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今日こんなことが

私は「はてなブログ」に引っ越しました。
こちらは過去の記事だけ残しています。またコメントも停止しています。

義援金の募金先に迷う

2011年07月03日 | 東日本大震災関連
ボーナスをもらった身なので、多少なりとも被災地に義援金を送りたいと思っているのだが、
募金先に迷っている。
3月にまっさきに募金した「日本赤十字社」には失望させられたので、ここは除外したい。
「日本ユニセフ協会」はもとより対象外(理由は知る人ぞ知る)。
とにかく公益法人は天下りのお役所仕事でダメ。

かといって、わけのわからん民間団体も「詐欺」と区別しにくいのでパス。
むしろ、各県の受付窓口に直接送った方がまだ”まし”なのだろうか。
「まし」というのは、もちろん、配布を少しでも”早く”配布してくれるかということ。

いくら我慢強い東北人だからといって、もう限界に達している。
自殺者まででているのだ。
税金なら公平に使ってほしいが、義援金はすぐに渡してほしい。

除染効果が確認された

2011年06月26日 | 東日本大震災関連
このブログで以前(たとえば5月4日の記事)から指摘したように、アスファルトやコンクリなどの硬い路面での除染は、
ブラシや高水圧による力技での除去が効果があることが、福島県での実証実験で確認された(やっと今になって…)。

なので、福島のみならず、路面の線量が高い栃木の那須地方(特に黒磯)でも、実践されるといい(すべきでしょ)。
ただし住宅周囲の除染の場合は、道路よりも屋根まわりから先に始めた方がいい。
もちろん、水滴を吸入しないよう、マスクは必須(できたらゴーグルも)。
学校のプールが住民の間で問題になったのもこの掃除の問題であり、注入した水の事ではない。
(テレビなどでは、放射能について、いまだ勘違いした発言をする人が登場するので要注意)

土壌の除染はゼオライトを散布するのが一番だろう。
ただ、ゼオライトの配布と回収は、自治体が担当すべきだ(特に回収先)。

わが名古屋宅にも、飯舘村から取ってきた土にヒマワリの種を植えた。
今、芽が5cmほど伸びている。
ヒマワリのセシウム吸収効果を調べた後、ゼオライトを撒いてさらなる吸収効果を確認したい。

那須岳の放射線量

2011年06月20日 | 東日本大震災関連
那須の温泉に一泊してきた。
前回の那須(日帰り)は、標高100mごとの計測に徹したので、
前回やり残した、温泉旅行と那須岳(茶臼岳)登頂(計測のため)を果たしてきた。

泊まった宿は、「休暇村那須」で標高1230m。
天気が心配だったが、翌朝は晴で、眼下には雲海が那須野を覆っている。
梅雨の合間の絶好の登山日和だった(山の上は強い日射で、γ放射線より紫外線の”被曝”の方が気になった)。

さて、今回の計測のテーマは、「放射性物質は那須岳を越えたか」。
群馬の山の上もそれなりの値を示したことから、放射性物質は空高くまい上がり
関東の関門として立ちはだかっている活火山・那須岳(1915m)を越えたのかもしれない。

そこで、今回の計測は、放射線の人体への影響度ではなく、
物理的な量を比較したいので、計器が直接測っている CPMの単位にする。
ただし、 CPMは最低でも10分間測って10で割った平均値を出すべきなのだが、
計測地点ごとに10分間計器を1mの高さにかかげ続けるのがつらいので、最小計測単位の1分間の結果である。
またわが計器の CPM値に、他機種のμSv/hへの変換係数0.00833を当てはめると高すぎる値になるので、
μSv/h値はその単位で再計測した(わが計器もμSv/hへの変換はセシウム137を前提としているのだが)。
計測時の地面高は1mである。

●休暇村バス停1230m:97
●休暇村奥の「小丸山展望園地(写真)1250m:127(0.25μSv/h)…人があまり行かない=値は高め
●ロープウエイ下駅の外1390m:123(0.5μSv/h)
●ロープウエイ上駅の外1685m:149(0.35μSv/h)…樹林限界より上
●茶臼岳山頂1915m:104(0.25μSv/h)…岩屑地(火口からの噴出物には放射線はほとんど検出されず)
放射性物質が地面に堆積しているか確認するため、山頂で1cm高で測ると151(0.5μSv/h)に上がった=多少堆積している
ちなみに小丸山園地の1cm高は496(2μSv/h)もあった=ずいぶん堆積している
※地上1cmでの測定はγ線のほかにβ線も測定されるため、堆積が多いほど大幅に値が増えるが、β線は履物で防御される。

