博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『ナポレオン 獅子の時代』

2009年12月21日 | 世界史書籍
長谷川哲也『ナポレオン 獅子の時代』(少年画報社、既刊12巻)

前々から何となく気になっていた作品なんですが、きつりさんとこのブログで紹介されているのを見て無性に読みたくなり、帰国に合わせてAmazonでポチッと購入してしまいました。

基本的にナポレオンの生涯と革命当時のフランスを描いた歴史物……のはずなんですが、ジャンプ漫画のノリを多分に持ち込んでしまったおかげでクートンが車椅子に銃や大砲を仕込んでバラス率いる兵卒と戦ったり、マッセナが女と(ピー)しながら戦場を駆け巡ったり、総裁カルノーがナポレオン配下の部将オージュローと一騎打ちして互角に渡り合ったりと、とにかくフリーダムな描写に溢れています。

もっとも、このあたりは著者自身がこの作品を歴史漫画ではなく番長漫画だと公言しちゃってるわけですが…… ということは中途半端な死に方をしたサン・ジュストは生きていると期待していいんでしょうか!?

あとは兵卒の行軍の壮絶さを延々と描写しているのが目につきますが、こういうのを見てるとナポレオンの勝利は彼の戦術がどうこうと言うよりも兵卒の気合いと根性の賜物だったんじゃないかという気がしてきます。昔の毛沢東の長征もこんな感じの地獄の行軍だったのかのうと思うと何だかしみじみしてきます。
コメント (9)
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