原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「ハタチは一生もの」、娘の晴れ姿は必見!

2012年11月17日 | 自己実現
 表題は、再来年20歳を迎える我が娘の「成人式」の晴れ姿を、娘18歳の今から楽しみにしている“馬鹿親”ぶりを披露したもので恐縮である。


 冒頭から話題が変わるが、先程読んだ本日(11月17日)朝日新聞別刷「be」“悩みのるつぼ”の相談は、50代女性による 「息子を捨てていいですか?」 だった。

 現在大学1年生の我が娘が日々順調に学業に励んでいる姿を傍らに、娘の「お抱え家庭教師」としての職務が大幅に軽減した現状の下、一時余裕に浸っている我が脳を一瞬にして叩き起こしてくれるような相談である。

 早速、上記 “悩みのるつぼ” の相談内容を以下に端折って紹介しよう。
 相談者である契約会社員50代半ばの女性の息子さんは現在30歳手前であるそうだが、この息子さんが大学卒業後就退職を繰り返し、実質働いた期間は3年程であるらしい。  仕事を覚える努力をするでもなく、家ではゲームと出会い系サイトに夢中。 会社で嫌な事があると途端に家に閉じこもり、すべてを他人のせいにする。 母である相談女性はそんな息子氏の現実に悩み様々な努力をした挙句、息子を捨てるのが親の愛情ではないかと腹をくくる覚悟までしかかっているようだ。  夫は定年で家にいる。 女性自身は来年3月で契約社員の契約が切れる。  それを機に家族解散宣言をしようとも思うが、これは単に相談者である自分が楽になりたいというエゴだろうか? 

 今回の“悩みのるつぼ”回答者は評論家の岡田斗司夫氏であられるが、岡田氏なりの人生経験に基づいた興味深い回答をしておられる。
 それに関しては朝日新聞紙面でお読みいただければ幸いだ。


 (娘と息子の違いはあれども)上記相談者と似た年代かつ家族構成である原左都子の私論を、ここで述べる事としよう。

 この相談内容、今後社会人として世に進出する子を持つ我が身としても、現世社会に放り出された若者が置かれるべく厳しい現実を目の当たりにする思いで、かなりショックだ。
 何分、我が娘は今現在未だ大学1年生。 推薦合格で大学現役入学し、その後も比較的順調に学業に励んでいる姿に一時安穏としている現在の私だが、この先就職活動期に入ったならば我が子は果たしてその戦線に打ち勝っていけるのだろうか???  そういう意味でも、上記相談内容は“明日は我が身”とも捉えられ空恐ろしい思いである。

 だが、もしかしたら子どもが(特に一人っ子の場合)「息子」か「娘」かの違いは大きいのかもしれない。
 昔から“女の子は育て易い”との迷信もある。  私など産んだ子が「娘」であったことにどれ程喜び安堵した事であろう。 正直なところ“同士”あるいは“友”のような位置付けで娘を育てている感覚もある。
 
 加えて、子どもが持って生まれたDNAの違いも多大であるかもしれない。
 我が娘の場合は生まれ持った性質が(父親譲りで)実に素直かつ従順であるのに加え、(私譲りの?)努力家気質でもある事は幼少の頃より見抜いていた。(要するに両親の良い所ばかり受け継いでいる娘なのだが。)
 上記相談者の息子さんは果たしてどうだったのかに関して私には計り知れないが、相談内容から推測する限りでは大学卒業まではこれといった問題はなかったようにも受け取れる。

 そして私が一番問いたいのは、息子さんに接してきた母である相談者の現在までの教育力及び家族の歴史であり、また現在の家族関係の様相である。
 息子さん大学卒業後の相談者一家の家族関係が多少気に掛かる。

 親が子どもに施す教育の最終目標とは、社会人としての自立を見届ける事であろう。
 ところが、相談者の息子さんとは社会人となって以降、就退職を繰り返しつつ30歳に近づいているとの事だ。
 だがこの相談に限らず、せっかく大卒でゲットした就職先をわずかな期間で退職する事例は現在少なくない様子だ。 人間の人生模様が多様化している現在、その現象自体を非難したところで埒が明かないことも子を持つ親として重々自覚している。


 それでは、この厳しい時代に親とは子ども自立に向けて何をしてやればいいのだろう?

 原左都子の場合、娘幼少の頃より「お抱え家庭教師」として家庭内で常に身近に子どもと接している事が功を奏しているようだが、現在に至って尚娘より絶大な信頼を得ている感がある。

 そんな親子関係において、(原左都子の趣味により)「外見」にもとことんこだわる教育を重ねて来た一環として、表題のごとく大学在学中の再来年の「成人式」には“晴れ着”を着ることを母娘共々実に楽しみにしているのだ。 
 「成人式」など取るに足りない儀式であることは重々承知の上だが、この種の伝統行事を利用して我が子を活気付ける手段も、良好な親子関係を築くに当たり有効であるのではなかろうか。
 
 今回の表題の 「ハタチは一生もの」 とのキャッチコピーは、成人式の晴れ着提供を業としている某民間業者が、もう半年程前より我が家の娘宛に幾度となく届けてくるパンフレット内で発見した一文である。
 このコピーには、現在還暦に近づきつつある原左都子も感動させられる。
 特に女の子にとっては、まさに「ハタチ(のお祝い)は一生もの」であろうと今更実感する思いだ。 (何分、我が親の極端に合理的な歪んだ思想により、私は一番の花の時期の「ハタチのお祝い」を一切してもらっていない。 )


 私が来たるべく娘の成人式を祝いたい事と、“悩みのるつぼ”相談者の息子氏が置かれている現状には何らの相関関係はないかもしれない。
 ただ、子どもとはほんのちょっとした親の配慮により愛情を感受し、今後自らの人生を再築するきっかけを掴み取るような気もする。

 いやいや、もしかしたら(少し過保護気味の原左都子の娘こそが)今後の人生を誤るのかもしれないし…… 
 それでも娘よ、就職活動はさておき、ハタチになった暁にはそのお祝いに晴れ着を着よう!