原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

自分に「○○力」があれば人生違う方向に転んでいた??

2015年03月09日 | 自己実現
 今回のエッセイは、朝日新聞3月7日付別刷「be」 RANKING 「私に足りない『○○力』」 に依存して綴らせていただくことを、最初にお断りしておく。

 今年還暦を迎える原左都子の場合、ありとあらゆる能力において急激に低下の一途を辿っている現状を日々思い知らされ、嫌気がさしている。 
 それでもそんな我が身を肯定し受け入れねば今後の人生が成り立たない。 能力低下を自覚しつつも、自分を奮起して残されている脳内活力を図りながら世を渡っていくべきと心得ている。


 以下は、朝日新聞記事の 「私に足りない『○○力』」 に掲げられたランキングを紹介しつつ、我が身に照らして考察していく。

 第1位  「語学力」
 いやはや、これは実に辛い。 
 30代後半頃までは海外旅行に出かけても、何とか現地の人と会話が出来る程度の語学力(私の場合「英語力」に限るが)が備わっていたはずだ。
 直近で海外へ出かけたのは2012年12月。 その時の目的地だったアルゼンチン ブエノスアイレスとはスペイン語が主たる言語の地域である。 その地において、お互い英語が苦手との関係の下、現地の人達とある程度英語での会話が通じ合った。 (参考のため、双方が英語が母国語でない関係で英語会話するのは、実に困難な事態である。)
 昨秋そのブエノスアイレスの知人氏達が、東京にて芸術個展を開催するため来日した。 その時にギャラリーへの交通案内を引き受けた私だが、以前のようには「英語」が通じない自分に辟易とさせられたものだ。 特に我が発音の劣悪さが元凶となり、鉄道を利用しての道中に切符を改札口に入れる動作がままならず、トラブルに巻き込んでしまい実に申し訳ない事と相成った。 それを謝ろうにも、これまた発音が悪い我が英語が通じず、せっかくの来日初日に更なる混乱に巻き込む珍道中だった… 

 第2位  「経済力」
   
 既に定年退職している亭主とは、公的年金部分に関して「独立採算性」を採用している我が家の家計事情である。 私自身の今後30年後までの収入対支出試算は既に計算済みだが、安倍政権及びその後に続く政権の行く末によっては何とも心もとない老後だなあ… 
 それでもまあ夫婦間で「年金独立採算性」を採用している事に、今後も我が自由度が高そうな人生を歩めるとの意味合いで開放感を得ている私だ。

 第3位  「記憶力」
 これぞ低下の一途を辿っている事を認識済みだ。 
 特に「短期記憶」の衰退の程がみすぼらしい…  片や、「長期記憶」に関しては今尚インパクトがある出来事は鮮明に脳裏に蘇って来る事態とは、年老いた懐古趣味の範疇かもしれない…

 第4位  「体力」
 これに関しては、50歳を過ぎてから積極的にジムに通い始め、意識的に体力増強を図っている現在である。
 どこまで体力増強出来ているのかは不明だが、とにかくコンスタントに体力増強トレーニングを実行している事実に於いて、とりあえず自分を褒めたいと思う。

 中を飛ばして…

 第6位 「決断力」、第7位 「行動力」、 第8位 「意志力」、 第10位 「交渉力」
 これらに関しては、まさに我が長き独身時代に積極的に培ってきた能力だ。  今に至って尚、これらの能力が我が人生の要となっている事実に自己肯定したい思いである。

 第12位 「快眠力」 に関しては私も日々悩むところだ。
 毎晩毎晩うなされつつ夜中に目覚めつつ、それでも元医学関係者にして病院にて「睡眠薬」を処方してもらおうとの意思は毛頭ない。

 第9位の 「家事力」 これこそ勘弁して欲しい。 
 私が晩婚に至った理由の第一が、この能力に決定的に欠けていたことに基づいている。(特に「料理力」に於いての話だが。 「一家の要力」や「家計管理力」には長けていて、一家を牛耳っている私だ。)
 実は一昨日、ジムにて仲良くしている私より年上の女性から、「晩御飯はどうするの?」なる質問を受けた。 すかさず「買って帰ります!」と自信を持って回答したところ、「え~~! それはひどい!」なる返答を受け、私こそが仰天させられた。  今時、自分で下手に作るより美味しい惣菜が世に溢れている時代ではなかろうか? 
 “料理嫌い”女性の立場が既に市民権を得ていると思って堂々と発言した私なのに、この年上女性の反論には少なからずのショックを受けた。 (それでもめげずに出来あいの惣菜を買って帰った。 だってその方が、私が作るより断然美味しいんだもの!) 
 


 ここで、朝日新聞当記事内で公開している番外編に入ろう。

 「本当につけたいのは『自分力』。 自分が確立できれば仕事もプライベートももっと胸を張ってきて行ける」(55歳女性) 等々、このアンケートには様々な「○○力」に関して読者の意見が押し寄せた模様だ。
 他にも列挙するならば、「笑顔力」 「青春力」 「感動力」 等々…

 それを言うならば、現在の原左都子はそのすべてを独身時代に虎視眈々と持ち合わせる作業を優先した後に、婚姻に至りその後この世を渡り続けているとも言えそうだ。
 まさに我が人生は、「自分力」開花のために若き時代を主体的に消費したと表現出来よう。
 「自分力」開花こそが一番の目的である私にとって、結婚願望及び子育て願望などずっと優先順位が低かった。
 その間自分磨きに明け暮れる道中、たとえば「笑顔力」や「青春力」 それ故に派生する「感動力」に支えられ、その成就の下この世を渡って来た。


 最後に原左都子の私見で締めくくろう。

 人間皆生まれ持ってのDNA特質及び生育環境が異なるのは自明の理である。
 誰しもが如何なる「○○力」を目的として、この世を生きて許されるはずだ。 

 特に若い世代には、自分自身が目指す「○○力」に誇りを持って人生を歩んで欲しい思いである。
 それによりたとえ他者との間に齟齬が生じたとて、人間関係自体が熟成しているならば他の「○○力」によりいくらでも挽回可能と心得る。