加地伸行『孝経 全訳注』(講談社学術文庫、2007年6月)
文庫版で『孝経』の訳本が手元にあると便利そうだなあという感じで購入。とは言っても『孝経』自体の文章はごく短いものなので、本書の半分以上は解説が占めております。
著者は卒業論文以来『孝経』の研究に取り組んできたということですが、それにしてもなぜ今『孝経』なのかという疑問は残ります。そこで書物の巻頭と巻末に注目すればその書の本質が見えてくるという著者の考えに従って本書の末尾(正確には「附篇 『孝経』関係テキストの図版」の手前の部分)を見てみると、そこでは昨今の教育改革に関する議論でも取り上げられている道徳教育の必要性が説かれています。結局最後の最後で言いたかったのはそれですか(^^;)
それに加えて、都道府県単位で孝子などの道徳的に立派な行いをした人に対する表彰制度を復活させるべきだとも主張されています。どちらにせよ時代錯誤な感じは否めませんが、本気で戦前のような道徳観を復活させたいのであれば、そのぐらいのことはすべきでしょう。
文庫版で『孝経』の訳本が手元にあると便利そうだなあという感じで購入。とは言っても『孝経』自体の文章はごく短いものなので、本書の半分以上は解説が占めております。
著者は卒業論文以来『孝経』の研究に取り組んできたということですが、それにしてもなぜ今『孝経』なのかという疑問は残ります。そこで書物の巻頭と巻末に注目すればその書の本質が見えてくるという著者の考えに従って本書の末尾(正確には「附篇 『孝経』関係テキストの図版」の手前の部分)を見てみると、そこでは昨今の教育改革に関する議論でも取り上げられている道徳教育の必要性が説かれています。結局最後の最後で言いたかったのはそれですか(^^;)
それに加えて、都道府県単位で孝子などの道徳的に立派な行いをした人に対する表彰制度を復活させるべきだとも主張されています。どちらにせよ時代錯誤な感じは否めませんが、本気で戦前のような道徳観を復活させたいのであれば、そのぐらいのことはすべきでしょう。
もっともいくら立派なヒトを表彰してもらっても戦前回帰はヤだよなあ。婦徳なんぞくそくらへ。
いや、実は私も「そうすっとやっぱり和製雷鋒みたいなのが表彰されるんかなあ」と思いながらこの件りを読んでました(^^;)