団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

百歳になっても筋力は向上

2011-08-09 15:41:46 | 健康・病気

「百歳になっても筋力は向上します」。こういって、患者さんに運動を続けるよう呼びかけています。「百歳にもなって、筋力は強くなるのですか」と首をかしげる患者さんもおりますが、その時は、アメリカで調査された結果を説明します。

プラグマティズム(実証主義)の国、アメリカです。アメリカの老人ホームで、お年寄りを二つのグループに分け、一つのグループはその人の体力に合った、ランニング、自転車こぎ、筋力トレーニングなどをしてもらい、もう一方のグループは、とりたてての運動はしません。

1か月後、運動グループの筋力は目に見えてアップしました。80代、90代の人たちの筋肉も確実に向上しました。運動をしなかったグループでは、当然ながら変化はありませんでした。運動を続ける期間が長くなれば、筋力はさらに向上し、杖を使って歩いた高齢者が杖なしで歩けるようになりました。

アメリカの実証主義に、びっくりした経験があります。暴走族が大きな社会問題となっていた30年ほど前、交通問題を担当していました。アメリカの交通関係の資料に目を通していたら、小学生の2学級のうち、1学級で交通教育を実施し、もう1学級では交通教育を行わない、で子どもたちが成人になってからの事故を起こすケースを調べたデータを見つけました。

当たり前のことですが、交通教育をしたグループの事故割合が、しなかったグループのそれよりはるかに小さかった。驚いたのは、この結果に基づいて、交通教育を受けた人たちの自動車賠償保険の保険料を、受けなかった人たちより割引していたことです。逆に言えば、保険料を下げるためのあかしとして、何十年に及ぶ調査を続けていたのです。

日本でこのような調査をすれば「子供たちを実験材料にするのか」「子供たちを区別する教育をするのか」という声がわき上がることでしょう。「うちの子は交通教育をするグループに入れてほしい」と訴える親が続出して、収拾がつかなくなるかもしれません。

アメリカでは、想定される当たり前のことでもきちんと実証データを出し、これを根拠にものごとを決めていく。こんな国との交渉は理詰めでなければ進まない、と感じました。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 運動療法あれこれ | トップ | 初めての歯髄炎 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

健康・病気」カテゴリの最新記事