博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『小説吉田学校』(映画版)

2007年11月24日 | 映画
よもやこの作品が映像化されているとは思いも寄りませんでした。うっかり映像化すると、作品中に登場するご本人やら遺族からのクレームがもの凄い勢いで来るんじゃないかと思っていたので…… 

1983年公開の角川映画で、原作小説のエピソードの中で序盤の吉田内閣による日本の講和独立と、三木武吉による吉田内閣打倒をメインに扱っています。

原作ではこのあたりとか、鳩山内閣の日ソ国交回復のあたりが一番面白いんだよなあ。映画でも池田勇人が吉田茂から日本の独立交渉開始という密命を帯びてアメリカに赴いたものの、アメリカ側の扱いの悪さにブチぎれ、あるいはそもそも誰と交渉したら良いのかわからずに途方に暮れる場面とか、三木武吉が脳溢血で倒れて半身が不自由となった鳩山一郎を「片手片足が無くなっても政治はできる!」「泣くな、鳩山ッ!」と叱咤する場面など、名場面が遺憾なく再現されています。

キャスティングは吉田茂役に森繁久弥、三木武吉役に若山富三郎、広川弘禅役に藤岡琢也、河野一郎役に梅宮辰夫など、濃い面子が勢揃いです。ついでに吉田茂の娘役(すなわちローゼン閣下のご母堂ですね)として夏目雅子も出演してますが、分かり切った正論で父親を諫めるという実に面白みのない役所です(^^;)

前々から『小説吉田学校』を原作に大河ドラマを作ってくれんもんかと思ってましたけど、こんなのを見てしまうとマジでドラマ版が見たくなってきました。

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