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原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ママ友付き合いの過酷な試練

2009年05月15日 | 人間関係
 美容院を訪れると、その待ち時間等は置かれている週刊誌でも覗くしか時間を潰す手立てがないものだ。
 美容院に配備されている類の女性週刊誌ほどこの世においてつまらない書物はないというのが、発行者には大変失礼ながら正直な私の感想である。

 先だって美容院へ行った折に、その辺にある女性週刊誌を適当に手にとってパラパラめくっていて「ママ友」に関する記事を発見した。
 確かにこの手の週刊誌に目を通す読者の対象年齢女性は、ちょうど「ママ友」の世代なのであろうか。


 「ママ友」ねえ。
 この言葉自体に子どもを産む以前よりアレルギーがあるとも言える私なのであるが、一応子育てをしている私もそういう“苦難”の時代を経験してきている。

 高齢出産で子どもを産んだ私であるが、当時としては周囲のママ達とは年齢的に一回りも二周りも上の年代の私であるし、また、長い独身時代に女性よりも男性の友人が圧倒的に多かった私は、「ママ友」と直接対峙する機会も少ないのではないかと考えていた。
 子どもが既に高校生になっている今現在は、既に「ママ友」というべき相手との義務的付き合いは修了して正直なところ清々している私なのであるが、特に子どもが小学生までの期間は、やはりこの私も「ママ友」付き合いの“鬱陶しさ”を避けては通れなかったものである。
 

 この週刊誌の記事は「ママ友」の悩みに回答者が答える方式で展開しているのだが、女性週刊誌としては珍しくなかなか内容がまとまっていたのだ。そして回答者の回答が結構的を射ていたのも印象的である。

 その記事に連ねられている「ママ友」の悩みを列挙してみると、“公園デビュー”“習い事”“学校のPTA”“子どもをめぐるトラブルの親同士のかかわり”等々なのであるが、「ママ友」との接触をなるべく避けて通ってきたこの私もそれらすべてを経験したものである。

 例えば子どもが幼稚園入園前に昼間母親が子どもを公園で遊ばせる機会は多いのだが、いるいるどこの公園にも「ママ友」グループが。 グループの一員になって「ママ友」と“つるもう”などという趣味が毛頭なかった私は、意識してなるべくグループとの接触を避けて、単独行動者同志で差し障りのない会話などをしたり、子どもを公園にいるお年寄りに可愛がってもらったりしながら淡白に公園ライフをこなしたものだ。

 “習い事”に関しては、我が家は子どもが2歳時より幾つも掛け持ちで通わせた部類であるが、これは「ママ友」どもから大いに嫌われる標的となる。 元々「ママ友」付き合いに興味のない私としては、むしろ綺麗さっぱり嫌われてしまった方が周囲のママ達とかかわらずに済んで好都合であるため、結果として楽を出来たとも言える。
 ただし、“習い事”の場において「ママ友」同志のかかわりを避けきれない場合もある。特に“バレエ”などはその最たるものであり、これについてはこの私も相当鬱陶しい思いをしてきている。どうやら“バレエ”とはある程度高所得層でないと通わせられないというような、「ママ友」間における歪んだ特権意識があったようだ。それ故に「ママ友」達のライバル意識による壮絶なバトルが展開される場と化していたようである。(まったくもって「他者との比較は“みみっちい”」… 詳細は本ブログの前々記事をご参照下さい。) これに関して我が家の場合は、プロバレエ団併設のバレエスクールへ移籍することにより、アホ臭い「ママ友」間バトルを回避したものである。(参考のため、プロバレエ団併設スクールの場合、親との接触をほとんどせずに済みます。)

 学校のPTAに関しても似たようなものだ。 私の場合、自らの教育に関する理念が元々明確であるが故に、学校と意見交換をする目的でPTA役員になることは別段いとわないとも考えていた。 一方で、やはりPTA役員である「ママ友」との付き合いが煩わしいことは重々想像できたため、一貫して避け通してきている。

 “子どもをめぐるトラブルの親同士のかかわり”に関しては、これは親としてはどうしても避けて通れないものである。 特にママ同士が懇親にしている場合は、一旦トラブルに発展すると今後の対応に大いに難儀することであろうと察する。
 私の場合、さほど親しい「ママ友」を作らない主義だったことが幸いしたのだが、やはりこの種のトラブルは経験している。 一例として、この週刊誌にも取り上げられているのだが、親が日中在宅しない家庭の子どもが連日我が家に入り浸って夜遅くなっても帰らないという事例を経験している。この例の場合、親同士の付き合いが一切なかった我家の場合、相手の親に対してきっぱりと苦情を提言できたため、解決も早かったものである。


 「ママ友」付き合いとは、自分独り身で統治できる範疇を超えて、可愛い我が子がからむが故に難儀さを伴う人間関係である。そのため、母親が苦悩に陥らざるを得ない事象であることは私も大いに理解できる。

 それを承知した上で、この女性週刊誌の回答者も主張しておられるのだが、例えば何故に“公園デビュー”するのかを親として再考する余裕を持つべきでもあろう。 公園の例の場合、回答者が書かれている通り我が子を遊ばせることが主たる目的であるはずなのだ。
 そういう場にあっても親であるママが友達を作るのはもちろん大いに好ましい事である。 そこで今一度初心に戻って子どもを育てるという観点から、母が一人格者の立場で、母親同士として付き合う価値がある相手か否かを自らが判断していけばよいことであろう。

 友達関係とはあくまでも自然発生的に出来上がってくるものと私論は捉えている。 気がついたらどういう訳か親しくなっているというのが、友達という存在なのではなかろうか? 下手に故意に仕立て上げた友人関係というのは弊害が大きく、早期に脆く崩れ去る運命にあるものだ。
 可愛い我が子のためならば尚さら「ママ友」付き合いは無理をせず、慎重に対処するべきと私は捉えて、子どもを育ててきているのだが…。  
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