水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

明暗ユーモア短編集 (15)アイデア

2021年12月21日 00時00分00秒 | #小説

 人と機械の違いを大雑把(おおざっぱ)に考えれば、パッ! と明るい電球が灯(とも)るようなアイデアが浮かぶか、あるいは浮かばないか・・の違いだろう。
 発明や発見という今までこの世になかったアイデアの閃(ひらめ)きはホモ・サピエンスだから・・なのである。確かに機械[とくにパソコン]はデータ[100%正しいことが必須条件で、0.000…1%でも間違いがあれば、とんでもない無限予測となるから御注意を^ ^]を多く記憶させることで人智の計りえない予測を一瞬にして弾(はじ)き出す力を持つ。しかし、機械は人に命じられたことを間違いなく熟(こな)すだけで、それ以上でもそれ以下でもない。機械を考え出したのは人だということを、最近の社会は忘れ、暗く、黙々と機械に奉仕するといった体(てい)たらくなのである。残念っ!^^
 とある町である。二人の町民が話し合っている。
「相手はカラスだからなぁ~」
「仕方ないか…。それにしてもカラスのやつ、頭がいいねぇ~。アイデアがよく浮かぶっ!」
「政府の方々も、肖(あやか)ってほしいものだっ!」
「いや、あの人達はあの人達なりに考えてるんだろうがなっ! 今一つ、いいアイデアが出ない訳さっ!」
「いやいや、いいアイデアがあっても言えないんじゃないかっ!? 妙なこと言やぁ~、マスコミから袋叩きで、身が危ういからなっ!」
「ああ、そうか…保身ねぇ~。侘(わび)しい…。言えないから暗くなる訳だっ!」
「そうそう! 明るく何でも言える世の中になって欲しいもんだっ!」
「だなっ!」
 いいアイデアが堂々と言える明るい社会の到来を期待したいものです。^^

                   完


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