ついでにさらに下の地点の1m高の値は
●鹿の湯の外(前回と同じ場所834m):166(0.45μSv/h)…入浴した。やはり那須に来たらここに入らないと。休暇村は温泉でも単純泉の塩素循環だし。
●黒磯駅前(郵便ポストの後ろ):387(1.2μSv/h)…相変らず高い。

以上から、山頂にもある程度放射性物質が達していることがわかった。
ロープウエイ上駅が高かったのは、せり出した台状のためかもしれない。
ただ、標高が低い方が値が高いという前回の傾向は、山頂から麓までを通して全体的に維持されているので、
放射性物質は山から麓に降りたのではなく(そうであるなら山の上の値はもっと高いはず)、
日中の谷風で下から山へ吹き上げられた可能性が高い。
また、一定の高度に高濃度帯があった形跡は見出せなかった。

以上から、那須に関する限り、山は放射性物質の周囲への飛散元ではないといえる。

線量マップの次は

2011年06月18日 | 東日本大震災関連
自治体レベルでの線量マップ作成がやっと始動。
ではマップができたら次にどうする。
当然、特定基準以上の地点の除染。
ところが、汚染土壌の処理は、国は基準を設けるだけで、処理自体は自治体に丸投げしてきた。
高濃度の汚染に曝され、人も予算も払底した福島県の各自治体・住民は、唖然としただろう。

でも唖然としている暇はない。
できるだけ早く除染に着手すべきだ
(不要な物をそのままにしておく法はないということで、あらゆる場所で危険が切迫しているという事ではない)。
集積後の廃棄物処理は、国策で原発を推進してきた国に責任を取ってもらおう!

また、自分の居住地近くの線量が公表されたことで、放射性物質の線量に対する関心が再び高まることだろう。
今一度、きちんと勉強したい人には、下記のサイトをお薦めする。
放射線治療への不安にお応えします」(厚生労働科学研究班)
本来はこのタイトルの内容だが、原発事故以来、その問題も扱っている(ただし専門用語のままなので解りやすくはないと思う)。
広い意味で国の機関だから信用できないと感じる人がいるかもしれないが、
原発推進機関(経産省)とは無関係の医療機関(厚労省)であり(放射線医療の推進側ではあるが)、
放射線と健康に関する情報は、まずは放射線医学の専門機関から得るべきである。
ただ、「放射能は無条件に怖い」以外のメッセージを受けつけない人には無理。

3ヶ月経ってこの状況

2011年06月15日 | 東日本大震災関連
震災から3ヶ月経って、津波被害の地はまだガレキの山、「とりあえず使って欲しい」と送られた義援金は溜まったまま。
何もできない総理が、何かやるまでやめないつもりで意地張っているためか、迅速で的確な対応ができない。

そんな中、自治体レベルで放射線の線量マップ作りがやっと”始まった”。

放射能汚染が拡がったら、まずは汚染マップを作る。
これが、住民の健康を守る側が第一にすべきことなのに。
3ヶ月後とは…。
何億かかったらわからない”SPEEDI”はまったく役に立たなかったし。

その間、多くの人が高い金を払って、線量計を購入せざるをえなかった。
そのおかげもあって、民の力で先に線量マップが作られている。
そして、自治体の一箇所だけの発表より、値が高い所が続出していた。
私のブログでは、地面からの高さや路面の違い、標高の違いなど、より詳細なレベルが問題になっている。

この震災を通して、われわれは国や自治体には頼れないことを痛感した。
でもこれは悲観することではないのかもしれない。
国民が自分たちで問題解決できる力をもってはじめて、真の民主主義が実現するのだろうから。




放射性物質観測網(SLOWLY):各地の線量マップを次々リンク

2011年06月11日 | 東日本大震災関連
震災から三ヶ月。自治体がようやく学校など網羅的に測りはじめた。
そして民の力で地域の線量マップが続々作成されている。
この線量マップこそ、国がやろうとしなかった、一番重要な実態データ。
これらの線量マップのおかげで、このページもますます充実。
読者のみなさんには、マップのリンク情報をお願いします。
※このページは通常のブログ記事とは異なり、情勢に応じて更新していくので、過去にいただいたコメントは適宜整理させていただきます

福島第一原発:すべてはここから
ライブカメラ(東京電力):値が高い事務本館南側から(手前から1号機~4号機の順)。日の出-日没の間、1時間ごと更新。
敷地内モニタリングポスト(東京電力):pdf。 敷地内モニタリングポストの値。やたら値が高いのは原子炉に一番近い「事務本館南側」(緩い日周期が見てとれる)。10分間隔の値。9時、15時、21時、23時50分の4回更新。やっっと正式な敷地図も加わった。
放射線モニタリング情報(文部科学省):汚染マップなど。
現地の天気予報:今日明日の3時間ごとの天気と風向きの予想(気圧配置による予想なので、地形による海風は考慮されていない)。
SPEEDI:緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムの予測計算結果(ヨウ素と希ガス)pdf
飛散シミュレーション(気象庁):英語(日本国民にはできるだけ見てほしくない?)。もちろんシミュレーションだから”実測値ではない”ことは忘れないように(予想天気図のようなもの)。

