ツィマノウスカヤさんが起用法をめぐりコーチ陣と対立し、ポーランドへの亡命を果たした問題は、「欧州最後の独裁者」と言われるルカシェンコ大統領が主導する反体制派への弾圧の実態を浮き彫りにした。ツィマノウスカヤさんは昨夏の大統領選への不正を訴え、国中で抗議デモが湧き上がった際に支持を表明。国内では大統領側近から「裏切者」と糾弾する動きが出ており、身の危険を感じた将来有望な24歳が国を捨てることになった。
 東京を去る直前、ツィマノウスカヤさん自身が独大衆紙ビルトの取材に対して「このような政治的スキャンダルにまで発展することを想定していなかった」と語ったように、もし彼女が起用法をめぐって、コーチ陣への非難をインスタグラムでメッセージを流していなければ、これほどまでの展開にはなっていなかっただろう。
 ルカシェンコは成績不振に不満
 昨今、SNS上でのインフルエンサーの発言は軋轢を大きくする。世界中が注目する五輪という晴れの舞台でコーチ陣と選手のゴタゴタは内部のミーティングで十分に話し合って和解すればいいはずだ。決して彼女の行動を諫めるわけではないが、公衆の面前のようなSNS上で、外部に一方的に不満を訴えるのは、国を代表するアスリートの解決手段として好ましいとは言えないだろう。コーチ陣も選手へのリスペクトがなく、手法が強引すぎた。
 しかし、ツィマノウスカヤさんには自らの競技環境を国際社会に訴えるだけの事情があった。ベラルーシ国内でのルカシェンコ支持派の糾弾が高まる中で、コーチ陣が無理矢理、彼女を帰国させようとする強硬手段に打って出なければ、ここまで国際問題化することはなかったことは確かだからだ。
 ルカシェンコ大統領は長男をベラルーシ・オリンピック委員会のトップに就かせているように、スポーツを国威発揚の手段に用いている。それだけに、五輪前半戦でベラルーシ選手団の成績不振ぶりには「他のどの国よりもスポーツに出資しているのにこの結果は何だ?」と不満を示していた。硬直した政治体制の中で、政府のスポーツ役人たちがその発言に忖度し、ツィマノウスカヤさんをスケープゴートにしようと、強制帰還を東京のコーチ陣に命令したことが推察できる。
 東京大会のベラルーシ事案は、メダル争いの枠外の話になるが、2021年のスポーツと政治情勢を反映する現代史に刻まれるに違いない。問題を深掘りするため、ここで少し今回の騒動の事実関係を振り返りたい。
 ツィマノウスカヤさんは短距離の選手だった。東京大会への出場権を勝ち得た彼女は100メートルと200メートルに出場予定で、7月30日の最初の種目100メートルは記録が出せず予選敗退。8月2日の200メートル予選への準備を進めていたが、ここでコーチ陣から5日に予選が予定されていた、これまで練習したことのない4×400メートルリレーへの強制的な参加を指示される。
 ツィマノウスカヤさんは30日の夜、自身のインスタグラムに「上に立つ人たちは、私たちアスリートに敬意を払い、時には私たちの意見を聞く必要もあると思う」と書き込み、強制的なリレー参加への不満をあらわにした。

 (以上、別のネット情報を引用したもの。)



 最後に、私見だが。

 今回の東京五輪はコロナ大規模感染拡大騒動に始終する中、そろそろ閉幕を迎えようとしているが。

 今回、ほとんど五輪を観戦する機会を持たなかった私にして、一番気をひかれたのがこの若き女性アスリートの「亡命事件」である。

 ツィマノウスカヤ選手が単独で決断し実行したともいえる今回の「亡命」だったが。 周囲の協力体制も充実していたようで、無事にポーランドへの亡命が叶った様子で安堵している。

 更には、選手のご亭主も同時にポーランドへの亡命が叶うとのこと。
 今後は二人で協力し合い、「欧州最後の独裁者」と言われるルカシェンコ大統領が主導する反体制派への弾圧に、果敢に立ち向かって欲しいものだ。


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