原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

新品の冷蔵庫が壊れちゃった…

2017年06月23日 | その他オピニオン
 人間とは、予期せぬところで不運に見舞われるものだ。

 長年使用し、もう潮時かと思う頃に家電が壊れ、買い替える経験はどなたとておありだろう。 
 冷蔵庫や洗濯機、クーラー等、白物家電と呼ばれる比較的高額の家電が寿命を全うし壊れた場合、急な出費となる痛手はあるものの、特段その事態が不運とは感じないものだ。


 我が人生に於いて、冷蔵庫を何度買い替えただろうかと数えてみた。
 上京して後の事を思い出してみるに、独身一人暮らし時代16年程の間に3台買い替えている。 とは言え、単身者用小型冷蔵庫のため大した価格ではなかった。
 2台目の冷蔵庫は、若気の至りでピンク色との特殊な色彩にこだわったため多少高額だった。 これの寿命が一番短くて、4年で故障した時にはかなりショックだった。 それでも修理代金が高額になりそうなため、思い切って買い替えた。 
 婚姻後は当然ながら大型冷蔵庫を購入しているが、1台目、2台目共に何らの故障も無く天寿を全うする働きをしてくれ、それぞれが10年を超過して頑張ってくれた。


 さて、今回冷蔵庫を買い替えたのは、婚姻後の2台目が11年目に差し掛かり“大きな音”を発するようになったためだ。 その働きぶりはいつもとは変わらずきちんと食品を冷やしてくれるのだが、さすがにその音を「もう引退させて欲しい!」との“悲鳴”と理解し「買い替え時」と判断した。

 そうして新しい冷蔵庫に買い替えたのが、2017.2.5 の事だ。
 大手家電店の売り場で聞いたのだが、現在の冷蔵庫は10年前の機種に比し格段に技術力が勝っているとのこと。 省エネ力(電気代が1/3程度)や何よりも機内のコンピュータ制御力が目を見張る程に進化しているとの説明だった。

 ただ、期待した新冷蔵庫が到着した当所より、既に我が脳裏に何やら“嫌な予感”が過っていた。
 というのも冷蔵室の棚を自分が使い易いように移動したいのだが、その移動の何とも困難な事! やむを得ず亭主に依頼しそれを実行して貰っても、どうしても移動が叶わない。 結局亭主が“力づく”で棚を移動したところ、新品の冷蔵庫に早くも傷を付けてしまった……
 それを見た私が、「もういいよ。このままの棚位置で妥協して使用する」と言わざるを得ない始末。

 何やら新冷蔵庫に対して“不良機種でも買ってしまったのか??”なる「不吉」な予感を抱きつつも、我が家の新冷蔵庫生活が開始した。


 異変が生じたのは、2017.5.27の事だ。
 凍結しているはずの氷と冷凍室のアイスクリームが溶けているではないか! これは異常事態と判断した私が、冷凍室を更に観察すると室内で水が垂れている。 そう言えば、昨日から冷蔵庫特有の機械音が全くしなくなっているような気がしていた私は、直ぐに「故障」と判断し販売元の家電量販店に電話を入れた。

 2月に購入した冷蔵庫が、何故たった3ヶ月で故障する?!?
 その憤りも虚しく、 結局「修理が混雑している」との理由で修理担当者氏が我が家に訪れたのは2日後の午後だった。
 その間に亭主と二人で無い知恵を絞り、自力救済するべく冷蔵庫の設定をいじった。 それが功を奏したのか、「急速冷凍」「冷蔵室・冷凍室強運転」に切り替えると、冷蔵庫は修理員が来る前に復帰した。

 さて修理員が2017.5.29 に遅ればせながらやって来た。
 そして言うには、「冷蔵庫は正常に機能しています。 ただコンピュータ制御に何らかのトラブルがあった事が考えられますので、コンピュータを交換して持ち帰り分析します。」  後のその回答とは「コンピュータ制御には何らの問題がありません。 ただ一点、お客様が〇月〇日(故障した5日程前)に冷蔵室に大きなものを入れませんでしたか?」 
 私が返して曰く、「へえ、そういう詳細まで機内統制コンピュータが記憶しているのですね。 確かに私が〇月〇日に狭い野菜室に入り切らないレタスとキャベツを冷蔵室に入れた事は事実です。 ただ、そういう事は過去の冷蔵庫でもいつも実施したことですし、それが原因で新しい冷蔵庫が故障したとは考えられないですよねえ。」 それに応えて修理員氏も「とにかく原因が不明ですので、また故障が発生した際には直ぐにご連絡下さい。」


 それからわずか3週間後の 2017.6.20 に我が家の新冷蔵庫は、まったく同様の故障を再度勃発させるはめと相成った。

 恐らくそうなる事だろうとの事態を十分に予測していた私は、前回の修理後より冷蔵庫に“付きっきり”状態だった。 特に「冷凍庫室内」の食品を凍結融解再冷凍を繰り返す事による劣化を避けたい故に、私は常に冷蔵庫のコンピュータ制御のデータを見守りつつ冷蔵庫が発する音に注意を払っていた。
 それが功を奏して、今回の故障発見は早かった。 

 さて本日がその修理日だったのだが、前回来たメーカーの修理担当者同一人物が修理にお越し下さった。
 故障が2度目ともなるとさすがに“平謝り状態”の中、やはり前回同様に「コンピュータ制御機械」を回収して分析すると言う。

 それは良しとして、私は思い切って切り出した。
 「要するに、これは新品にして“欠陥商品”だったとの事ですよね。 もしも、もう一度同様の故障が発生した場合、冷蔵庫交換が叶いますか?」
 それに応えて、修理担当者曰く「そういう事になります。 同様の故障が今後も発生するとしたら、それは冷蔵庫中心部のコンデンサーの異常としか考えられませんので、新品交換と致します。」


 いやはや、「欠陥商品」を販売していた事実を本日大手メーカー直属の修理担当が認めてくれた事実を持って、今回の我が家の新冷蔵庫の故障騒ぎが一件落着し、少しだけ私の気が晴れた思いもする。

 それにしても 我が国の「欠陥だらけの安倍政権」に関しては少しは支持率が低下しているらしいが、今後一体いつになれば「欠陥政権でした。申し訳ありませんでした。」と政権が認めるのやら……