福島県
原発周辺狭域(福島県原子力センター):原発の周囲の観測網。3月12日を最後に全域配信停止中
原発周辺広域(文部科学省):1地点に1日2-3回の測定。更新は1回/日。
各地(福島、郡山、いわきなど):「県内各地方 環境放射能測定値(第nnn報)についてNEW!を選択。pdfでリンク。更新間隔は1時間。これ以外にもさまざまなモニタリングデータが満載。水道水(福島市)の値リンクあり(各pdf)。携帯版有り(直リンクなので迅速に閲覧できる)。
水道水:福島市は↑のサイトの中、郡山市(豊田浄水場)
住民線量評価システム(放射線医学総合研究所):3/11以降の行動を入力すると被曝積算量が算出されるシステム(周辺住民用)。5/20公開予定だったが延期中。
東北南部の風向(アメダス実況):1時間ごとの実況。ただし原発に最も近い「富岡」は測定不能。

茨城県:関東で唯一原発のある県なので、情報量が多い。
県北(北茨城・高萩・大子・鹿島):やっと鹿島が追加された。測定間隔は10分と高頻度だが、ページの更新は毎時30分頃。。
県央(日立・ひたちなか・鉾田など):本来は東海村の原発用なのですごく細かい観測網。10分間隔。更新も迅速。風速・風向もある。携帯版有り。「ひたちなか市那珂」「久慈」と「鉾田市樅山」が周辺より高い値を維持している。水戸の経時グラフ(文科省)
県南(つくば):3階と地上の2ヶ所。1時間間隔。平常値(0.06)を差し引いた増分値。放射性物質(核種)の詳細な分析も。夜間の更新を休止するのが難。携帯版有り。
水道水(水戸・東海村・太田):pdf 日1回。水戸と太田は浄水場、東海村は一般家庭
関東の風向(アメダス実況):北寄りの風なら関東は高くなる

栃木県
各地(那須、宇都宮、小山など):ここは設置場所の地面からの高さが不揃いなのが問題だったが、設置場所の高さを公表し、さらに各地の地上50cmの値も加えた。また同じページに、風向・風速を伴った過去の値一覧、水道水蛇口と降下物での放射性物質の測定もある。宇都宮経時グラフ
那須町+県北地域放射線量マップ:小中学校を中心に個人計測も加えた線量マップ(個人作成)。
県北・県央の学校線量マップ(県):地上50-100cm、更新は月一回? マップ化したのは個人(色の分類基準が効果的)。

群馬県
前橋・桐生:1時間ごと。前橋の積算値もあり。水道水蛇口・降下物の値はページの下方。経時グラフ
高崎市:現在値のみ。過去の値はpdf(原研地のみのグラフ)
群馬広域線量マップ(個人で計測):100cm、50cm・地表の値(γ線のみ)。距離的・地形的に群馬は安心だと思っていたら、そうではなかった。前橋・高崎の値だけ見て安心してはならない。

埼玉県
さいたま市:1時間間隔。水道水・降下物の値(1日間隔)はページの下方。経時グラフ
水道水:県営浄水場(さいたま・越谷・行田・三郷)川口鳩ケ谷秩父の各市の検査値も県のページにリンクするらしい。

東京都
新宿区(東京都健康安全研究センター):1時間ごとの集計値(ページ更新は毎時15分後)。経時グラフ。いろいろな情報が得られる上位階層のページ
本郷・駒場・柏(千葉)(東京大学):一部は昼のみ。都内でも本郷>駒場という地域差がわかり、1県に数ヶ所あった方がいいことがわかる。
大気中の核反応生成物の測定結果(都産業労働局):pdf.つくばと同じ放射性物質の分析。
水道水(新宿の蛇口)
浄水場(金町・朝霞・小作)(水道局):「水道水の放射能測定結果について」。
日野市(ナチュラル研究所):シーベルトではなく CPMという物理量による。増減傾向が経時グラフで見やすい。グラフの見方の FAQあり。
文京区(個人サイト):上と同じ機器による。

千葉県
市原市(県環境研究センター):1時間間隔。水道水蛇口・降下物の値はページの下方。経時グラフ
柏市(東大キャンパス):昼の3時間間隔。都内のと同じサイト
水道水(各地の浄水場):千葉市周辺北千葉広域(北西部)九十九里地域(東金・茂原など)南房総(安房・夷隅)鋸南町

