原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

自分は恵まれていると思った時点で先々の可能性を縮める

2015年03月23日 | 自己実現
 世の中には、わずか21年程度の人生経験で 「自分が恵まれすぎている」 と感じる“珍人”が存在するようだ。


 この話題は後に回すとして、冒頭から同じく現在21歳の我が娘の“自慢話”をさせていただこう。

 原左都子の娘がこの4月に大学4年生に進級するのに先立ち、3月の就活戦線開幕と同時に就活に挑む事と相成った事態に関しては、3月4日バックナンバー「我が娘よ、厳しい就活戦線を勝ち抜こう!」に於いて公開した。

 その中で述べた通り、娘幼少の頃より“お抱え家庭教師”として君臨して来たサリバン先生でもある母親の私相手に、娘は「就職先は自分で決める!」と言い放った!

 加えて、親側からも「我が家にはコネなど一切ない!」とも娘に伝えてある。 
 実を言うなら、何処かの芋蔓を頼ればコネがないことはない。 ただ私自身が徹底してコネには依存しない人生を貫いて来ている。 何故ならば 「今日のコネは明日の足かせ」 なる表題のエッセイを当該エッセイ集バックナンバーにて公開している通り、真に実力ある人間にとってはコネとはむしろ将来に於いて足かせになる事も大いに有り得るのだ。 
 信憑性に乏しいコネなどより、自分自身の能力・実力の方が上回っている事態は世の中には数多いのではなかろうか。 それを娘に伝えたかったのだ。
 例えば娘が在籍している大学内でも、ゼミ指導教官や先輩達のコネに頼って就職先にありつく学生が少なくない実態のようだ。 この手法に頼れば、確かに安全確実かつ“楽して”とりあえず就職先にありつけるであろう。 ところがその先が大変だ。 入社後、自分が目指していた方向とは大いに食い違う事態に直面したとて、コネ採用故に身の振り方を難儀される事ともなりかねない。 最悪の場合、早期退職を志そうがコネ元に迷惑をかけるとの理由で、それさえままならない悲惨な結末を導くとも考えられる。 

 そんな中、我が娘の就活の実態が凄い!  (この子がこんなに活動的になるのか!?)とサリバンの私が驚くべく、日々意欲的に就活に励んでいる。
 娘の就活の手法を少し紹介するならば、娘の大学が開催する就活セミナーに先立ち、自分自身で積極的にネット情報を活用して、自己の能力及び特質や過去の経験に基づきそれにマッチしそうな就職先を自ら発見・選択している様子だ。
 (個人情報保護故詳細の記述は控えさせていただくが)、娘が自身で選択した就活先を列挙するならばそれは多岐に渡る。 ただ親の私の感覚では、確かに娘21年間の人生経験に基づく自己能力の分析力が正確かつ的を射ている事実に驚かされる。
 自ら主体的に就活先を選択し日々各社の就職セミナーに出かけている様子を垣間見るにつけ、その娘の意欲の程に、身内も含めて感慨深い思いをそそられている。


 話題を冒頭に戻そう。

 わずか21歳にして「自分が恵まれ過ぎている」と感じている21歳男性の悩みの相談を、朝日新聞3月21日付“悩みのるつぼ”より要約引用しよう。
 21歳の男性だが、僕は“ぬるま湯”に浸かった人生を送って来た。 高学歴かつ裕福な両親の下に生まれたお陰で生活に困った事が無い。 学業や部活もそつなくこなせ挫折の経験もなく自分でも非常に恵まれていると実感している。  現在就活中だが、自分の将来を考えるに当たり恵まれ過ぎている僕は自分自身のためだけに時間を使い漫然と人生を送ったように思う。 それ故、将来は社会貢献の仕事を選択して自分が恵まれていた事を還元したいと思う。  高慢だが、自分は他の人よりも多くの選択肢を持っている事と感じている。 だからこそ、(将来の希望を)一つに絞り込めない。  こんな恵まれ過ぎて何も決める事の出来ない自分へ一喝願いたい。
 (以上、朝日新聞“悩みのるつぼ”相談より要約引用。)


 一旦、原左都子の私論に入ろう。

 おそらくこの相談者の一家とは、相談男性が言うほどには恵まれていない(経済力がない)のではなかろうか??
 申し訳ないが、私の感覚では我が家と同等レベルと推測する。 とした場合、実際問題、決して上流階級ではなく“貧乏人の部類”と結論付けておこう。
 要するにあくまでも庶民の立場に於いて、相談者の親どもはこの21歳男子を一体全体如何なる教育方針の下にこれ程に“歪んだ階級意識の下”に育て上げてしまったのか興味深いところだ。


 今回の“悩みのるつぼ”回答者であられる岡田斗司夫氏の回答内容が、(珍しい事に)原左都子の私論とダブる。

 その岡田氏の回答を以下に紹介しよう。
 (恵まれていたと自覚していたあなたも)実際に就活準備してみたら自分の恵まれ方が足りない事実を把握できたであろう。 本当に恵まれている学生は子供の頃から就職先が決まっている。 本当に恵まれた人には人生の選択肢などないのが事実だ。 貴方は自分が恵まれていると言うが、その実、企業側からのスカウトが来るほどでない。 「恵まれた環境」 「ぬるま湯」に対して一喝を! とのリクエストに応じて考えたが、貴方の居る場所は恵まれてもいないし、ぬるま湯でもない。 冷え切った水だ。 
 ここは「恵まれすぎている」などとの余計なコンプレックスを不要と認識して、同じスタートラインで堂々と勝負することだ。 


 最後に、原左都子の私論を展開しよう。

 我が娘が現在、まさに21歳の大学生にして就活に励んでいる。
 所属大学(指導教官や先輩達)のコネを頼るとの就活方針も取れたのであろうが、原左都子(サリバン)のポリシーとして、それを一切避けるべくの教育理念が実ろうとしている実感がある。

 どうやら、(実力不足の娘にして)足繁く就活に通い詰めるその“熱意”を買ってくれそうな企業も、既に無きにしもあらずの様子だ。 
 (余談であり親馬鹿に過ぎないが、親の贔屓目にして我が娘は美人で上品だし……?? 加えて、命名をプラトン哲学より引用している事実も話題性があるような、ないような???……。)
 
 とにもかくにも、我が娘よ。 
 貴方が「自分は恵まれている」などとの根拠なき“退廃思想”に陥った段階で、自分の未来に続く可能性を大幅に縮めることは明らかだ。
 今後も自らの実力と能力のみに頼り、引き続き力強く就職戦線を勝ち抜こう!!