防災士でもある私だが、一番恐れているのは、地震でも洪水でもなく、ビル火災に遭うこと。
階上にいて、階下が火元だと、逃げることができないから(非常階段が唯一の頼りだが、非常階段が火元に近い場合もある)。
一応、より上に逃げる方向があるが、それは熱せられたフライパンの上にいるようなもの。
9.11の世界貿易センタービルでのように、焼死を避けるのに飛び降りるしかない(もちろん墜死)。
ということもあり、本日の防災の授業では、部屋から脱するためのロープワークを実習した。
ただ強いロープがあるだけではだめで、体を結ぶ絶対ほどけない「もやい結び」を体に覚えさせた(頭で理解しても忘れる)。
もやい結びは山をやる人間と海をやる人間にとっては必修なのだが、それ以外の人にはほとんど知られていない(知っている学生に出会ったことがない)。
旅行好きな私は宿泊先での火災に備えて、20mの頑丈な(耐荷重数百 kg)ロープを旅行バッグに常備している(二重にして10m用として1階下に繰り返し下りるために使う)。
私のようにロープを常備している人は稀なので、頑丈な紐がない場合として、シーツを裂いて結ぶ方法も伝授(ホテルニュージャパン火災時にこれで助かった人がいた)。
なにしろビル火災は、下に下りられず、上に行っても死を待つばかりだから(屋上へは施錠されて出られないこともある)、側面の窓から脱出するしかないのだ(飛び降りずに)。
こんな実習の日に、京アニで悲惨な放火事件が起きてしまった(やはり屋上へは施錠されていたのか)。
密室での火災がいかに恐ろしいかは、4年前の新幹線放火事件に遭遇して(放火者と同じ車両にいた)実感している。
あれもガソリンだったので、目の前で爆発的にオレンジの炎が拡がり、2号車に避難している間に黒煙と熱風に追いつかれた(260kmで走行している車内)。