介護施設訪問で現場の悲痛な実態が明らかに
2月5日に枚方市へのコロナ対策の拡充を求める8回目の要請行動を行った。枚方でも介護施設のクラスターが多発する中、介護施設等でのPCR検査の拡充は、最優先課題である。特に現場がどのような状況に置かれているのかをつかむ必要があるのではとミーティングで話し合い2回目の施設アンケートを実施することになった。1月27日に3グループに分かれ車3台に分乗し、市内35か所の施設を半日以上かけて回った。コロナの影響で休業している事業所を目の当たりにしながら、コロナ感染の深刻さを改めて感じた。
クラスターが実際に発生した施設では、陽性の利用者が入院できず、施設で看なければならないとういう異常事態に。医療の専門家もいない中で、市も保健所に丸投げし、保健所も電話だの対応。現場は、電話対応にも時間が割けないほど余裕がない。結局、感染が収まるまで二人の職員で泊まり込んでの対応をせざるを得なかった。せめて発生直後には行政が現場に来て、指示や指導をして欲しかったと。
そして何より問題なのは、これだけの大変な経験をしたにも関わらず行政からの財政的な支援がないことだ。感染があれば20万円の慰労金も昨年の6月までの状況にしか適用されず、コロナ感染症対策費用の支援金も上限があり、すでに上限をはるかに超えていると。
前進を引き出した
8回目のコロナ対策要請行動
このような現場の悲痛な声を、是非、行政に伝えたいと強く思い要請行動に臨んだ。市長公室、コロナ対策本部事務局、長寿・介護保険担当課、保健所を回り要請書を読み上げ、訴えた。どこも立ち話ではあったが、「状況は良くわかる。市としても対策を取りまとめているところ。3月議会で動きがある。」と前向きな話があった。
そして3月議会に、高齢者・障がい者施設の入居、入所施設の濃厚接触となる可能性が高い従事者の希望者に年度内に1回のPCR検査(費用負担のない行政検査)を実施する案が提出された。
この間の、粘り強い私たち市民の取り組みが、少しずつ、市を動かしていることを感じた。
しかしこの案は、施設系の従事者にのみ検査を拡大しただけで、在宅系の通所サービスや訪問サービスの従事者、そして利用者は置き去りにされている。厚労省の2月4日の通知では「新型コロナウイルス感染症に関する高齢者施設等への検査については、感染多数地域において施設の感染者が判明していない場合であっても、・・・高齢者施設等の従事者や入所者に対する幅広い検査の積極的な実施をお願いしているところです」と再度の検査の徹底を求めている。また2月10日の厚労省交渉の場でも「高齢者施設等」には在宅系の通所・訪問サービス事業所も含まれると明言している。
私たちが当初から要望している、「いつでも誰でも何度でも、希望すれば無料で受けられるPCR検査の実現」を今後も粘り強く要求していきたい。そのためにも、引き続き現場の声や状況をしっかりつかみながら行政に伝え、誰もが安心して働き、生活できる枚方市をつくっていきたい。