博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大笑江湖』/『趙氏孤児』

2011年04月03日 | 映画
『大笑江湖』

大陸で人気のお笑い芸人小瀋陽主演の武侠パロディ。小瀋陽の師匠趙本山もついでに出演してます。

主役の呉迪は武侠漫画の世界に憧れつつ、街頭で靴の補修に励む毎日を送っていたところ、賞金稼ぎの月露と出会います。実は彼女、時の皇帝の婚約者なのですが、宮廷での窮屈な暮らしを嫌って江湖を漫遊していたのでありました。呉迪は彼女と武林大会に向かうことになりますが……

ということで、金庸作品はもちろん『スターウォーズ』『グリーンデスティニー』などのパロディが詰め込まれたお笑い作品に仕上がってますが、前に見た『越光宝盒』あたりと比べると、もうひとつハジケっぶりが足りないなあと…… あと、セリフが訛ってるキャラが多いなど作風に何だか既視感があるなあと思ったら、脚本家が『武林外伝』の寧財神でした。

『趙氏孤児』

陳凱歌監督で、葛優主演、范氷氷(肩は出してません)・趙文卓・張豊毅・黄暁明が脇を固めと、キャスティングが何気に豪華な作品です。春秋時代、晋の国で重臣の趙氏一族が屠岸賈の陰謀により誅殺され、医師の程嬰が趙氏唯一の生き残りの赤子趙勃を密かに養育することになり……という話で、基本的な展開は同名の元曲・京劇に基づいています。

重厚な歴史劇……と思いきや、前半で黄暁明演じる韓厥が程嬰から趙勃の入った籠を奪い取った後に、足を滑らせてその籠を放り投げるシーンにワロタw 一応確認しておきますけど、『PROMISE』みたいなお笑い大作じゃないんですよね?(^^;)

で、後半部では趙勃が父の仇の屠岸賈の義子となりますが、程嬰の思惑を超えて屠岸賈は趙勃を実の子のようにかわいがり、趙勃もそんな屠岸賈を慕うようになっていきます。この展開自体はとても良いと思うのですが、互いが互いの身の上を知った後の葛藤をもっと丁寧に描いてほしかったなあと。
コメント
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