神奈川県
川崎・横須賀の10分間隔実況:こういうサイトが必要GJ!
川崎・横須賀・茅ケ崎:1時間間隔。茅ケ崎の経時グラフ
水道水:県衛生研究所1日一回更新。県営水道の値はここからリンクpdf。

宮城県
各地(仙台、岩沼、白石など):「環境モニタリング情報」のpdfファイル。更新は日に一回。携帯版有り。宮城は今、原発どころではない。
仙台市内の線量マップ:市内の学校での値(幼保小は地上50cm、中は100cm)+栗原市(個人作成)。観測地点は今後も充実される予定。
栗原市:5/20より開始。市内5ヶ所。一日3回の値を毎日14時に更新
女川原子力発電所:発電所(福島第一原発の北東116km)は停止中だが、モニタリングは継続中。6ヶ所の数値とトレンドグラフ。10分間隔。更新も早い。一部値が高いのは、福島原発の影響らしい。
東北南部・新潟の風向(アメダス実況):1時間ごとの実況。ただし原発付近は地震被害で測定不能

山形県
山形・米沢:現在までの最小・最大値はページ内。1時間ごとの値はpdf(当然ながら山形<米沢)。降下物の値はページ内。水道水蛇口の値

新潟県
各地(新潟、長岡、上越など):1時間間隔。
柏崎市内の数ヶ所:福島第一原発の真西212km。

いまだ線量を基準にしない…

2011年06月09日 | 東日本大震災関連
政府は、原発からの”距離”を基準に避難区域などを決めたままで、
実際の線量はまったく無視したままでいる。
そのため、線量が充分低いのに、区域内にあるため、まともな活動ができない企業があり、
一方で、線量が高いのに、区域外にあるため、避難に関する補償が出ない家庭がある。
自らの政策と矛盾するため、もともと線量など公表したくないのだろうが、
線量を無視しつづけることは無策以外の何ものでもないことは明白だ。
われわれが各地の線量を問題にしても、国は何もしてくれないことはわかった。
国民に損害を与え続けて平然としているのが当の政府だとは、なんと悲しい事か。


放射線被曝を積極的に避ける方法

2011年06月05日 | 東日本大震災関連
放射線がなかなか減らない所は、
漫然と座していないで、放射線被曝を積極的に避ける方法を実行しよう。
線種別に対策を紹介する。

①γ線
空気中に飛び回るγ線を防ぐ事はできない(防護服も貫通する)。
だから空気中のγ線測定が最優先されるのだ。
唯一の対策は屋内退避のみ。
ただ今やその線源は遠い原発というより、足元の地面である(なのでなおさら屋内退避が効果的)。
地面の除染をすれば、屋外での被曝を減らすことができるはず。

土の除染法はすでにマスコミでも紹介されている。
ただ、ヒマワリやゼオライトを使った”吸収”による方法は、セシウムの凝縮的移動にすぎないので、
最後に”廃棄物処理”の問題が発生する(これが原発問題の本質)。
これは個人では解決できないので、自治体ひいては国が責任をもって管理・指示すべき。
そうしないと不法投棄が横行し、再拡散されてしまう。
そのためには、動いてくれそうな人が総理でないと…。

土より値が高い舗装路面(毎日通る)の除染をどうするかが問題。
台風くずれの大雨でも洗浄効果がないようなので、まずはブラシなどを使って力強く洗ってみてはどうか
(これも希釈的”移動”にすぎないが)。
それ以外の有効な除染法を皆で考えたい。

マスコミは今ごろプールの問題を扱っているが、このブログではその議論はとうに終わっている。
ブログのコメントを通して、住民の問題意識が最も進んでいるのを痛感する。
それを議論していきたい。


②β線
私の計器も他の計器もともに正確ならば、その差はγ線以外の放射線量による。
地表が空気中よりぐんと高くなるのは、新たにβ線が計測されるためでもある
(ヨウ素とセシウム類はγ線のほかにβ線を出す)。
β線は直接触れることで被曝する(今回の事故でも建屋での被曝例あり)。
なので、地表からのβ線は履物を履いている限り問題ない。
地表から空気中にも飛ぶが、衣服レベルで防げる。

この夏、安心してスーパークールビズを謳歌したいなら、
まずは足元の放射性物質を減らそう。
値の高い所の地表には素手で触れない方がいい。触れた場合は手を洗う。

③α線
α線は上の放射線より10倍も破壊力がある。
ただし飛ぶ力がないので、体内に吸収しない限り問題ない。
空気中には飛ばないと思うので、線源がある密閉空間でない限り吸入の心配はない。
ちなみに石造りの家に住む欧米では、室内の石壁から出るラドンガス吸入による肺内でのα線被曝の問題が発生しており、
それをチェックするための室内用ラドン測定器(アメリカ製)を私も購入している
(日本は核アレルギーと安全神話が同居しているためか、民生用の放射線測定器がない。
それどころか多機能気象計すらない!)。
もっとも日本の家屋ではラドンガスの心配はなく、私も別の目的。
ちなみに東京宅のラドン濃度はたった 20ベクレル/m3(世界平均は46)。

