博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

年末に読んだ本

2011年01月02日 | 日本史書籍
今年最初の更新が年末に読んだ本の紹介というのもナンだなあと思いつつ……

小林敏男『日本国号の歴史』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2010年9月)

「日本」という国号の由来や、「倭」から「日本」への国号変更の経緯をまとめた本。「日出づる処」の意味での「日本」という呼称は、倭国の内側から生まれたとは考えにくく、朝鮮半島など倭国の外側から生まれたのではないかという議論はちょっと面白いが、これを「日本号韓国起源説」と称するのは誤解を招くもとになるのではないかと思ったり(^^;) この本が参照している神野志隆光『「日本」とは何か』が読みたくなりました。

安永祖堂『笑う禅僧 「公案」と悟り』(講談社現代新書、2010年11月)

オビには「まったく新しい禅問答入門」とありますが、禅の公案をネタにしたエッセー集のような感じですね。個人的にウケたのは以下の2点。

○生まれ変わりについて。東洋では人間は死後人間以外の動物などにも生まれ変わるとされるが、西洋では人間は人間にしか生まれ変わらないという前提がある。これはキリスト教における神と人、自然との捉え方に起因する。

○キリスト教徒と神との関係は、主人に忠実な飼い犬と飼い主との関係に似ている。禅僧と仏との関係は、気ままなニャンコと飼い主との関係に似ている。

加藤隆『福音書=四つの物語』(講談社選書メチエ、2004年)

福音書はなぜマルコ・マタイ・ルカ・ヨハネの四つが書かれなければならなかったのかという疑問について解説した本……のはずですが、どうも私が期待していたのとは少し違うなあという感じが…… 同じ著者の『『新約聖書』の誕生』を先に読むべきだったのでしょうか……
コメント (2)
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