今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

本の”自炊”始めました

2011年09月28日 | 生活

iPadを電子書籍の閲覧に使わないと、図体のでかいiPodtouchでしかなくなる。
iPadの大きさと重さがプラスの価値を持つのは、電子書籍の閲覧に使ってこそ。
分厚い専門書群がことごとく、iPadで読めるのだから。

ただ電子書籍の流通量はまだまだ少ない。
とりわけ専門書(分厚く、高価)は皆無に近い。
そこで自炊ですよ。

”自炊”とは、紙の書籍を分解して、自分で電子書籍化すること。
この作業には、紙を次々とpdfファイルにしてくれる”ページスキャナ”というマシンが必須。
私は富士通のScanSnap1500Mを愛用。
ただしページスキャナに読み込ますには、本を完全に1枚ずつの紙状態に分離する必要がある。
この作業が心理的にも物理的にもネックだった。

心理的ネックは、本が解体されることで、本として存在しなくなる覚悟。
物理的ネックは、本をきれいに分解する作業が、手ではやりにくいこと(不可能ではないがすごい手間と慎重さが必要)。

自炊代行業に頼むと、原本が処分されてしまうので、なんか喪失感があるし、自炊のしなおしができない。
自分でやれば、解体した本は残るので、必要なら再書籍化すればいい(専用の器材が必要だが、勤務先にある)。
それで心理的ネックはなんとかなる。

物理的ネックの解決には裁断機が必要。
本を一度に裁断する機械がいいかと思ったが、ネットで調べたら、オフィスにあるような数十枚分の普通の裁断機でいいという。
その分工程が増えるのだが、手間としてはたいしたことないという。むしろでかい裁断機を購入・保管するデメリットがあるという。
この情報を得て、気が楽になり、さっそく本の表紙と裏表紙を引きはがし、
さらに数十ページごとに本を手で分解したあとは、
それらを共同研究室の事務用裁断機をつかって、カットする。
その後は、ページスキャンであっという間(というほどではないが)に、電子書類に早変わり。

これらを自分用のネットサーバーにアップしておけば、
家や職場、あるいはネットにつながるどこからでもiPadにダウンロードできて、
その場で閲覧できる(いわゆる"クラウド”的使い方)。
すなわち、読んでいる本以外はiPadにいれておく必要もない。

自炊した電子書籍は、ただ閲覧するだけに終わらない。
ソフトによっては、色の線を引いたり書き込みもできる。
さらにパソコンで開けば、書籍内どころか書籍間の単語検索ができるので、文献研究そのものが可能。
つまり電子書籍をデータベース的に使える。
研究者にとってはこのメリットが大きい。

裁断した元”本”は、再電子化(やり直し)する可能性がある間は、
ページ順に綴じた状態で、段ボール箱に保管しておく。
それががなければ処分していい。
少なくとも本棚にはどんどん空きができる。

一度しか読まないような小説などは、自炊作業までして電子化する必要はない。
何度も参照するような価値の高い本や、屋外など外出先で参照したい本(図鑑など)、
重くて持ち歩きたくない本などが電子化に向いている。

あと小さい活字の昔の文庫本も、老眼気味の私は電子化して拡大して読みたい。