バンクーバー冬季オリンピックが始まった。始まる前から、スノーボードハーフパイプ代表の国母和宏選手(21歳):東海大学が物議をかもしだしている。何が物議と言えば、バンクバー入りをしたときの格好だ。
国母選手は日本を出発してバンクーバー入りする際、日本選手団の公式ブレザーを着て、ズボンは「腰パン」、シャツを外に出し、ネクタイを緩め鼻ピアスだ。頭はドレッドヘアーで顔には黒いサングラス姿。
スノボとなじみの無い大人がこの姿を見れば、「なんじゃこれ」と驚くだろう。彼にとっては誰もがやっているファッションで、スノボの世界では定番である。スノボは世界的にスケートボードから入って来る人が多く、ヒップホップの影響を強く受けている。頭のドレッドヘアは古代からあったようだが、私は小汚く見えてムシズが走る。オリンピックで初めてスノーボードハーフパイプを見た時、選手のラフなスタイルには驚いた。これがオリンピック種目?何か遊びの延長に見えてしまった。
今回の服装で、日本全国から「だらしない」と批判を浴び、日本オリンピック委員会(JOC)は、国母選手の選手村入村式への参加を自粛させた。選手村入村式を自粛した後の会見でも、服装について聞かれた際に、「チッ、うるせーな」などとつぶやき、「反省してま~す」と笑みすら浮かべた。「反省してま~す」と反省している割には、小ばかにしている感じの受け答えだ。この会見を見れば普通の大人は、どこが反省だと腹が立つだろう。あまりの態度の悪さに、日本オリンピック委員会(JOC)と全日本スキー連盟(SAJ)にメールや電話の抗議が殺到した。
「スポーツマンらしくない」
「国民の代表としてありえない」
「JOCはもっとリーダーシップを発揮しろ」
国母選手の所属している東海大学にも、抗議のメールが殺到しているそうだ。
「帰ってこなくていい」
「殺すぞ」
これを重く見たJOCは、開会式への参加はスノーボードの萩原監督、出入国に同行したコーチ二人ともに取りやめさせた。国母は、「ハーフパイプチームみんなで出たかったけど、出られなくて残念」。自分で撒いた種だ。気づくのが遅いちゅうの。
同行したチーム関係者も、誰も注意をしなかったのも一端の責任がある。サッカー選手も普段はラフなスタイルをしている者を多く見かけるが、サッカー代表にも公式スーツがあり、「国内外問わず、代表チームとして移動の際には必ずスーツとネクタイを着用すること」が義務づけられている。そして代表に選ばれれば、公式スーツをキチッと着こなしている。プロ野球でもキャンプで空港に降りたとき、チーム移動のときは必ずスーツにネクタイをキチッと締めている。
全日本スキー連盟は、国母選手の出場を辞退をJOCに申し入れ、JOCは日本選手団の橋本聖子(45歳)団長に委ねた。
団長は「スタートラインに立たずに終わるのは、逆に無責任。責任を負わせるために出場させる。メダル候補だから出場させるわけじゃない。」と温情とも思える決断をした。
国民にアンケートを取れば、6割は日本に返せ、4割は出場させてもいい、くらいなものだろう。
スピードスケートの岡崎選手は、さすが最年長だけあっていい事を言う。 「もっと違うところにエネルギーを使ったほうがいい。」「代表選手でいたくないなら、この場に来なければいい。そのぐらいの覚悟があるプロボーダーでいてほしい」さらに「トップの人たちが、身だしなみなどを指導したほうがいい」と周囲の指導力不足も指摘した。
スピードスケートの長島選手も「正装にはルールがある。スタイルを貫くのはスノボでやればいい」。もっともだ。
これだけパッシングを浴びても、心から反省しているかどうかは分からない。プロのスノボ選手は個性的な服装をする例が多く、スーツ、ジャケット、ネクタイ姿になることは考えられないようだ。スノボの皆さんは、他の選手と同じ服装になることを嫌い、独自のスタイルを貫く。国母選手もだらしなく見える格好が、本人にとって立派な正装と思っているからやっかいだ。
出場が決まったからには頑張って表彰台に上がり、汚名を返上してもらいたい。17日がその機会だ。
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