博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『隋唐英雄伝』その3

2009年02月07日 | 中国古典小説ドラマ
このドラマ、どうやらハナッから『隋唐演義』をスルーして『説唐』の方のみを元ネタにしているようなのですが、『説唐』の内容をわかりやすく解説したサイトは無いかなあと検索してたら、『百度百科』の記事に行き当たりました。各キャラごとに小説と史実との違いをまとめていたりと、なかなか読み応えがあります。なお、このサイトで『隋唐演義』とあるのはすべて『説唐』を指している模様。

で、『隋唐英雄伝』第15~21話まで見ました。

匪賊の一味として楊林に捉えられた程咬金を救出したことで、秦叔宝・単雄信・王伯当らは朝廷のお尋ね者となり、「じゃあ」ということで本当に隋王朝に対して造反することに。一党は金堤関、ついで難攻不落と言われた瓦崗寨を陥落させます。それで新皇帝を擁立して反煬帝の気運を盛り上げようとしますが、成り行きで目に一丁字も無い程咬金が皇帝の位に即くことに…… 朝廷は楊林、ついで楊林の義子魏文通に瓦崗寨討伐を命じます。

一方、隋王朝に鉄の如き忠誠を誓う羅芸は、甥の秦叔宝ばかりか息子の羅成をも造反に加わったと知って激怒し、精鋭の燕雲十八騎を率いて瓦崗寨を襲撃しようとしますが、肝心の魏文通から息子や甥に加勢するのではないかと疑われ、逆に味方のはずの官軍から襲撃を受け……

ということでようやく隋王朝打倒へと話が動き出した所で、今回のツッコミ所。

○たったの18騎で1万の遼兵を打ち破ったとか、女子供にも容赦しないとか、まるで『ロード・オブ・ザ・リング』の幽鬼兵のような最凶伝説を垂れ流しておきながら、さして活躍の場も無いまま退場した燕雲十八騎。……こういう展開にするんなら、あそこまでもったいぶった解説シーンはいらなかったんじゃないかと(^^;) 良くも悪くも行き当たりばったりなドラマですなあ。

○王伯当は実は北魏皇室の末裔だった!……本人曰く、北族出身なので隋の官吏に登用されなかったということですが、隋も鮮卑国家なのでその理屈はおかしい……というツッコミはこの際置いておきます(^^;) しかしいきなりこんな設定にしてどうするつもりなんでしょうか。『天龍八部』の蕭峰のように、後々彼の血筋が原因で昨日までの仲間達が彼と敵対するといった展開になったりするんでしょうか。

○うっかり李蓉蓉に惚れた王伯当。ここまでは良いのですが、彼女の絵を何枚も描いてはそれを自室に貼り付け、それを眺めながら物思いに沈むさまは見ているこっちがドン引きです…… このキャラ、早く誰か何とかした方がいいのかもしれません(^^;)
コメント
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