
6月第2週~の日経平均は、下落に転じた。NY市場がFOMCを境に変化、
週前半の楽観論から、米経済活動の再開に伴う感染者数が増加し第2波への
警戒が出る中、パウエルFRB議長は、低金利政策を継続する旨を表明した。
その流れで、調整売りが出て6/11には、ダウが1800ドル超安となる
ばめんもあり、東京市場へ波及した。またドル/円も107円台前半迄円高
となり、東京市場への下落圧力となった。
ただ、東京市場は、東京がステップ3へ移行。第2波懸念があるも、感染者
数の増加は、積極的検査の表れであり、想定内であった。
結局、日経平均は週間で558円下落(↓2.44%)22305円だった。
さて、6月第3週(6/15~6/19)主なイベントと予定は下記の通り。
明日からの日経平均は、6/15の中国、6/16の米での5月小売売上高の
発表に注目が集まりそうである。北京でのコロナウイルス感染者数増加や米の
各州での増加傾向が、両国のV字回復期待が後退し、リスクオフの展開継続に
なるのかポイントです。感染者数の増加が想定内で、穏やかな経済再開に期待
と診れば、底堅い展開もありえます。
都民に警戒を呼び掛ける「東京アラート」が6/11に解除され、第3ステップ
移行と、日経平均は下値抵抗力を試す展開に転じてくれば、今週上昇もありそう
である。とにかく、経済活動の再開に期待にしたい。
国内での感染者状況が現状水準なら、相場は23000円台に向けた動きを想定
したいところ。
日経平均、6月第2週(6/15~6/19)は22600円 ~23100円
程度を想定しています。
1.6月第3週(6/15~6/19)主なイベントと予定
6/15
日本 日銀金融政策決定会合(~6/16)
日本 伊藤園、星野RR、積水ハウス、パーク24、いちごオフィ、ケネディ
オフィ 各決算
米 4月対米証券投資
米 6月NY連銀製造業景気指数
米 ダラス連銀総裁、オンライン討論会参加
中国 5月小売売上高
中国 5月鉱工業生産
6/16
日本 日銀金融決定会合
日本 黒田日銀総裁 記者会見
日本 インベスコ、CHCAD 各決算
米 5月小売売上高
米 5月鉱工業生産
米 パウエルFRB議長、上院銀行委員会で半期に一度の議会証言
米 オラクル、レナー 各決算
英 5月失業率
独 6月ドイツZEW景況感指数
6/17
日本 5月貿易収支
日本 5月訪日外客数
日本 巴工業、電業社 各決算
米 パウエルFRB議長、下院金融委員会で半期に一度の議会証言
米 5月住宅着工件数
米 クリーブランド連銀総裁、オンライン講演
露 ロシア第1四半期GDP
ブラ ブラジル中銀政策金利
世 OPEC月報
6/18
日本 東京都知事選告示
日本 西松屋、プレミア投 各決算
米 5月景気先行指数
米 6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
米 新規失業保険申請件数(~5/13迄の週)
米 クローガー 決算
米 クリーブランド連銀総裁、オンライン講演
NZ 第1四半期GDP
豪 5月雇用統計
イン インドネシア中銀政策金利
EC ECB経済報告
英 中銀政策金利
世 OPECプラス共同閣僚監視委員会開催
6/19
日本 5月消費者物価指数
日本 凸版印、クミアイ化学、プロシード、ソッフトウエアサー 各決算
米 第1四半期経常収支
米 大統領、選挙集会再開
米 ボストン連銀総裁、オンラインセミナー参加
米 FRB議長、ビデオ会議参加
露 ロシア中銀政策金利
EU EU首脳会議
2.NY市場、為替/債券 各結果(6/12)
今日のNY為替市場でドル円は107円台半ばでの小幅な振幅が続いた。
ただ、市場全体の動きは大きい。前日は感染第2波へと景気回復への不安
感が強まり、米株式市場でダウ平均が1800ドル急落するなどリスク
回避が強まっていた。きょうはその反動もあって米株は買い戻しを強めて
始まったが、買いが一巡すると次第に戻り売りが強まり、上値はなお重い
印象もある。
昨日の急激なリスク回避は一服しているものの、その雰囲気は依然として
続いているようだ。為替市場ではドル高・円高が見られ、その中でドル円
107円台で安定している状況。
ドル円は前日の106円台半ばからは買い戻されてるものの、なお上値は
重い印象。一方、下押す動きもない中で再び107円台のレンジ相場に戻
っているようだ。目先は21日線が107.85円に来ており、上値メド
として意識される。
ユーロドルはNY時間に入って戻り売りを強め、一時1.12ドル台前半
まで下落。きょうは4月のユーロ圏鉱工業生産が発表されていた。前月比
17.1%の低下となったが、この結果を受けてエコノミストの一部からは、
今回の結果は4-6月のGDPが12%縮小することを示唆しているとの
指摘も聞かれた。前年比では28.0%の落ち込みとなり、1990年代
半ばの水準に戻ったとしている。
ポンドドルは戻り売りを加速させ、1.24ドル台に一時下落。きょうの
下げで200日線を下放れる動きが見られており、1.2540ドル付近に
来ている100日線も下回る場面も見られている。テクニカル的には来週
以降の動きが警戒される。
EUとの貿易交渉に大きな動きが出ており、ゴーブ英国務相は、今年末に
期限を迎える移行期間の延長を行わないと正式に表明した。英国とEUは
協議の加速で合意しており、両者は7月に毎週協議を実施するとしている。
来週はジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長が15日に会談を
行うが、そのことを確認するものと思われる。
ただ、ネガティブな見方も少なくない。お互い譲歩は困難と見られており、
協議は難航が予想される。7月で決着がつかなければ、それ以降も協議は
