「パティシエになりたーい!」ブログ。

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「きみはともだち」のこと・4

2010-11-04 23:22:48 | 自分の動画のこと
続き。
2番終了。間奏からのとこ。
ここまでほのぼのなのに、突然の急展開。

闇に追われている社長。

えー…と、アニメにしようと思ってた部分の2つ目は、ここでした。
逃げ惑う社長を動かそうと思ってました。どんだけチャレンジャーなの、うち。普通に静止画を描くだけでも大変って気づいた時点で早々に諦めましたが!(あ、ちなみに絵は大体前から順に少しずつ描いてました。ここらへん試行錯誤しまくったので最終的には最後に仕上がってたけど。)
この後ろの「闇」の部分……筆ペンの先をつぶすようにしてごしごし塗ったらこんな感じに仕上がりました(そして筆ペンはおしゃかに)(←当たり前だよ)。しかもこの後のシーンとフェードでつなげたら本当に闇がこっちに伸びてくるみたいに見えて自分でも恐かった…!

滅びのバーストストリーム!

青眼の攻撃と言えばこれだよねと思って意気揚々と描いたんですが…もっと強そうに描くべきだっただろうか…。
でも強いんです!効いてるんです!闇も一瞬ひるむほどに。

闇は「社長」を狙ってる。

これ、びよーんと伸びるのを何本かぐりぐり描いて(筆ペンは犠牲になったのだ…)、その後に「あ、手っぽくしよう」って思ってぐりぐり書き足したんですよね。後でもっとリアルな人間の手みたいにすればよかったかなあと思ったんですがもうそのままいきました。
…この闇の正体は、魑魅魍魎とかそういうんじゃないんです。「人間」なんです。社長の周りの悪意とか、社長自身の不安感・不信感の固まり。それが社長を飲み込もうと追っかけてる…っていう設定。

これ、描いてる時は意識してなかったけど…思いっきり「ハチクロ」9巻の森田兄弟の号泣シーンの影響受けてるなあ…(めちゃ久々に1巻だけ持ってるハチクロ読み直してて気づいた)。過去の回想で、…なんだっけな、最初は人間が…大人が追っかけてるんだけど、それがなんだか得体の知れない闇の固まりみたいのに代わってて…お兄ちゃんは、弟みたいに速く走れなくて、こけちゃって、闇に飲み込まれちゃう……っていう…ううっ…ぐすっ…(ほんとに涙出てきた)。それで弟が必死で叫んで…ううっ(もうええって)。
しかもあれも兄弟の話だったし。ついでに今調べてみたらお兄さん社長だったよ…もうどうしよう思い出すだけで泣けて泣けてしょうがない。…早く揃えよう、ハチクロ…(それ何年言ってるんだろうね…)。
というわけでこの部分にも別の元ネタがあったんですね。
元PVでは神様的なものと戦うんですが…社長が追っかけられるものといえば、「闇」しかないだろうと思って描いたんですけど、そうか、これハチクロだったんだなあ…(遅いだろ気づくの)。カオルお兄ちゃん大好きよ…。


そしてキサラ。

筆ペンは2種類使ってました。一つは一本だめにした無印の筆ペン(300円くらい?)、もう一つは百均で見つけた「絵手紙用」とか書いてある筆ペン。「灰汁(あく)色」ということで薄めの色です。…ここでは実体ではなくイメージとして出てくるキサラを描くにはちょうどいいかなと思って使いました。あと、社長の目を塗りつぶすとことか夜のシーンの背景とかに使ってます。…でもやっぱ、細い線とかは描き辛くて…無印のんは値段するだけあるなと思いました。
てか、無印の筆ペンは普通にすごくオススメです。書店員時代にお姉さんから薦められてそれからずっと使ってる。書店員の時よくのしとか頼まれて書いてたんですが(図書券とかの贈り物のため)、こう…すぐにのし紙に吸い込まれていく感じが他のと全然違ってすごくよかった…。今でもご祝儀の名前とか書くのに重宝してます。
そんな大事な筆ペンをつぶしてまで描いた紙芝居!…と思うと凄みがあるような、ないような。つぶす前にもちろん次の一本を買ってました。そもそもインクがもし足りなくなったらいけないし、と思って買ったんだけど…まさかつぶしちゃうとはね…(しつこいよ)。
キサラは文庫版を見つつあの古代編の衣装を着せたんですが(つか服あれしかない…)、髪の毛でほとんど見えなくなってますよね…。とりあえず「手をぎりぎりいっぱいまで広げてる」感じは出したくて、そこは頑張って描きました。