あとは経口摂取だが、地表に触れた手で、そのまま口元を触ったりしないこと。

④内部被曝を事後的に減らす方法
半減期30年のセシウム137は、体内では、排出もされるので実質半減期は90日ほどだという。
ただ足下に線源があれば、なにかの拍子に内部に取り入れるおそれもある(γ線はずっと浴び続けているし)。
積極的に減らしたいなら、有効性は確認できないが、ゼオライトの溶液を経口摂取すると、尿中からより多く排出されるという。
あちこち放射線を測りに行き、最高200μSv/hを左手に浴びた私も、
一応、「ゼトックス」という製品を購入して、
飲料を飲む前に口内にスプレーしている。

那須・黒磯の放射線測定結果

2011年06月04日 | 東日本大震災関連
地元にお住まいの読者の田園パパさんに車を出してもらって、半日を使って那須と黒磯地域の放射線測定をしまくった。
もっとも、この地域はすでに学校や個人の計測値が公開されて、線量マップ化されているので(わが SLOWLYにリンクあり)、
その補助の意味でしかない。

私としては、まず那須岳中腹のできるだけ高い地点から黒磯駅までの高度分布をみたかった。
次に、空気中だけでなく地表に堆積した放射性物質に注目すべきなので、
同一地点での空気中(標準ちとしての地上100cmと栃木県で統一して測られている地上50cm)だけでなく、
地表(指の隙間分としての地上1cm)の値も計測した。
さらに地表面(土、アスファルト)の違いにも留意した。

その結果、既存のデータよりかなり高い値となった。
これに驚き、恐れ、あるいは納得しかねる人も出るだろう。
なので、結果に接する前に、測定誤差の可能性に言及しておく。

私の計測器はアメリカ製の Inspector+というGM(ガイガーミュラー管)式のガイガーカウンタで、
α線・β線・γ線・x線の放射線全域を測るため、γ線のみの計器よりは値が高くでる可能性がある
(ただ飯舘村で最高値を示す長泥地区での計測では、モニタリングポストと同じ値だった)。
またラドンなど原発由来でない自然放射線も一緒にカウントされる(那須温泉にはラドンは含まれないが)。
ということで、もともと高めに出ることをご承知おきねがいたい。

ついでに、この計器の特徴として、センサー部の直径が5cmと大きく、それだけ感度が高い。
また測定精度は0.001μSv/h(1nSv/h)と細かい。
ただ、感度と精度が良すぎるため、空気中の測定においては、微細な気流のゆらぎによって値が安定しにくく、
安定した平均値を出すには、本来なら長い測定時間を要する(地表の測定の場合は、ゆらぎが少なく安定的)。
今回は測定地点を多くするため、一回の測定時間を短くし、その際あえて高めの計測値を採用したので、値の誤差が存在している。

凡例: 地点名(標高m):測定値(地表からの高さ)で表示する。
測定値の単位はμSv/h、地表からの高さはcm、地表面の情報として舗装面(舗)、土面(土)など文字を追加。
100・50cmの測定箇所は、地表の測定箇所の真上である。
測定地点ごとに計器のスイッチをリセットして、前の測定地の影響を排除した。

まず、那須塩原駅から那須温泉へ向かう途上にある「那須高原大橋」がかかる那珂川。
●那珂川の水面(415m):0.23(100)、0.23(50)、0.18(1) と空気中より水面が一番低かった(当然)。
ついでに
●道路から河原の下り口(420m)では、1.2(50)、5.0(1舗) 。さっそく1μSv/hを越えたことに驚いた。大きい谷地形のせいだと思ったが…

ロープウェイ起点の更に上の「峠の茶屋」まで行き、そこから”那須街道”沿いに黒磯へ下った(別荘地に立ち寄り)。週末の割には車の台数が少ないという。

●峠の茶屋駐車場脇(1432m):0.22(100)、0.22(50)、0.32(1土)
●道路脇(900m:殺生石上):0.36(100)、0.30(50)、0.25(1舗) 地表が低かった(たまにはこういうこともあるさ)
●鹿ノ湯の川沿い(834m):0.48(100)、0.7(50)、1.6(1土)  50cmの変動が大きいため下1桁のみ(以下変動が大きい場合同様)、
地表は踏み跡のない所、近くの歩道の地表では0.9(1舗)
●温泉神社(845m):0.49(100)、0.45(50)、0.8(1砂利) :近くの鹿ノ湯の”谷”と値を比較するため計測。
●道路脇(700m:一軒茶屋付近):0.55(100)、0.78(50)、2.0(1舗)
●道路脇(600m:郷土民芸館付近):0.7(100)、0.95(50)、3.1(1舗)
●別荘地(520m):0.5(100)、0.65(50)、1.2(1土)
別荘地は樹木が多く(ただし広葉樹)、谷間でもないので、周囲より値が低めではないかと予想していた。
別荘地の地表を更に2cm掘った場合、値は0.6。また別荘前の車のほとんど通らない道路や駐車場の地表は4

