今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

”防災士”誕生

2008年08月29日 | 防災・安全
先週末に受験した資格試験の合格通知が来た。
実は「防災士」になるための試験だった。
これで私も晴れて「防災士」

「防災士」とは、NPO法人日本防災士機構(←リンク)が認定する民間資格で、市民の側から防災力を高める役割を担うために作られた(特別な権利・義務はもたない)。
以下の3つを満たせば取得できる。
1). 3日間の朝から夕までの「防災士研修講座」を受講。
東京の8月の講習は毎週第1,2,4土曜だった(通常は週末の3日間)。
内容はあらゆる自然災害の知識と、防災の知識、避難所設営のノウハウなど。
ネットで申込できる。
費用は防災士試験の受験料・登録料込みで61000円。

2). 消防署など公的機関の主催する「救急救命講習」を受け、その認定証を取得する。
内容は心肺蘇生法とAED(除細動器)使用法と止血法。
これは防災士研修講座とは別個に受けなくてはならない。
講座を申し込んだ時点で、東京の7,8月の講習はいずれも満員だった。
名古屋の方で幸い1名のキャンセルがあって潜り込めた。
費用は1400円くらい。

3). 研修講座の最後に実施する試験を受けて、30問中21問以上の正解を取れば、合格となる。
試験は合否ラインが低く、内容も難しくないので、講座をきちんと受ければ問題ない(試験勉強はそれなりにした方がいいが)。

つまり、「防災士」の資格を得るのは時間もかからず難しくもない。
機構側は、できるだけ多くの人が「防災士」となることを期待しているようだ。
確かに、防災意識と技能の高い人、また災害時に被災者やボランティア以上の働きをしてくれる人は多いほどよい。
また、自分と周囲の身の安全を高める知識・技能の習得が不必要と思う人は、少なくとも自然災害の多いこの日本にはいないはず。
つまり誰でも防災士になってしかるべきだし、まったく関心ない人もいまい。

ではなぜ、私が防災士になりたかったかというと、
実は、つい先月まで「防災士」なるものの存在を知らなかった。
7月6日、青森朝日放送のヘリコプターの墜落事故があり、同乗していたそこのアナウンサーも死亡したのだが、そのアナウンサーは「防災士」の資格をもっていたという報道があって初めて、その存在を知ったわけ(事故は船上火災の取材中)。

もともと自分は気象予報士として、大雨や強風などの気象災害には関心があった。
ただし気象庁は気象災害だけでなく、地震や火山、すなわち自然災害全般に関しても情報を提供する所なのだ。
それに対し気象予報士は気象情報を分析・提供するのが限度で、災害そのもの(とりわけ地震・噴火など気象災害以外)に関しては手が出なかった。

その一方で、小笠原流礼法をやっていて、作法の第一原理は身の安全であることを知り、日常の安全確保に心を砕くことが武士の平時の構えであることを身をもって知った。

そして、自然災害に備えて安全を確保する、という構えを実現するものこそ、「防災士」であったわけだ。
だから、その資格の存在を知って、自分が「防災士」になることは”必然”であると思い、日本防災士機構のサイトを一読して、二もなく受講を申請したわけだ。
それが今日、実現した。
これで私自身が次の段階(ステージ)に移ったことになる。

2ヶ所の豪雨

2008年08月29日 | お天気
28日の昼は豊橋に豪雨が見舞ったが、深夜になると名古屋周辺と南関東の二ヶ所に豪雨が集中した。
特に愛知の方は、豪雨域が停滞したため、死者を含めた大きな被害をだした。
雷を伴ったというので、背の高い積乱雲が、次々と発達していたことがわかる。

29日午前0時の状態を衛星画像(写真)でみると、東海と関東に、南向きのくさび型の白い領域がある。
この形の雲は「テーパリング雲」といって、強い上昇流による巨大な積乱雲が停滞しているもので(くさびの先端が風上)、この下ではとんでもない事態になっていることを示している。

この雲は、空気の収束によって起きる。
すなわち、南西風と南東風が濃尾平野、関東平野でそれぞれ合流し、そこで上昇(空気は合流すると上昇する。テレビの解説図だと空気は本州上陸後”発散”してしまう)。
一方、上空には寒気が入っているため、上昇はどんどん進み、成層圏に達する巨大な積乱雲となった。
昨晩の東京区部の小粒で消長の激しい積乱雲と違って、巨大で停滞する(正しくは次々と世代交替する)。
なので、「短時間強雨」(ゲリラ豪雨w)ではなく、被害をもたらす「長時間豪雨」となる(今回は2時間程度で済んだ)。
両者を見分けるには、衛星画像と風の分布をチェックする。
いずれにせよ強雨・豪雨の場合、中小河川の合流点近くや、河川沿いの低地、および傾斜地は要注意。