水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

雑念ユーモア短編集 (16)予定

2024年03月17日 00時00分00秒 | #小説

 個人が予定を立てたとしても社会にも予定があり、個人の予定が成立する訳ではない。
 岬珠代は、休日の朝早くから雑念を膨らませ、アレコレと予定を立てていた。
『アソコへ寄って、アレを買ってからナニへ行こうかしら…。でも、それでは間に合わないわね…。とにかくナニへ行くことにしましょう』
 珠代のアレ→ナニの予定は、女性に有りがちな美しく見せよう…という欲が邪魔をした寄り道の予定だった。徳川秀忠公が、父上にお褒めに預かろう…という欲により、予定を遅らせて関ヶ原に遅参した失敗に似ていなくもなかった。^^
 正解はアソコへ寄らずアレを買うことなくナニへ行けばよかったのである。
 かくして、珠代の予定は雑念に歪(ゆが)められ、成就することなく予定通りにいかなくなってしまったのである。
 理由は、[1]アソコが閉店日で、アレが買えなくなった。
     [2]アソコへ行った時間がロス・タイム[アディッショナル・タイム]で、ナニに間に合わなくなった。
 ということのようです。予定の雑念は、余り欲深く湧かさない方がいいようです。^^

                   完


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