●道路脇(400m:日帰り温泉付近):1.05(100)、1.7(50)、8(1舗)、5.7(1芝):8μSv/hは今回の最高値。
いくらなんでも8は高すぎると思ったが、他にも5を越えた所がいくつか出たので、納得するしかないか。

●那珂川河畔公園内(約300m):0.72(100)、0.8(50)、2.7(1芝)、5.2(1舗)=遊歩道
小さい子に土いじりはさせないほうがよい。
●黒磯駅前(3/17に測定したバス停付近のベンチ):0.9(100)、1.45(50)、3.5(1舗)
3/17のここの値は9.5だったから、1/10に減ったことになる。
ついでに
●黒磯駅近くのヨークベニマル向かいの駐車場内:1.06(100)、1.05(50)、2.4(1雑草)、6.5(1舗)
さらについでに
●矢板(212m)駅1番線ホーム屋外部分:0.4 (100)、0.75(50)、2.2(1舗)、1(1土)
自分の測定経験では、矢板以北が高くなり、以南は関東平野レベルの一般的値。
●すぐ車で出発したのできちんと測らなかったが、那須塩原駅西口外も0.4(100)くらいだった。

以上から、
◎まず最近の公表値と較べると軒並み高い値だった。しかもかなり高い。
公表値を参考にして那須塩原駅での予想は0.2程度(3月17日の1/10の値)だったが、その倍だった。
私の見解では、この地は、放射線的には”福島県”に等しい(”那須”より”白河”以北の公表値に近い。つまり行政は福島県と同等の対応をしてほしい)。
地上100cmと50cmの差は、大局的には誤差の範囲ともいえよう(地上10mとの差なら意味ある)。50cmと地表の差は見過ごせないので、50cmを地表の代わりとしないように。
また地上(空気中)の値が高い所は、地表の値がさらにずっと高いという傾向は、飯舘村や浪江町の傾向と一致。
逆に地上の値が低い所は、地表の値との差も小さい。

◎地表面は、土より舗装面(コンクリやアスファルト)の方が高かったのは従来通り。
土ならセシウム類は地下に浸透するが、硬い路面だと表面に溜まるためだろう。
しかも溜まったきりで、先日の大雨くらいでは流れないようだ(同じ路面の標高の低い方向に流れた可能性はある)。
もっと力強い洗浄が必要なのか。
ただ土でも人が通らない場所(枯れ草が溜まっている)は高い場合(鹿ノ湯)があるのも浪江町と同じ。
軒下など意外に高いかも。
土は2cm掘るだけで値が半減した。

◎標高が高いほど値が低く、高度が下るにつれて値が上昇する傾向にある。
これは放射性物質の高濃度帯(遠方にホットスポットを作る「放射性プルーム」)の浮遊高度がさほど高くないことと、那須岳からのおろし風による移流効果と考えられる。
高濃度帯の高さは、福島県での濃度分布から、私は上空800m程度とふんでいた。
今回の分布では、空気中の値では、800mを境に大きく変化はしていない。
ただ、地表の堆積値に注目すれば、温泉神社の845mと殺生石上の900mの間が上限だろうか。

放射性物質がもっとも多く飛散した3月15日は、午前中は南寄りの風で、原発から那須方面への風向きだった(午後は北西側に拡散)。
つまり那須連山が障壁となり、空気が滞留し、風上側の麓に降り注いだのだ。

◎谷地形などの影響はみられず、標高の影響の方が強い。
那珂川や鹿ノ湯の谷が特に高いというわけではなかった。

とりあえず、以上の結果だけを報告しておく。

大雨と強風後の放射性物質

2011年05月30日 | 東日本大震災関連
台風崩れの低気圧によって、私の那須行きが中止されたが、
その間、この大雨と強風が、地表に溜まった放射性物質にどう影響するのか考えたい。

まず、3月21日のように、雨が上空の放射性物質を地上に降らせることはもはや無い。
いまや放射線は地面から発しているからだ。

雨は、地表を洗い流すが、放射性物質にとっては流されて移動するだけ(地下への浸透はわずかなようだ)。
強風も地表の塵を吹き飛ばすが、放射性物質にとっては吹かれて移動するだけ。

