(冒頭写真は、朝日新聞2023.01.23付記事「『元気だから』と遺言書を先送り 20億円超す遺産、多くは国庫へ 『国には渡さない』と語っていたのに」より転載したもの。)
もう10年程前になるだろうか。
この私も、郷里に一人暮らしていた実母に「遺言書」を書いておくように指南した経緯がある。
一応本人の“自筆”にて書かせたが。 この場合手数料3900円にて遺言書を法務局に保管できる制度を利用すると、その遺言書は有効になるようだ。
身近に高齢者を抱えている方々は既にご存じであろうが。
「相続人のいない人が遺言を書かないのは『全財産を国に遺贈する』という遺言を書いた状態と同じ」であるとの意味合いになる、と法律家は指摘する。
(朝日新聞記事より一部を引用したもの。)
さて その朝日新聞記事より、作家・上野千鶴子氏による記述を以下に引用しよう。
みなさんがなぜ遺言を書かないのか、不思議で仕方がありません。 あんな政府に遺産を取られたくないし、防衛費なんかに使われたとしたらとんでもない。 自筆の遺言なら簡単。 習慣としておやりになったらどうですか。
私は40歳で書き始め、数年に1度は書き直しています。 おひとりさまで、不動産もある。 年下の友人を遺言執行者に指名し、遺言書は弁護士事務所に預けています。 もしものときはよろしくと。
時間が経てば人間関係も変わるし、資産状況も遺産を贈りたい相手も変わる。その都度書き換えればいいんですよ。
お友達がいない場合は専門家に託せばいいんじゃないですか。 葬儀や遺品整理などの死後事務委任ができる団体も増えています。 国に取られると思えば、少しは書く気になるのでは。
(以上、朝日新聞記事より一部を引用したもの。)
原左都子も上野千鶴子氏同様、バリバリに「あんな政府に遺産を取られたくないし、防衛費なんかに使われたとしたらとんでもない。」 派だ!!😡😣
ただし、私の場合は一人娘との相続人が存在する故に、その点は安心だと言えよう。
できれば、我が娘には早めに「生前贈与」という形式を採りたい意思もある。
と言うのも、我が実母の遺産相続に関する態度を見てきている身にして。
「無知」だからしょうがないのかもしれないが、まるで無頓着だし、未だに“自分のカネは自分のもの、身内のカネも自分のもの”的感覚が強靭な愚かさなのだ。
以前驚かされたのは、母方の実家を継いだ母の実の弟が若くして亡くなった際に、真っ先に「自分にも遺産相続の権利がある!」と大騒ぎをやらかしたのだ。(参考だが、我が実母は当の昔に実家から出て父の家に嫁いだ身なのだが。)
結果として実母の兄弟姉妹が結束して、亡くなった実の弟の妻に対して「あんたは他人だから遺産相続の権利は無い!」などととんでもない法的デタラメを主張して、その弟の妻を追い出してしまう、とのとてつもない仕打を実行した経緯があるのだ。
傍でそのデタラメ惨劇を垣間見ていて唖然としたものの、未だ若気の至りだった私は手出しするすべもないままに、今となってはその弟の妻だった女性に会うことは一切無い。
我が実母とは そのような愚かな一面のある人間故に、私は「遺産相続」も含めてできればかかわりたくないのだが。
と言いつつ実母が他界した際に その遺産整理を施すのはこの私の義務でもあるので、つつがなく執り行うこととなるのだろう。