原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

誤認逮捕の悲劇と人間の悪意の性(さが)

2012年10月20日 | 時事論評
 「原左都子エッセイ集」をネット上に公開後しばらく経過した頃その世界に違和感を抱き、現在はネット上の活動を最小範囲に留めている私だが、最近とみにパソコンに向かう事に嫌気がさしている…
 
 そんな折一昨日エッセイ執筆中、パソコンに不具合が生じ修復に手間取るトラブルが発生した。 
 文字入力機能に異常を来たしている様子だ。 (凄まじいばかりの猛スピードでキーボードをぶち殴るがごとく叩き打つ私の場合、エッセイ執筆中のトラブルは普段から数多いのだが…) 
 もしもパソコンハード(特にキーボード)が根源的にぶっ壊れている場合の損失を鑑みてみたところ、さしあたって私の場合メールが届かない程度の不都合しかないことが判明した。 それにしても、とにかく今執筆中の「原左都子エッセイ集」のみは執筆意欲が盛り上がっている今この時間にどうしても完成させたい。

 初期画面に戻してみたり、はたまたログオフしてみたりの試行錯誤を繰り返すのだが、文字入力の異常は回復しない。
 (もういいや、これを好機にいっそパソコンを廃棄処分にしてしばらくネット世界から縁を切ろう!)などとの考えが我が脳裏に本気で浮かんだりもした。
 それと同時に本エッセイ集の数年来の一読者の方(メカに強く私がパソコン扱いに困惑した時の師匠でもあられる方なのだが)より、少し前に“パソコンの復旧術”をご伝授いただいたことを思い出した。
 その手法にて我がパソコンは見事に蘇ったとのいきさつで、現在尚私は我がパソコンに向かう事が叶っている。


 それにしても現在は世界規模かつ目まぐるしいスピードで、ネットを取り巻く事件が多発、かつ悪質化している現状だ。

 日本人ハッカー(未だ真犯人は特定されていないようだが)がもたらしたパソコン遠隔操作によるネット上への犯罪予告事件に於いて、警視庁が4名の誤認逮捕者を出すとの醜態を晒した事件を、皆さん既に重々ご承知のことであろう。

 この事件に関して、遅ればせながら先だって警視庁長官は「誤認逮捕」を認め謝罪した模様だ。
 「誤認逮捕」された4名の“被害者”の横顔を、朝日新聞記事より引用(カッコ内は刑事手続き)して紹介しよう。
 東京の19歳男子大学生(保護観察処分が確定)、大阪の43歳アニメ演出家男性(起訴後、釈放)、福岡の28歳無職男性(処分保留で釈放)、三重の28歳無職男性(処分保留で釈放)。
 この被疑者4名の皆さん全員が、警視庁による逮捕後弁護人を通して犯行を否定しているにもかかわらず、その後の取調べにより(おそらく従来通りの“強引な取調べ”及び“十分な実況検証”なきままに)「自白」を迫られ、それに従ってしまった現状のようだ。
 中でも我がメディア情報よりの記憶によると、上記19歳の男子大学生など「大学生活がうまく行かずむしゃくしゃして犯行に及んだ」などとの警視庁側の意向に従った「自白」を強要されている始末だ…。


 人間が内面に潜ませている「悪意」の“性(さが)”とは実に恐ろしい存在である事を再認識させられる事件である。

 現在に至っては世界規模で多発しているネット上のハッカー被害に関して、さほどの調査及び検証の努力もせず、安易に表面的パソコンデータのみを“法的証拠物件”として上記被疑者達を逮捕・起訴するに及んだ警視庁の「悪意」の程は計り知れないものがある。
 その職種のプロとしてこの世を生きている限り、時代に乗り遅れるとの失態により“誤認逮捕者”を複数出した事実など許されるはずもない。 しかも、今回はその謝罪が実に遅かった。 これはまさしく警視庁側の「悪意」と表現するべきであり、誤認逮捕者の皆さんに謝罪して済ませられる話の域を超えている。

 そして「真犯人」とやらの日本人らしき方。
 あなたの“悪意”の程を指摘せねばならないのは当然の事であろう。
 もしかしたら、絶対に自分は警視庁に捕まらない自信があって「真犯人」を名乗り犯行声明を多数の報道組織に送りつけているのであろうか?
 ところが残念な事に、おそらくあなたは上記の“誤認逮捕”を反省した警視庁より近いうちに検挙されるであろうと私は推測する。 何故ならば、国家組織も大失態が国民に表沙汰になった直後は、短期間だけ頑張る気になるようだからねえ。 (その後はまたいつもの官公庁組織の“お役所仕事”に戻ってしまい失策を繰り返すのは見え見えだけど…

 とにもかくにも、この事件に於いて「誤認逮捕」された被害者の皆さんが、なるべく早い時期に今後の人生を取り戻されることを祈りたい思いだ。


 最後に、原左都子の私論に入ろう。

 冒頭でも記した通り、私がネットに係っていると言ったところでそれは当「原左都子エッセイ集」に関してのみである。 それ故に、この私が上記のようなネットハッカー被害に今後遭遇する危険性は低いと見ている。

 それにしても、どうしたことなのだろう。
 自分がかかわり合った事がなければ何処のどなたかも知らないネット上の相手に、「誤認逮捕」被害をもたらしたい「真犯人」の思想とは如何なるものなのか? (一部の憶測として、今回の事件の「真犯人」と「誤認逮捕者」が共犯との見方もあるようだが…???) 
 もちろん、現世には“愉快犯”なる犯罪者も大勢存在する事は重々承知しているが…。

 私としては、個々が抱えているコンプレックスや鬱憤の打開策として、まずその原点を探る作業から始めて欲しい思いが強い。
 その作業を指導するのは教育の役割であろうが、国家自治体教育がその使命を果せない現状に於いて、やはり自分自身でその作業を実行するしかないであろう。

 少なくとも自分の怒りや悲しみをぶちまける相手とは、見ず知らずのネット上の対象者ではなく、自身の身近に存在する近親者であって欲しいものだが…