ということは、地域内に均等に堆積していた状態から、流れの下流・風下側により多く移動し、
不均衡に分布する状態に変化すると思われる。
つまり、市町村レベルの地域差の中に、さらに1メートルレベルでのより細かい線量差が発生するのである。

ハンディな線量計を持っている人は、たとえば家の周囲のあちこちの地面を測ってみてほしい。
高い所と低い所の差が出るのかもしれない(今日出なくても、今後出てくるだろう)。

これはたとえば室内でホウキの掃除がある程度進んだ、ゴミが集められた状態に相当し、
地域の放射性物質の総量が同じで、風向が一定とすると、
除染したい場所が集約されることになる(ただし、後日異なった風向の強風が吹くと、再び”散らかる”)。

もっとも、以上は単なる理屈上の予想なので、実測してみないと本当かどうかわからない。
なので実測してみてほしい。
放射線は見えないが測れる。
とにかく実測あるのみ。

※後日那須に測りに行った結果では、大雨によって舗装面の値が減った様子はなかった。土中への浸透は進んだかもしれない。

5/29-30那須・黒磯に行く

2011年05月17日 | 東日本大震災関連
ちょっと先の予定だが、5月29から1泊で那須に行くことにした。
どうせ旅行に行くなら、観光の風評被害に遭った所にしようと思ったのと、
もういちど黒磯駅前の放射線量を測りたいため。
だからガイガーカウンター持参。

旅程は以下のように大ざっぱなので、那須温泉と黒磯駅以外にも計測のリクエストがあれば、
できるだけ対応したい(ただし公共交通機関で移動)。
最近は栃木在住の方からの問合せが多いので、個人宅でもOK。

29日(日)は、那須温泉の宿にチェックイン
30日(月)は、朝天気がよければ茶臼岳にロープウェイで往復し、昼頃、黒磯から宇都宮線でゆっくり南下する予定

測る内容は、α線~X線までのトータルな放射線量(ほとんどγ線)。
測る場所は、空気中、表土、掘り起こした土中、室内、壁面など。
水中や野菜内部は不可。
また雨天では屋外での測定は不可(要するに防水性がない)。

なお、いただくコメントは公開したいので、
住所・電話番号などの個人情報は私宛のメアドを紹介するまでお待ちください。

2シーベルトだって!?

2011年05月15日 | 東日本大震災関連
福島第一原発の原子炉建屋内で、2Sv/hもの値が計測された。
前に何もつかない Sv(シーベルト)という単位が出現したことに、
原発事故としての深刻さが”本物”であることが証明され、私は暗然となった。

復習となるが、おおざっぱにいって、
nSv/h(ナノ・シーベルト)は平常値レベル、 その1000倍のμSv/h(マイクロ・シーベルト)は異常値レベル、
その1000倍のmSv/h(ミリ・シーベルト)は危険値レベル。
今まではこれで終わっていた。

今回の2Sv/h(シーベルト:mSvの1000倍)とは実際に”放射線症”という(白血病のような)放射線障害を発症するレベル。
この発症現象を、mSvレベルの「癌になる確率が増える」という”確率的影響”とは別次元の”確定的影響”(確率でいえば100%!)という。

これでは建屋内に人を入れることができない。
すなわち手が出せない。

ちなみにこの値、関東で一番高い茨城の「ひたちなか市常陸那珂」や「日立市久慈」「鉾田市樅山」(いずれも200nSv/h)の1000万倍。
関東の人が不安になる問題ではないからね。

原発事故関連のブログ記事をカテゴリー化

2011年05月15日 | 東日本大震災関連
おそまきながら、小生のブログにおける原発事故とそれに関連する放射線関係の記事を「原発事故関連」というブログカテゴリーに一括した。
記事タイトル右下(記事本文右上)の「原発事故関連」という部分をクリックすれば、同カテゴリーの記事だけが新しい順に次々表示される。
同じ放射線の記事でも個人の趣味的なものは「放射線計測」というカテゴリー(そう、私は放射線計測が趣味)、
今回の地震関係の記事は、他の話題とともに「時事」というカテゴリーにしてある。

なぜ、いまだ”警戒区域”なのか

2011年05月14日 | 東日本大震災関連
福島県内の警戒区域への一時帰宅の報を見ると、
線量の高低を無視した、原発からの”距離”一律の措置の矛盾を痛感する(これを指摘しているのは私だけでない)。
線量が1μSv/hに達せず、日常生活に支障がないのに自宅に帰れず、不便な避難生活を強いられる人がいる一方、
区域外のため、線量が非常に高くても(10~15μSv/h)平然と日常生活を送っている人がいる(外から来る人はマスクに防護服)。