継続されるものと思われる。これまでの経緯からすれば、結果が出るのは
年末ぎりぎりとの見方もあるようだ。それまでは合意なき離脱のリスクが
常につきまとい、ポンドの上値を圧迫する可能性もありそうだ。
https://fx.minkabu.jp/news/147575
米国債利回り
2年債 0.191(-0.006)
10年債 0.710(+0.041)
30年債 1.462(+0.060)
期待インフレ率 1.203(-0.004)
※期待インフレ率は10年債で算出
今日のNY債券市場、前日に急速に強まったリスク回避の雰囲気は一服し、
米株も反発する中で米国債利回りも上昇した。ただ、先行きに対する不透明
感も強まっている中で利回りは上げ幅を縮小する場面もみられた。一方、
2年債利回りは下げている。
10年債は0.70%台を回復した一方、2年債は0.18%台に一時低下。
2-10年債の利回り格差は+51(前営業日+46)にスティープ化。
https://fx.minkabu.jp/news/147574
3.NY株式市場 結果(6/12)
NY株式12日
ダウ平均 25605.54(+477.37 +1.90%)
S&P500 3041.31( +39.21 +1.31%)
ナスダック 9588.81( +96.08 +1.01%)
CME日経平均 22260 (大証比:+120 +0.54%)
今日のNY株式市場でダウ平均は反発。前日のダウ平均は1800ドル急落
するなど、過熱感の高まっていた株式市場は一斉に冷水をかけられた格好と
なっていた。きょうは値ごろ感からの買い戻しが入り、ダウ平均は寄り付き
直後に800ドル超上昇する場面も見らえれた。ただ、買い一巡後は戻り売
り圧力も強まり、ダウ平均は一時マイナスに転じる場面もみられている。
経済再開とその後の回復への期待感だけでダウ平均は3月の安値から50%
近くも上昇している。ナスダックに至っては1万ポイントを回復し最高値を
更新していた。急落のきっかけは感染第2波だが、モメンタムだけでファン
ダメンタルズがない相場だっただけに調整はやむなしといった指摘も聞かれる。
前日は大幅安となったものの、それでもダウ平均は3月安値から35%高い
水準にあり、まだ調整余地はあるとの声もあるようだ。
航空やクルーズ、銀行、産業、エネルギーが買い戻された一方、IT・ハイ
テク株は下げに転じるものもありまちまち。
ダウ採用銘柄ではボーイングやダウ・インク、レイセオンが上昇したほか、
ゴールドマン、IBM、シスコシステムズ、シェブロンが上昇。
一方、ウォルマート、インテルが下落。
ナスダックも反発。戻り売りに押され下げに転じる場面が見られたものの、
引けにかけてプラスに転じている。アップルやエヌビディア、AMDが上昇。
一方、アマゾンやネットフリックス、ズームビデオが下落。テスラも続落。
アドビが上昇。3-5月期(第2四半期)決算を発表しており、1株利益は
予想を上回った。クリエイティブおよびデジタルメディア部門の業績が好調。
ヨガウエアのルルレモンが下落。2-4月期決算を発表しており、1株利益、
売上高とも予想を下回った。オンライン販売は2倍近くに急増したものの、
店舗閉鎖の影響を穴埋めできなかった。
レンタカーのハーツ・グローバルが急伸。同社は破産法11条の適用を申請、
経営再建を目指しているが、このところの株価上昇の機を捉え、最大10億
ドル相当の新株発行増資を破産裁判所に要請している。
天然ガスのONEOKが商いを伴って4日続落。1株32ドルで2600万株
の増資を発表した。調達した資金は債務返済や設備投資に使用するとしている。
サウスウエスト航空も上昇。きょうはアナリストの投資判断引き上げも伝わっ
ており、「買い」に引き上げた。
アパレルのPVHが下落。2-4月期(第1四半期)決算を発表して、1株
損益は予想以上の赤字となった。ガイダンスは公表しなかったものの、パンデ
ミックの影響はかなり続くことが予想され、第2四半期の売上高の減少は第1
四半期よりも厳しいとの認識を示した。
https://fx.minkabu.jp/news/147570
4.NY市場、原油先物7月限/金先物8月限 各結果(6/12)
NY原油先物7月限(WTI)
1バレル=36.26(-0.08 -0.22%)
NY原油の期近は小幅続落。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が
前日比0.08~0.06ドル安。
その他の限月は0.46ドル安~0.03ドル高。
米国の一部の州で新型コロナウイルスの流行が拡大していることが引き続き
嫌気された。石油需要の回復見通しが曇っている。従来のパンデミックの
中心地であるNY州では新規感染者が減少傾向にある反面、カリフォルニア
州やテキサス州、フロリダ州、ノースカロライナ州などで新規感染者が拡大
している。
前日大幅安となった流れを引き継ぎ、時間外取引序盤に7月限は34.48
ドルまで下落したが、その後は売りが一巡し下げ幅を消した。
プラス転換すると通常取引序盤には36.99ドルまで上昇。ただ、上値は
重く、マイナス圏に押し戻されて引けた。
https://fx.minkabu.jp/news/147573
NY金先物8月限(COMEX)
1オンス=1737.30(-2.50 -0.14%)
金8月限は反落。新興国を中心に新型コロナウイルスの流行が強まっている
事で世界経済の回復期待が曇っているものの、前日に急落した米株式市場の
下げが続かなかったことから金は売りに押された。ドルインデックスが続伸
したことも重し。
https://fx.minkabu.jp/news/147571
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