食糧を得られることに感謝する「収穫祭」は、人類普遍の第一の祝い事たるべきだ。
我が国では「新嘗祭」なるものがあったが、いつのまにか「勤労感謝の日」とやらになってしまった。
すなわち我が国から大事な収穫祭が消された。
かくなる上は、海の外からもってくるしかない。
うれしいことに日付変更線のおかげで、我が国が真先に祝える収穫祭をゲットした。
ボジョレー・ヌーボーである。
フランスのボジョレー地方のワインの収穫を、縁もゆかりもない日本で、数時間先取りして祝ってしまおう。
どこであろうと酒は祝うために在るのだから。
私は「ハロウィン」なんぞには冷淡だが(同趣旨の行事はお盆があるから不要)、”収穫祭”はなんとしても挙行したい。
とにかくワインの新酒を味わいたい。
別に日本酒の”荒走り祭”だってかまわないのだが、その祝いが存在しない。
だから、酒そのものの祝いを代表した今日の収穫祭こそ、ぜったいに外したくないのだ。
この日ばかりは、いつもの安いテーブルワインの数倍の値段にも躊躇しない。
今年は、ミディアム・ボディのちょっと渋めを買った。
ヌーボーらしいライト・ボディだと簡単に一本空けてしまう。
人類にとって、酒は所詮”薬物”の一種なのだから(酔うと人格が変わる人がいるように)、親しみながらも慎重さを失わずにつきあいたい。
とういことで、乾杯