そうそう、この辺りまでは完全にコンテも完成してて…というか歌詞に合わせてたからそれ以外ねーよって感じで、aviutl上に順番に並べていくだけ(たまにフェードイン・フェードアウトくらい)だったんですが、ここらへんはあまり決めないままとりあえず並べて、足りないなと思ったら絵を描いてスキャンして…並べて、前後入れ替えたりフェードの組み合わせを変えたり…悩みながらいじりまくってました。さっきもちらっと書いたけど、ラストが決まって並べ終わってもここは決まらず…最後の最後まで描いたり消したり悩んだりしてました。

決めてたのは先ほどのキサラの背中、そして文字だけの二枚をここで使う、ということだけ。そして二枚目のこの部分は、どうしてもこの歌詞(「君の声」ってとこ)と同時に出したくて、本当に試行錯誤しました…。
これは原作古代編でキサラがセト様を闇から救い出すシーンのセリフです。
…本編ではキサラの「声」は海馬くんには「聞こえなかった」わけですが…、きっと何度も何度も叫んでいたんだろうと思うのです。声は届かなくても、叫び続け、願い続けたキサラの存在が、本編中、青眼が起こしたいくつかの奇跡の正体だったと、信じています。
…(原作では)最後まで海馬くんに存在を知られることはなく、それでもずっと見守っていたキサラが…「新たな夢に向かって旅立った」彼を見た時どれだけほっとしたことだろうと思うと…キサラにも、本当によかったねって…言ってあげたい…。ううっ…(また泣くんかい!)。

「この世界」でも声は届いた。届ける代わりに消えてしまったけど、
それでも、きっと社長のラストの姿を見たら、キサラはほっとしてくれると思う。
だからやっぱり、よかったね、と言ってあげたい。

aviutlで組むところまでいったのに描き直しした表情。

ここまでは妥協したところも多かったのに、ここは最初から描き直した…。
呆然、とか驚愕、とか一言で言えない複雑な表情を目指しました。
難しいですね。なんかすっごい怖い顔になっちゃったりとかしてました。ホント難しい。

最後に追加になったシーン。

原作17巻(BC準決勝)を読み返していて、足す事を思いつきました。
…社長が自分の敗北が信じられず呆然としてるシーン…。数々のイメージが現れ、最後に青眼が消えてしまう……読んでたら絶対泣くシーンの、模写…ですね、もうほとんど。これは原作のあのシーンを髣髴してもらうだけのために追加した、と言ってもいいかも。
違うのは手の成長ぶりと、その距離感だけ。…社長をかばうなら、青眼はギリギリ前とかにはいないだろうと思ったんですよね。だから手を伸ばしてる、と(いやわかんないですよね…絶対…)。



この部分を作っている時、…急に不安になりました。
これで私の想いが伝わるんだろうか?こんなんでいいんだろうか?って。
それこそ構成は7月から考えていたので、流れとしては自分の中で「絶対」みたいになってた部分までふと「こんなの描いていいんだろうか」という気分になってきて…。
単純に見るとキサラも社長もかわいそうで、…かわいそうな目にだけ遭わせて、見てる人を泣かせようとか…そんな風に取られないだろうかとか……、「取られる」とか、見る人のせいにしようとしてるんじゃないのか、そもそも何を伝えたかったのか、本当に伝えたい事があったのか、とか…自問自答しまくりでした。やめちゃおうかとも思いました。
でも。もう今からキャラケーキ作るとか絶対無理だし。大体、前半だけでも描くの、ものすごい時間かかってました。下書きも何回もして構図を考えて、コピー用紙にいざ描くときも何度も何度も消しゴムで消して描き直して…。
これを全部ボツになんて…そんなことできない…。

何より、一度は形にしたいと思ったものだから。
不安な気持ちを必死で押さえつけて、できるだけ冷静に「何が、一番伝えたいことなのか?」とか考えて考えて…、今の自分の力で、この曲でこの想いを表現するならこれしかないんだと自分を納得させて、どうにか完成まで持って行きました。

前日、動画が仕上がって、マイリスコメントを用意してる時。
字数制限のために悩みはしましたが、「書くべきこと」にはほとんど迷いがなかったのは、この時にめっちゃじっくり考えれたからだと思います。


次で最後です。

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