政府は線量による評価ができるようになったはずなのに、いまだ事故当初の”距離”に固執しているのはなぜか。
臨機応変に改善する能力がないからのか。

ここ数日の原子炉の情報に接すると、いやな予感がする。
なにしろ、原子炉をコントロールできていなかったのだ(幸運にもコントロールしたと同じ結果になっただけ)。
このような手詰まり状況下では、
再び放射線が爆発的に飛散する可能性が、
”万が一”以上の確率で起きることを捨てきれないのかもしれない。
そういう事態になったら、確かに原発からの”距離”が問題になる。

すなわち、現在の線量ではなく、将来起こりうる事態を考えれば、
20km圏内に人を住まわせるわけにはいかない、ということか。

こう考えなければ、線量の値(住民の生活)を無視した乱暴な措置を理解できない。

避難しない人の被曝量を抑えるクールスポット化

2011年05月07日 | 東日本大震災関連
飯舘村には長泥地区のような高い線量下でもあえて避難せず、その地で暮し続ける人がいる。

避難所生活を嫌がったり家畜をおいていけないなどいろいろ理由はあるが、そもそも不便な避難所に喜んで行く人はいない。
その人たちの選択を重く受けとめたい。

まず、放射線量だけの理由で避難をしても、避難先での生活の質が劣悪であれば、身体的ストレスにより、持病が悪化し、血圧上昇などによって心臓や脳血管に重大が負荷がかかる。
また、故郷と生活の基盤を喪失した精神的ストレス(喪失体験)により、鬱病を発すれば、自殺の危険が多いに高まる。
すなわち、避難することによって、トータルな生活の質と健康が悪化し、かえって短命化することもおおいにありうる
(放射線だけが癌の原因ではない。数μSvレベルの放射線だけを特別危険視するのは非科学的)。
自主的に避難するかどうかは、このような総合的判断が必要で、居残りを決意した人はその判断の結果だと思う。
だから、重く受けとめたい。

避難せずに今の環境下で被曝量をできるだけ下げるにはどうすればいいか。
一番簡単な方法は”屋内退避”。
たいていの人は一日の2/3は屋内にいるので、被曝積算量も屋外の合計値よりはだいぶ低い。
もちろん実際の被曝積算量はガラスパッチなどを付けてきちんと検査すべき。

最善策は、一番近くで放射線を大量に発している地表面を除去すること。
浪江町での地表面が220μSvの所で3センチ除去すれば地上(20μSv)以下になることがわかった。
さらに厚く除去すれば、事故前の本来(バックグラウンド)の0に近い値になる。
そうすれば地上の値もぐっと低くなり、もちろん室内もさらに低くなる。

ただし村内のすべての地表を除去するのは、労力と運び先の理由で現実的でない。
そこで、次善の策として、人が暮す場所の周囲だけに除去を絞る(吸着剤を併用すればより効率的かもしれない)。
除去した土の運び先が自分の敷地内であれば、そこに今の時期なら茎の長い「ひまわり」を植えるとよい。

残土を置く敷地がない場合は、
さらに次善の方法として、土壌の上下を入れ替える。
鍬で地面を掘り起こして元の地面を覆うようにすればいい。
これなら通常の畑仕事と同じなので、体の動く人なら誰でもできる。
戸別に作業できて、大規模な動員も重機もいらない。
老齢世帯などに若干の協力が必要なくらいだろう。
ただし以上の作業は、マスクと線量の高い地域では防護服着用のこと。
とりわけ足回りは厳重に。

一番いけないのが、放射性物質が堆積した土地を放置したままにすること。
これは高線量状態を放置していることになる。

あと意外に高かった私道のコンクリート路面は、強い放水などで表面にくっついた放射性物質を洗浄し
(自然の雨ではあまり効果なさそう)、希釈化するしかない。
作業順でいうとこちらを最初にやった方がよい。
壁面は空気中よりも低かったので、屋根や壁面の付着分はすでに雨でかなり洗い落とされたようだ。

屋内は、玄関内に入るだけでもかなり値が低下した。
扉や窓ガラスのない牛舎内でも家屋内並に低かったので、
これらは密閉効果ではなく、地面の影響を受けていない純粋な空気中の値といえる。
地面の値を極力下げれば、屋外でもこの値に近づくということだ。
長泥地区の各家の周囲も今の役場付近の値なみに下ることも夢ではない。

このように自分の家の周囲だけに実現する線量の低い空間を
ホットスポットに対抗して「クール・スポット」呼びたい。
クールスポットが増えるほど、地域全体の線量も下る。
ただしあちこちのクールスポットの間には、線量の高いままの土地がホットスポット的に続いているので、
移動は徒歩ではなく車にする。

とにかく、工夫と努力で線量を下げることは可能である。
しかも早急にやるべきだ。
やらない理由がない。